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2022.11.23 コラム

レコメンド機能とは何か?売上につながる導入ポイントを解説

 ECサイトの売上を向上させるための強力なツールとして知られるレコメンド機能。実際に何に役立ち、どんな機能があるのでしょうか?ここでは、わかりやすくポイントを解説していきます。(2022年5月初出/2022年11月改稿)

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レコメンド機能とは?

 まず、レコメンドとは英語の「recommend」のカタカナ表記で、「推薦する」「推奨する」「おすすめする」などの意味で使われています。

 ECサイトで一度は見かけたことのあるレコメンド機能。レコメンド機能は、ECサイトの売上向上のための強力なツールです。適切なタイミングで適切な商品を提案することで、ユーザーの購買意欲が促進されるだけでなく、購入単価をアップさせたり顧客満足度の向上につながることもあります。

 今まで、なんとなく目にしていたレコメンド機能ですが、実際にどのように活用すれば効果的なのか?

 ここでは、レコメンド機能について初めての人でもわかるよう、ポイントを解説していきます。

レコメンドは店員の提案と似ている

 商品を探していたり、購入を迷っている時、実際の店舗ならショップ店員が状況に応じた買い物のアドバイスをくれるでしょう。一方、ECサイトでは、基本的には対面による接客がありません。何を選べば良いのか迷っていたり、購入のモチベーションがそこまで高くないお客様はそのまま離脱してしまうことが多くなります。

 そこで、役に立つのがレコメンド機能です。

 レコメンド機能は、ショップ店員に代わって、ECサイトへ入店したそれぞれのお客様にぴったりのおすすめ商品を提案してくれます。ここでポイントとなるのが、「それぞれのお客様にぴったりの」という点です。

 画一的な提案ではなく、お客様のニーズや好み、状況に応じておすすめ商品を選び、適切なタイミングで提案することで、購買意欲を最大化させることができるようになります。
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レコメンド機能がもたらすメリット

 それでは、レコメンド機能によって得られるメリットを2点紹介します。
  • PV・滞在時間・購入確率の増加
  • 客単価の向上

◎PV・滞在時間・購入確率の増加

 レコメンド機能を使ってユーザーの嗜好に合った商品や関連商品を表示させることで、滞在時間が伸び、サイト内での回遊性も高まることが予想されます。

 その結果ユーザーの傾向が蓄積されていき、的確なタイミングで欲しいものの情報を提示する確率が上がります。

 これを繰り返すことでサイトの信頼性が向上し、いちど購入に到らずとも再訪の可能性がぐんと高まるでしょう。
 

◎客単価の向上

 マーケティングを行ううえで、顧客ひとり当たりの単価を上げることは、非常に重要でありながら難しい戦略でもあります。

 レコメンドをうまく用いることで、想定していた商品よりもグレードが高いものを提案したり、購入数の増加や付属品・関連商品の併せ買い(ついで買い)など、プラスアルファの行動を促すことができます。
 

レコメンド機能におけるデメリット

 一方で考えられるデメリットについてもおさえておきましょう。
  • コールドスタート
  • 少カバー率問題

▲コールドスタート

 レコメンド機能をより有効的に活用するためには、サイト内にある一定の商品数があること・ユーザーの情報や購入履歴などのデータの蓄積が必須事項となります。

 そのため、サイトやサービスをオープンした当初や新商品であれば、ユーザーの嗜好に合致したレコメンドのバリエーションが乏しくなり、購買促進や信頼性の向上などの本来の機能を果たせない可能性があります。
 

▲少カバー率問題

 ニッチな分野であったり、レアな商品、BtoB向けなど、製品やサービスによっては、効果を発揮しづらい傾向にあります。

 ユーザー数が限られていることで、レコメンド機能の肝ともいえる閲覧数や購入履歴などのデータが集まりづらい傾向にあり、分析の精度が低くなってしまうことが要因となります。


レコメンド機能の代表的な5種類

 それでは、レコメンド機能にはどのようなものがあるのでしょうか?

 先ほど、レコメンド機能はショップ店員からの提案に似ているとお伝えしました。売上を最大化させている店舗では、ショップ店員からの提案は画一的ではないはずです。

 たまたま立ち寄ったお客様、旅行やイベントなどの明確な目的のために商品を探しているお客様、定期的に店舗に通ってくださるお客様など、入店したお客様の状況や関心、好みはバラバラです。

 異なるタイプのお客様には、それぞれ適切な提案内容とタイミングがあります。レコメンド機能も同様で、さまざまなお客様や状況に合わせて売上を最大化できるよう、色々な種類があります。

 ここでは、代表的なレコメンド機能の種類を5つご紹介していきます。
  • ルールベースレコメンド
  • コンテンツベースフィルタリング
  • 協調フィルタリング
  • パーソナライズドレコメンド
  • ハイブリッドレコメンド

◇ルールベースレコメンド

 「ルールベースレコメンド」とは、最もシンプルなレコメンド機能で、あらかじめ定めたルールに基づいて商品を提案するものです。「新商品」「期間限定商品」「月間人気アイテム」など、ユーザーの属性や好みとは深く連携せず、サイト運営者側が決めたルールに沿って、おすすめ商品を提案していきます。

◇コンテンツベースフィルタリング

 「コンテンツベースフィルタリング」とは、ユーザーが興味を持った商品と類似した商品を提案するものです。ユーザーの嗜好を分析して、類似した属性の別の商品がレコメンドされます。

 コンテンツベースフィルタリングは、音楽や電子文献、ニュースなど、情報量の多いコンテンツサービスにも向いています。

◇協調フィルタリング

 協調フィルタリングとは、ユーザーのこれまでの利用履歴を分析し、似たような嗜好の他のユーザーが購入した商品や閲覧した商品を提案するものです。このように、類似した行動傾向や関心を持つユーザーにレコメンドすることで、購買率を高めていきます。

◇パーソナライズドレコメンド

 パーソナライズドレコメンドは、より多くのユーザーデータを必要としますが、レコメンド手法として理想的なものです。ユーザーの利用履歴や行動データをもとに、そのユーザーが興味を持ちそうな別の商品を提案します。

 ユーザー独自のデータを分析するパーソナライズレコメンドでは、協調フィルタリングよりもさらに個人の関心に寄りそった商品が提案されます。個人の嗜好に合った商品がピンポイントでレコメンドされることで、効果的に購買意欲を引き出します。

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◇ハイブリッドレコメンド

 ハイブリッドレコメンドは、複数のレコメンド手法を任意で組み合わせ、提案の精度を高めていくものです。どんなターゲットユーザーのどんな行動を促したいか、目的に応じて組み合わせを変えれば、購買意欲を最大限に引き出すことができます。

レコメンド表示のヒント8選

 今までなんとなく目にしていたレコメンド機能ですが、その具体的な仕組みや機能について少しずつイメージが湧いてきたのではないでしょうか。

 ここでは、実際にレコメンド機能を導入する際に、導入のヒントとなるレコメンド表示の代表的な例をご紹介していきます。
  • 新商品、期間限定商品(自動表示)
  • 類似商品
  • 一緒に購入
  • 最も人気な商品
  • あなたにおすすめ(パーソナライズ)
  • カテゴリで最も人気がある
  • 最近購入された商品
  • 最後に購入した商品

◎新商品、期間限定商品(自動表示)

 サイト運営者があらかじめ定めたルールに基づき、システムが自動的に最も適切な商品をレコメンドします。サイト運営者がPRしたい商品を「注目のアイテム」としてプッシュする方法もあります。

◎類似商品

 ユーザーが閲覧している商品と同じ属性の、類似商品をレコメンドします。

 「この商品を見た人はこれらの商品も見ています」「関連した商品」「関連ニュース」「おすすめの楽曲」などの表示を使い、ユーザーの嗜好と類似したものを提案します。

◎一緒に購入

 ユーザーが閲覧している商品と一緒に購入されることの多い商品をレコメンドします。「この商品を買った人はこんな商品も買っています」などと表示されるものが代表的です。

◎最も人気な商品

 ECサイトの商品ラインナップの中から、現在最も人気のある商品をレコメンドします。月間人気商品、週間人気商品など。ランキング形式で表示されることもあります。

◎あなたにおすすめ(パーソナライズ)

 ユーザーの行動履歴や関心に基づいて、それぞれのユーザーの嗜好に合わせた商品をレコメンドします。「あなたにおすすめの商品」のような表示で提案されることが多いでしょう

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◎カテゴリで最も人気がある

 ユーザーが閲覧している商品カテゴリの中で、人気のある商品をレコメンドします。

◎最近購入された商品

 ユーザーが現在見ている商品、または最近購入した商品と一緒に購入される傾向の高い商品をレコメンドします。(類似した属性の他のユーザーが購入した商品を提案)

◎最後に購入した商品

 ユーザーが最後に購入した商品を改めてレコメンドします。

顧客タイプ別レコメンド機能の活用例

 さまざまなタイプのレコメンド機能があることがわかりましたが、どのように実際のECサイト運用に役立てていけばよいのでしょうか?

 よくある顧客タイプ別に、レコメンド機能の効果的な導入事例を表にまとめました。



レコメンドの成功事例

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ユーザー特性に合ったレコメンド機能を

 レコメンド機能は、そのターゲット顧客や目的によって最適なタイプが変わります。例えば、あるユーザーは週に何回かECサイトを閲覧しますが、他のユーザーは検索や広告を通じてやってきた初めてのサイト訪問者かもしれません。

 売上を最大化させるには、ユーザー特性や行動データをもとに、どれだけ個々のユーザーに合わせたレコメンドができるのかが大切になります。

 例えば、購買履歴などのユーザーデータがあまり集められない新規ユーザーには、「人気商品」や「新商品」などの一般的なおすすめ商品情報を表示します。また、すでに商品購入や閲覧履歴のあるユーザーには、状況に応じたレコメンド情報を提供する必要があります。さらに、リピーターなどのロイヤルカスタマーは、これまでの購入履歴などのユーザーデータを豊富に利用できるため、精度の高いパーソナライズされたレコメンドができるようになり、効果的な購買促進ができるようになります。

 このように、目指すべきゴールを見極めながら、ユーザーに合わせたレコメンド機能を導入することで、売上を画期的に向上させることができるようになるのです。

レコメンド機能に関連する資料

 当サイト「通販通信ECMO」では、レコメンド機能に関する資料を多数掲載しています。ぜひご確認ください。
EC・通販業界地図 ~レコメンドツール篇~ 2022年版
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レコメンド機能に関連する記事

 まずは情報収集から始めたいという方向けにレコメンド機能に関する記事をまとめています。以下のリンクからご確認ください。
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