2024.01.26 行政情報
通販の定期購入トラブル もはや“異常事態”か!?(前)
インターネット通販などの定期購入をめぐる消費者トラブルは、2022年6月の改正特定商取引法の施行を経ても、一向に減少する気配がない。すべての消費者相談件数の1割強を占めるといった“異常事態”が続いている。

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特商法改正による規制強化も肩透かし食らう
「お試し」「初回無料」とうたう広告を見て商品購入を申し込んだものの、実際には複数回の購入が条件だったり、解約を申し出るまで継続される定期購入コースだったりと、高額な代金を請求されるという消費者トラブルが多発している。解約を望んでも、事業者に電話がつながらなかったり、嘘の説明によって解約を妨害されたりするケースが後を絶たない。この問題が目立ち始めた数年前から、国民生活センターが再三にわたって消費者へ注意喚起してきたが、その効果は限定的だった。問題解決へ向けて消費者庁は特商法を改正し、悪質な定期購入商法への対策を講じた。直罰の導入など厳しい措置も加わり、改正当時、同庁は抑止効果に期待を寄せていた。
満を持して改正特商法が2022年6月1日に施行されたものの、その後もトラブル件数は一向に減少する気配がない。悪質業者にとっては、規制強化も“どこ吹く風”のようだ。
全相談件数の1割強を定期購入が占める
国のPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された定期購入に関する消費者相談件数を見てみる。2018年度までは1~2万件台だったが、19年度に急増して5万件を突破。2021年度は5万8532件に上った。
寄せられた相談件数は“氷山の一角”であることを考えると、21年度の5万8532件は軽視できない数字だ。しかし、22年度以降はさらに深刻な状況となっている。
改正特商法が施行された22年度には、9万8154件へとほぼ倍増。22年度の全相談件数は約89万6000件で、そのうち定期購入に関する相談は1割強を占めた。
国民生活センターへの取材で、最新の数字を出してもらったところ、23年度については4~12月で前年同期を2000件ほど上回る5万4627件で推移していることがわかった。改正特商法による規制強化も沈静化につながっておらず、もはや異常事態といえそうだ。
化粧品の急増と電子タバコの台頭
トラブルの多い定期購入の商品ジャンルにも動きが見られる。同センターによると、化粧品は21年度:3万3890件→22年度:6万8807件→23年度(4~12月):3万3254件。健康食品は21年度:1万7994件→22年度:1万9686件→23年度(4~12月):1万3359件。
かつて定期購入トラブルの代名詞だった健康食品は1万件台で推移し、それほど大きな変動はないが、化粧品は急増している。
特商法の改正が議論されていた当時、健康食品業界内では「健康食品の広告の取り締まりが厳しいため、(同様の悪質な手法を)化粧品へ移行させた事業者もいる」という話が飛び交っていた。
最近では、化粧品や健康食品のほか、電子タバコ、漢方薬、ペットフードなどが台頭。今のところ相談件数は大きくないが、年々増加している。
(つづく)
(木村 祐作)
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