2024.08.19 行政情報
注目されるネット通販の「ダークパターン」への対応
通販業界の新たな課題に、「ダークパターン」への対応が浮上。現行法で取り締まることが困難なことから、内閣府の消費者委員会や消費者庁ではダークパターンへの対策を模索している。通販会社が注意すべきダークパターンには、どのようなものがあるのだろうか?
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ダークパターンとは?
ダークパターンは、消費者に気づかれずに、事業者にとって好都合な契約などに誘導するサイト設計(ウエブデザイン)のこと。
ダークパターンを用いる事業者は、インターネット上のショッピングサイトなどで、消費者を欺きながら強制したり、操作したりして、商品を購入させようとする。また、消費者にとって不利な契約を締結させるといった行為も見られる。
OECDの報告書によると、ダークパターンは「強制」「インターフェース干渉」「執拗な繰り返し」「妨害」「こっそり」「緊急性」などに分類される。その手口も年々、複雑化・巧妙化している。
登録の強制、デフォルト設定、カウントダウン…
ダークパターンの典型例に、「お試し」とうたいながら複数回の購入が条件となる悪質な定期購入商法や、申し込み・契約の解除を妨害する行為があるが、これらは既に特定商取引法で対応が可能となっている。
一方、ダークパターンの多くは、現行法で対応が困難と言われている。代表的なものに、ネット通販で、商品購入の申し込み終了まで「残り〇分」という表示がある。
これは消費者を焦らせて、冷静な判断をさせない手法だ。「残り〇分」とうたってカウントダウンしていくが、終了後も商品を購入できるというのが実態とみられる。事実と異なる「期間限定」「在庫残りわずか」の表示も、同類の手法と言える。
サービスの利用を希望するユーザーに対し、本来必要でない過剰な個人情報を登録させる行為も、ダークパターンの1つ。収集された個人情報が悪用される懸念がある。
商品購入やサービス利用の申し込みで、消費者にとって重要な情報がわかりにくく表示されているケースも。例えば、解約方法が複雑であるにもかかわらず、詳細情報が目立たないように表示されていることがあり、消費者トラブルの原因となりやすい。
事業者にとって都合のよい選択肢がデフォルト設定となっているケースも、ダークパターンの代表例。例えば、定期購入コースがデフォルト設定となっている場合、ユーザーは気づかずに定期購入契約を締結してしまう恐れがある。「メルマガを受け取る」がデフォルト設定となっている事例も散見される。
また、ネット通販でユーザーが同意していないにもかかわらず、カートにこっそりと商品を追加しているという悪質な事例も報告されている。
事業者にとって都合のよい選択を繰り返し要請する行為も問題視される。例えば、「通知」「位置追跡機能」の有効化で、執拗に要求する行為などだ。ほかにも、サイトの会員を退会しようとする場合や、サブスクリプションサービスを中止しようとする場合に、何度もしつこく確認を求めるケースもある。
政府内で対策を模索
欧米ではダークパターンに対する規制の導入が進められてきたが、日本は遅れ気味。国内の状況を見ると、既に関連法規で対策を講じている部分もあるが、現行法では対応が困難なケースが多い。
そうした事情を踏まえ、消費者委員会や消費者庁では、ダークパターンによる消費者被害を未然に防止する手法や、規制のあり方について模索している。新たな手口が次々と登場することから、網羅的な対策が求められそうだ。
一方、通販会社にとっては、自社サイトでダークパターンに該当しそうな設定が行われていないかどうか確認することが重要。ユーザーの信頼を得るために、問題が生じそうな設定を改善することが喫緊の課題となっている。
(木村 祐作)
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