299円を上限とするサービス料を加算

　同社は配布したチラシに、「お持ち帰り」と「デリバリー」の税込価格を併記していた。店頭チラシについては全国の947店舗で、2022年10月3日から今年4月23日まで配布。このほか、ポスティングチラシは730店舗、新聞折り込みチラシは663店舗で配布していた。

　消費者庁の調べによると、これらのチラシには税込価格が表示されていたが、実際の支払い額は299円を上限とするサービス料（6～7％）が加算されていた。例えば、「税込価格2879円」と表示されたデリバリー（Mサイズ）の支払い額は、サービス料を加算した「3080円」だった。

オンラインの注文ページではサービス料を表記

　オンラインでも注文を受け付けていたが、注文ページからカートに入れると、自動的にサービス料が表示される仕組みになっていた。このため、ウェブサイトの表示については措置命令の対象から外した。消費者庁では「まったく問題がないわけではないが、違反と認定するほどではなかった」（表示対策課）としている。

　チラシの裏面には小さな文字で、「当社は品質とサービスを維持し、さらには向上させるために、すべての注文（電話注文、店舗注文を除く）に対してサービス料を頂戴しております」などと記載していた。しかし、「この位置に小さく書かれても、一般消費者はわからない。強調表示を打ち消すものではないと評価した」（同）と説明している。

　消費者庁は、チラシの表示内容が景表法で禁止している有利誤認表示に該当すると判断。同社に対し、景表法違反である旨を一般消費者へ周知することや、再発防止の徹底などを命じた。

　取材に対し、同社は「今回の措置命令を厳粛かつ真摯に受け止め、再発防止策として、社員教育のさらなる徹底、掲載前の社内審査など、景品表示法をはじめとする表示に関するチェック体制を一層強化します」とコメントした。同社は今年4月24日以降、サービス料の徴収を廃止し、約9％の値上げを実施している。

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