2022.03.29 コラム
サブスクリプションとは? 「定額制」や「レンタル」との違いを知ろう
サブスクリプションとは年々市場規模を伸ばしているビジネスモデルです。事業者とユーザーのどちらにもメリットがあるビジネスモデルとして導入しているサービスが多くなっています。本記事ではサブスクリプションの特徴やメリット、サービス事例について解説します。
サブスクリプションとは?
サブスクリプションとは「定期購入」といった意味を持ちます。最近では「サブスク」という略称で世間に浸透している言葉です。
サブスクリプションサービスとは、ユーザーが月会費や年会費を支払うことで、サービスを利用できるサービスのことです。主流なサービスとして、動画や音楽の配信やオンラインスクールなどのコンテンツが増えてきています。サブスクリプションが流行している理由として、一定の金額を支払うことでサービスが利用し放題というメリットがあり、多くのユーザーに受け入れられている背景があります。
他のビジネスモデルとの違い
サブスクリプションには、他にも類似しているビジネスモデルがいくつか存在します。ビジネスモデルとして混同されやすいため、それぞれの違いについて覚えておきましょう。
▽定額制サービスとの違い
サブスクリプションと最も近いビジネスモデルに「定額制サービス」があります。サブスクリプションとの大きな違いは、定額制サービスがある商品やサービスを固定的かつ継続的にユーザーに提供するという点です。
サブスクリプションは、利用しているユーザーのニーズや必要としている部分を満たし、顧客満足度を継続的に向上させていくことを目的としています。そのため常にサービスの拡充が図られることが大きな特徴です。
▽レンタルとの違い
「レンタル」とは一定期間商品を有料で貸し出すサービスのことを指します。レンタルビデオやレンタルオフィスなどが代表的ですが、基本的には数日や数時間といった期間のみ貸し出すというビジネスモデルです。
サブスクリプションとの違いは「利用期間」にあります。一時的にユーザーが利用するのであればレンタルが適していますが、中長期的に利用を繰り返すのであればサブスクリプションが適しています。
▽リースとの違い
「リース」とは、機械や設備などの比較的高額な商品を一定期間貸し出すビジネスモデルです。購入した場合は高額な費用がかかる商品を月額などで借りることができるサービスのため、会社や工場、農業などで活用されることが多いです。
貸出期間も年単位となることが多く、期間内の解約には違約金が発生するなど、サブスクリプションなどと比べるとハードルが高い手段となります。
サブスクリプションの市場規模
サブスクリプションの市場規模は、2016年以降拡大し続けています。2023年には全世界で1000億ドルを超えると予想されており、今後もさまざまなサービスが展開されていくことが考えられます。
特に動画配信サービスや音楽配信サービスの市場規模が大幅に成長している傾向があり、幅広い世代に活用されるジャンルでは新たなサブスクリプションサービスも増え続けていくことでしょう。
また、BtoBビジネスにおけるサブスクリプションサービスも年々増加していることから、現在では参入していない業界からも新たなサービスが展開されるだろうと予想されています。
事業者:サブスクリプションのメリット
サブスクリプションのメリットについて解説します。事業者側とユーザー側でメリットが異なるため、それぞれ分けて解説していきます。
◎継続的な収益が見込める
一度ユーザーが契約すると、解約されるまで継続的に利益が発生するため、売上の予測がしやすくなります。売上について予測することで、目標の数値に達するのかどうかを把握しやすくなり、解約率の改善や新規獲得などの施策を考えることができます。
解約率を抑制しつつ長期的な新規獲得施策を行うことができれば、売上を継続して伸ばしていくことができるでしょう。
◎ユーザーの利用状況が把握できる
ユーザーごとの利用履歴や契約履歴を記録することで、利用状況を把握することができます。ここで得たデータをサービスの品質改善に活かすことで、解約率を下げることにもつながります。
また常に最新のユーザー状況を把握しておくことで、リアルなユーザーの需要を発見することができるでしょう。
◎新規ユーザーの獲得がしやすい
サブスクリプションサービスには比較的安価なサービスが多いため、利用開始のハードルが低く、新規ユーザーの獲得がしやすい傾向にあります。質の高いコンテンツを提供することで継続利用率が高まり、結果として大きな利益となる可能性も高く、サブスクリプションを運営する事業者の課題としては新規獲得と継続率の改善がメインとなります。
ユーザー:サブスクリプションのメリット
◎初期費用を抑えて利用開始できる
サブスクリプションは数百円から数千円の月額費用で好きなサービスを利用し放題ということもあり、質の高いコンテンツを低価格で利用できるという点がメリットです。
従来のレンタルビデオのように返却の手間も必要なく、最低限の費用を支払うだけでさまざまなコンテンツを利用できる部分に価値を感じるユーザーも多いです。
◎サービスを利用しただけお得になる
サブスクリプションモデルのサービスは、一定の利用料でサービスが使い放題なので、サービスを利用すればするほどコストパフォーマンスが向上します。
そのため月に映画を10本以上見る人や、さまざまなジャンルの音楽を聴く人などにはサブスクリプションサービスがおすすめです。
◎好きなタイミングで解約できる
サブスクリプションモデルでは、ユーザーの好きなタイミングで解約することができ、違約金も特に発生しないケースがほとんどです、解約の申請を行った月の費用までを支払えば問題ないサービスが多いです。
そういった手軽さがサブスクリプションの市場規模が伸びている要因の一つといえます。
事業者:サブスクリプションのデメリット
サブスクリプションのデメリットについても触れておきましょう。以下のデメリットを知っておくことで、事前に対策を考えることができます。
▲収益化まで時間がかかる
サービスのリリース直後はユーザー数が少ないなどの理由で収益が思うように出ないケースがあります。長期的に継続することで新規ユーザーや既存ユーザーの数が増え黒字化する可能性がありますが、はじめのうちは赤字覚悟でいることも必要です。
▲継続的なコンテンツ追加の必要がある
ユーザーに継続して契約してもらうためには、飽きられないよう常に新しいコンテンツを追加し続けていく必要があります。またリリース直後でも、ある程度のコンテンツ数が無いと、すぐに解約されてしまう恐れがありますので、リリース直後のコンテンツの準備も重要です。
▲解約されやすくなる可能性がある
安いサブスクリプションサービスは、簡単に契約につなげることができる反面、必要ないと思われた瞬間に解約にもつながりやすいといったデメリットがあります。契約のハードルが低い分、ユーザーの心理的にも解約にも至りやすいという点がありますので、解約されないためのサービスやコンテンツの工夫が必要となります。
ユーザー:サブスクリプションのデメリット
▲利用回数に関わらず費用が発生する
サブスクリプションサービスは利用しなくても費用が発生するために、ほとんど利用していなくても一定の支払いをしなければなりません。結果、本来お得だったはずのプランでも、お得さを活用できていなかったというケースも考えられます。
そのため、実際にどのくらいサービスを活用する可能性があるのかを事前に考えてから契約するとよいでしょう。
▲不要なサービスも含まれることがある
サブスクリプションサービスには幅広いコンテンツや機能が用意されているケースが多いですが、自分にとって必要のないコンテンツが一定数含まれていることも考えられます。
自分に必要なサービスの使用頻度やクオリティをふまえ、契約しているサービスのコストパフォーマンスを分析してみることをおすすめします。
▲解約するとサービス利用できなくなる
契約時に利用していたサービスは、当然ながら解約後に利用することができなくなります。サブスクリプションを解約することで使用できなくなるコンテンツなどを事前にしっかり把握しておきましょう。
サブスクリプションサービスの代表例
サブスクリプションはさまざまな業種やカテゴリでサービスが展開されていますが、その代表的な例について紹介します。
◇動画配信サービス
動画配信サービスは、一度は使ったことがあるという方も多いでしょう。「Netflix」や「Amazonプライムビデオ」、「Hulu」などが代表的です。ドラマや映画、バラエティなどのジャンルを幅広く配信しており、2020年以降のコロナ禍において、売り上げが急増したビジネスといえます。
サービスやプランにもよりますが、一般的なプランでは1,000円前後で利用可能ですので、契約のハードルも低い点が特徴です。
◇オンライン英会話
英会話教室といえばオフラインのイメージが強いですが、最近ではオンラインサービスが増えただけではなく、サブスクリプションモデルを導入している企業も増えてきています。
オフラインの英会話教室は「週1回のレッスンで月会費○○円」といった料金体系が主流ですが、サブスクリプションの英会話では月額数千円でレッスン受け放題というサービスがあります。
◇マッチングアプリ
近年ではアプリ経由で結婚まで至る人も増えており、市場を伸ばしるづけているマッチングアプリ業界ですが、マッチングアプリもサブスクリプションサービスの代表的なモデルになります。
プランに応じた月額費用を支払うことで、ユーザー同士のやり取りがし放題になるといったサービスが主流となります。
サブスクの特徴を把握しておこう
サブスクリプションは今では珍しくないビジネスモデルとなるまで市場を伸ばし続けています。BtoCサービスに限らず、BtoBサービスにも活用することができ、事業側にもユーザー側にもメリットが多いのが特徴です。
しかし、全てにおいてサブスクリプションが有効というわけではなく、商品やサービスの特徴や価格帯によっては別のビジネスモデルの方が向いているケースもありますので、実際に導入した際の売上予測やシミュレーションを考えてみるとよいでしょう。
サブスクリプションに関連する資料
当サイト「通販通信ECMO」では、サブスクリプションに関する資料を多数掲載しています。ぜひご確認ください。
サブスクリプションに関連する記事
まずは情報収集から始めたいという方向けにサブスクリプションに関する記事をまとめています。以下のリンクからご確認ください。
・「サブスクリプション」関連記事一覧
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。
資料DLランキング
-
1
2024年プライムデー速報
-
2
越境ECウェブインバウンド白書2024
-
3
Amazonビッグセールで 売上を8倍までのばした 広告運用術
-
4
Amazon出品で売上最大化の実現を 目指すための基本施策とは?
-
5
【Amazon広告完全ガイド】しるし株式会社_ブランドオーナー様向け
ニュースランキング
-
1
イーベイ、「20%メガ割セール」の流通額が20回連続で過去最高を記録
-
2
デジタル庁、「デジタルマーケットプレイス」正式版リリースへ 事業者向け説明会を予定
-
3
居酒屋が副業で配達員に、「Amazon Hub デリバリーパートナー」開始
-
4
伊藤忠、食品企業のSNSマーケティングを支援
-
5
通販会社のSUNSIRIに業務停止命令…美容クリームで「シワが消えた」とうたう