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2022.08.21 コラム

ホワイトペーパーとは?作り方やBtoBのwebマーケティング成功のコツ

 ホワイトペーパーとは、もともと「白書」のことで実態調査資料などを指す言葉です。近時は企業がリード獲得を行うwebマーケティング用語として扱われる場面が多くなってきました。ホワイトペーパーを活用したマーケティングの意義や方法について解説します。(2021年5月初出/2022年8月改稿)



ホワイトペーパーの意味/目的

 「ホワイトペーパー」はWebマーケティング用語のひとつで、自社サービスに関連する情報をまとめ、顧客に役立つ形で公開する資料全般のことを指します。見込み顧客との接点をつくる手段としてマーケティングに活用されています。

 企業は自社が提供する商品やサービスと内容が近い調査資料などを用意し、ユーザーは個人情報を入力したうえで資料をダウンロードします。提供する企業はダウンロード情報をもとに見込み顧客にリーチすることができます。マーケティングにおける顧客獲得のためのアプローチ手法のひとつです。

 商品やサービスを購入検討する顧客にとって、購入に至るまでのハードルは心理的にも高くなります。比べてホワイトペーパーであれば、まずは資料のダウンロードだけですので、アクションに対する心理的ハードルが下がります。

 ホワイトペーパーをダウンロードする顧客は、ホワイトペーパーが扱う課題と同じ課題を抱えていると考えられます。自身の個人情報を提供してでも、情報獲得を目的としているため、課題に対してのソリューションに強く関心があるのです。

 顧客との面談時に、作成したホワイトペーパーを営業ツールとして活用することもできます。一般の営業資料が、自社ソリューションの紹介とその導入効果という、企業側の視点で記述されているのにくらべ、ホワイトペーパーは課題とその分析、および解決手法といった、顧客側の視点で記述されている点が大きな違いと言えるでしょう。

★関連語解説

 ホワイトペーパーに関連する頻出語を以下に説明します。
WP ホワイトペーパーの略語
リード獲得 見込み顧客の情報を集めること。ホワイトペーパーの施策の主目的がこれにあたる
リードナーチャリング 獲得した見込み顧客(リード)の購入意欲を高め、将来的な受注につなげていくマーケティング手法
リード獲得するために、ホワイトペーパーを掲載する場所としては大きく2つあります。ひとつは自社サイトに掲載すること。コストを抑えられます。もうひとつは他社メディアなど、外部媒体を利用することです。

 獲得したい顧客が頻繁にアクセスする外部メディアに掲載してもらうことで、自社サイトのみではアプローチできなかったリードを獲得することもできます。

 リードナーチャリングの仕方としては、例えばメルマガを活用して情報を配信することで、課題を解決できると理解してもらえると、購買につなげやすくします。

WPはどんなコンテンツにする?

 前述のように、ホワイトペーパーの主目的はリード獲得にあるため、自社が提供する商品サービスと関連のある内容を掲載することが望ましいです。自社の商品サービスと関連性が薄いと、リード価値が低く、有用性がなくなります。ホワイトペーパーの種類としては下記のように大別できます。

・カタログ/媒体資料【難易度:低】

 実際に営業マンが営業活動で使っているような資料をそのまま使うパターンです。商品やサービスの紹介資料だったり製品カタログ、仕様書のようなものが相当します。作成の難易度は高くありません。すでにお持ちという場合がほとんどではないでしょうか。

・事例紹介資料【難易度:中】

 自社の商品やサービスを実際に導入した事例を紹介するといったものです。「導入事例」「お客様の声」「VOC(Voice of Custmor)」などとも呼ばれるものです。インタビューに応じてくれるクライアントはいるか、社名などの情報を公開してもいいかなどハードルはありますが比較的作成の難易度は低いでしょう。社名は固有名詞を出さずに「〇〇系A社様」などとマスクすることで承諾を得るハードルを下げることも可能です。導入事例も「企業名を出せることに意味がある」「導入の成果を伝えることに意味がある」など尖るポイントは事例ごとに変わります。後者の場合は社名がつまびらかではなくとも、十分潜在顧客を刺激することはできるはずです。

・調査資料【難易度:高】

 自社の商品やサービスに関連した調査資料を用意するという手もあります。例えば、市場規模調査など潜在顧客が知りたそうな情報を調査してレポート化するといった内容です。調査する内容にもよりますが、外部のリサーチャーを使う場合など時間もコストもかかるため作成の難易度は高めとなります。

具体的なWPの例

 たとえば、チャットボットサービスを提供する企業がホワイトペーパーをつくる場合は以下のような内容が考えられます。
事例紹介形式 チャットボットを導入してどんな成果が出たか

 導入した企業に取材をおこない、自社サービスを導入したことによるメリットを紹介する資料です。
レポート形式 チャットボットを導入している企業はどれほどあるか

 自社サービスや業界について調査結果をまとめ、報告する資料です。明確な課題を持たない顧客に加え、既存顧客に対しても情報提供できます。
課題解決形式 チャットボットを導入する企業はどのようなニーズから導入を決めたか

 課題を解決するための方法を、自社サービスのソリューションを交えて紹介する資料です。見込み顧客が抱える課題を想定し、興味関心を持ってもらう目的があります。

 上記のように調査を実施するにはコストと手間がかかるため、ホワイトペーパーの作成に着手すること自体が困難になるケースもあります。こうした場合は、まずはサービス資料・カタログなど、既成の資料を活用し展開すると着手しやすくなります。

★実際に掲載されているWP例

 当サイト「通販通信ECMO」は資料ダウンロードサイトの側面があります。当サイトでの掲載例として下記がホワイトペーパーに該当します。的確に自社の商品サービスに対してニーズがあるダウンロードを獲得しています。

★ECサイト構築企業が、構築にあたる初期投資額を調査したもの



★後払い決済会社が利用実態調査を行ったもの



★不正注文対策ツールを提供する企業が、不正注文を防ぐための対策を例示したもの


ホワイトペーパーの基本的な構成

 ホワイトペーパーを作成する際に、「5パラグラフの法則」を意識することが多いです。「5パラグラフの法則」とは論文作成などに用いられる、意図を伝えやすい文章構成を作るための考え方です。ホワイトペーパー作成時には意識してみるとよいでしょう。
  1. (1)要約(イントロダクション)
  2. (2)問題提起
  3. (3)解決策の提示
  4. (4)商品・サービス情報
  5. (5)結論

(1)要約(イントロダクション)

 ホワイトペーパーの冒頭部分には全体の要約を記載するとよいでしょう。どのような内容について触れているのか、どのような課題や疑問を解決できるのかなどの情報を最初にユーザーに伝えるためです。内容を分かりやすく要約することで、ユーザーの興味を引く効果があります。
 

(2)問題提起

 ホワイトペーパーを読むユーザーの課題や問題について明確にしていきます。課題や問題を掘り下げることで、ユーザーが気付いていなかった新たな疑問や問題を発見することにもつながります。また課題解決への期待感を増加させる効果もあるため、問題提起はできるだけ明確にしましょう。
 

(3)解決策の提示

 課題や問題に対する解決策を具体的に提示します。よりユーザーに伝わりやすい内容にするためには具体例を織り込むと良いでしょう。問題提起から解決までのストーリーを明確にすることで、ユーザーの満足度も向上します。
 

(4)商品・サービス情報

 ここで問題解決に導くために提供できる商品やサービスをPRします。注意点としては営業色をホワイトペーパーによって調整することです。より購買意欲の高いユーザーが読んでいるホワイトペーパーであれば具体的な商品情報を掲載しても効果的ですが、意欲がそれ程高くないユーザーにとっては印象が悪くなる可能性があるためです。
 
 ホワイトペーパーの内容や読むユーザー層によって、訴求の内容もかえていけると良いでしょう。
 

(5)結論

 最後にここまで説明した内容について、結論としてまとめましょう。結論だけを読んでも全体像が把握できる内容がベストです。課題や問題に対して、なぜ提示した解決策が有効なのかについて簡潔にまとめるようにしましょう。

ホワイトペーパーの作り方

 ホワイトペーパーのマーケティングにおける目的は、資料を読み込んでもらうことではなく、ホワイトペーパーに興味を示す人が誰であるかを把握し、その人に自社の商品サービスを使ってもらうことです。

 一番重要なことはダウンロードしてもらうまでの見た目、興味を引く内容であるかどうかです。そのため、作成するにあたっていくつかのポイントがあります。

◇タイトル、キャッチ画像 重要度:高

 タイトルでの訴求力が向上すると、ダウンロード数に直結しやすくなります。例としては、読んでもらいたいターゲット層をテキストとしてタイトルに含めることや、具体的なメリットを記載することなどが挙げられます。たとえば「〇〇担当者必見!」「〇〇が一挙に解決する3手法」などといったキャッチーなものです。また、キャッチ画像は目につきやすいため、文字を羅列するだけよりも記事が読まれやすくなる効果があります。

◇DLページの説明文 重要度:中

 ダウンロード資料の冒頭部分もしくは要約を掲載することで、顧客は自分がダウンロードすべきかどうかを判断できます。タイトルやキャッチだけでは訴求しきれない部分をここで説明しましょう。

◇資料の中身(内容) 重要度:中~低

 行政が出版するような「白書」レベルのものを用意する必要はありません。最終的な目的は成約してもらうことであるため、プレゼンに自信がある場合は対面営業につなげられればいいのです。

 ホワイトペーパーのみで完結してしまうような濃い内容だと、その後の成約・購買につながらなくなる可能性もあります。アポイントなど次のアクションにつなぐためには、時として「抜け感」も重要なのです。ホワイトペーパーをDLしたり読んでもらうのは、あくまで入口のアプローチ手段であることを念頭におき、本来の目的を見失わないようにしましょう。

ホワイトペーパー作成時のポイント

 
  • 課題や目標を明確にする
  • ページ毎のレイアウトを作成する
  • ターゲットを明確にする
  • 見やすいデザインを工夫する

▽課題や目標を明確にする

 自社にどのような課題があり、どのように解決していくかを明確にしましょう。例えばリードを増やしたい、ブランディングを強化したいといった課題があげられます。
 
 また、課題を解決するための数値目標を立てておくと、改善にもつながりやすいでしょう。ホワイトペーパーを作成することで、どのくらいの成果が見込めるのかを考えておくことが重要です。
 

▽ターゲットを明確にする

 ホワイトペーパーをどのようなターゲットに届けたいのかを明確にしましょう。ターゲットを明確にすることで発信したい情報を絞り込むことができます。
 
 ターゲット層をイメージする手法として「ペルソナ設計」というものがあります。年齢や性別、居住地などのデモグラフィックデータや職業や趣味嗜好、生活スタイルなどを具体的に設定することで、1人のターゲット層を深堀していくことができます。
 

▽見やすいデザインを工夫する

 ホワイトペーパーはより視覚的に情報を得やすいデザインにすることで、良い資料となります。他社のホワイトペーパーを参考にしたり、雑誌などの他の媒体を参考にしたりすると客観的にデザインを分析することができます。
 
 また、ユーザーの反応によってデザインは改善と検証を繰り返していくことも効果的です。中長期的に効果を最大化するためには、試行錯誤を続けていきましょう。

よくある質問

Q1.WPマーケ意義わかるが作るの大変

A1.

あまり難しく考えずに、まずは手元にあるコンテンツをアレンジしてホワイトペーパー化してみましょう。サービスガイドのようなものは大体ありものがあると思います。もし公にできる導入事例などがあれば、資料の表紙やタイトル、メインコンテンツを導入事例に立てつつ、のこりはサービスガイドをそのまま転載してみるだけでもホワイトペーパーを作ることができます。極端な話、表紙1ページ、導入事例紹介1ページ、残りはありもののサービスガイド転載、といった形でもホワイトぺーパーのような体裁にできます。

出来上がったWPでどうマーケするか

 ホワイトペーパーをダウンロードする対価として個人情報を得ることは重要です。個人情報を用いて、メール・電話による連絡、郵送・FAXなどのDM送付といった営業アプローチをおこなうのが一般的です。

 セミナー参加や自社が販売する商品サービスの無料トライアルなどへ誘導することも考えられます。

ターゲットとなるユーザーは興味関心を持ってホワイトペーパーをダウンロードしているため、成約率は、他経路からの顧客よりも高くなる傾向にあり、顧客側も営業に対して関心を持つ可能性も高まります。

ホワイトペーパーによって獲得したリード(見込み顧客)情報をどう有効活用していくかについては、下記の記事も参考にしてみてください。
ナーチャリング=見込み顧客(リード)育成…その目的と方法とは? インサイドセールスの意味や目的とは?業務内容の具体例つき BtoBマーケティングの鉄板施策・手法とは?【成功事例紹介付き】 リード獲得営業とは?見込み顧客を手に入れる手段・方法一覧 【資料付】トークスクリプトの作り方とは?ツール活用や委託という手も

資料ダウンロードサイトの活用


 ホワイトペーパーは自社サイトに掲載展開することが一般的ですが、この場合集客効率やEFO(Entry Form Optimization=入力フォームをユーザーが入力しやすいように最適化する施策)に課題が出ることもあります。これらを解決できるのが、外部の資料ダウンロードサイトを活用することです。

 集客をするにはSNSによる広告やリスティング広告を出していく必要があります。これらは、成果を出すためには一定のスキルやノウハウが要求されます。そのため、単に対策を実施しただけでは効果が出ず、時間だけを浪費してしまう可能性もあります。

 集客がうまくいったとしても、ダウンロードされるかはサイトのEFO次第です。外部サイトであれば、集客もEFOもそのサイトで実施され、任せることができます。

 外部サイトを利用するときに検討する項目として、コストとターゲティングが挙げられます。一般的な相場としては、外部サイト利用の固定費は月額10万円ほどです。リード獲得数によって変動する場合もあります。自社サイト掲載の場合とコストメリットを勘案して利用を検討すべきです。

 ターゲティングに関しては、獲得したいターゲットにマッチするサイトにホワイトペーパー設置を依頼しなければなりません。ターゲティングを間違えると、コストだけがかかり、有益なリードを獲得できないことも起こりえます。掲載を依頼するサイトは、コストと合わせて慎重に選定する必要があります。

おすすめ資料ダウンロードサイト

 
 当サイト「通販通信ECMO」でもホワイトペーパーのアップロードが可能です。無料から運用可能ですのでEC・通販企業をターゲットにする企業であれば、ぜひ活用してみてください。


 無料から資料掲載できるため、ダウンロードサイト掲載を検討している方は、まずは無料トライアルで試すことも可能です。

【メリット】
  • 無料から利用可能
  • 有償版も1カ月単位で利用可能で完全成果報酬型(固定費なし)
  • 有償利用企業には、ホワイトペーパーマーケティングノウハウなど無料提供
  • タイトルやキャッチ画像、WP自体の構成やテーマアドバイスなど無料実施
 通販通信ECMOは創刊から10年以上の歴史を誇るWEBメディアです。業界最多の月間記事更新数150本を超えており、EC・通販業界に必要なニュースを網羅しています。

【導入企業の例】
通販通信ECMOのダウンロード機能を活用しているECベンダーでは、以下のような成果をあげています。
  • 初月30DL発生(30リード獲得)
  • 初月以降も約20件/月のリードを継続的に獲得
  • 年商規模の大きいEC・通販企業が他媒体より多い
  • 新規商談などに貴重なリードが獲得できている
 そのほか、「リード獲得だけでなく知名度向上にも効果を実感できた」「都度相談に乗っていただきCPAを抑えたリード獲得ができた」といった声もあります。



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