(株)矢野経済研究所が19日発表した「コールセンター事業者が提供するAIサービス市場調査」のまとめによると、2020年度の市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比144.4%となる26億円に拡大する見込みを示した。

19年度の市場規模は125%増の18億円
調査は6月~10月。コールセンターサービス提供事業者、IT系BPO事業者、印刷系BPO事業者、事務系他BPO事業者、コールセンター向けソリューション提供事業者に聞いた。
調査におけるAIサービスとは、AI技術を活用してテキスト又は音声で人と対話するサービスを指す。コールセンター事業者が提供するAIサービス市場規模には、AIチャットボットなどの売上高に加え、サービス導入後のチューニングなどの運用業務の売上高も含む。コールセンターサービス事業者は、大手企業を中心に自社保有施設にAIサービスを導入しているだけではなく、クライアント企業のコールセンターでもAIサービスを提供している。
コールセンターでのAIチャットボットなどのAIサービス導入は18年ごろから進み始め、人材不足の深刻化に伴い、AIサービスによるオペレーター業務の自動化に対するニーズは継続的に高まってきた。そのため、コールセンター事業者が提供しているAIサービスを導入するクライアント企業数も増加し、19年度のコールセンター事業者が提供するAIサービス市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比225.0%の18億円となった。
コロナが追い風、応対の自動化が急務に
20年度に入ってから、新型コロナウイルスの感染対策で密を避け、これまでより少ない人数でコールセンターを稼働させる必要が出てきたため、オペレーター業務の自動化ニーズはさらに高まっている。当面はこの状況が続くとみられ、20年度のコールセンター事業者が提供するAIサービス市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比144.4%の26億円となる見込みを示した。
21年度市場もさらに拡大の見通し
21年度以降も以前の状態に戻るとは想定しづらく、コールセンターでのAIサービスによる自動化のニーズは継続的に高まっていく見通しだ。また今後、コールセンターにおける導入事例が増加し、AIサービスを導入することが当たり前になってくると、導入を躊躇してきたクライアント企業でも、他の企業に倣って導入するケースが増加していくと推測。そのため、コールセンター事業者が提供するAIサービスの市場規模は、21年度以降も高いペースで成長していくと予測している。
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