2019.07.03 行政情報
消費者庁新長官に建設省出身の伊藤明子氏、4代続けて女性が就任
消費者庁は7月2日、現任の岡村和美長官が9日付で退職し、建設省(現・国土交通省)出身で内閣官房内閣審議官の伊藤明子氏が新たに消費者庁長官に就任する人事を発表した。また、同日付で、政策立案総括審議官の高田潔氏が次長に就任する。
伊藤明子氏
阿南氏、坂東氏、岡村長官に続き4代目の女性長官が就任
消費者庁長官は、阿南久氏から4代続けての女性の就任となった。消費者庁長官に就任の人物は、阿南氏が消費者団体出身、坂東久美子氏は文部省出身、岡村長官は法務省出身とさまざまな畑から選出されてきた。伊藤新長官は建設省出身、これまでともまた畑が違う人物の就任となり今後の動向が注目される。
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<伊藤明子新長官のプロフィール>
1984年3月に京都大学工学部を卒業。同4月に建設省(現在は国土交通省に再編)採用、住宅局住宅建設課に配属。そののち、国土交通省では住宅総合整備課長、住宅局住宅生産課長、大臣官房審議官住宅局長などを歴任。復興庁の統括官付なども担当した。内閣官房内閣審議官としては地域活性化統合事務局次長、内閣府本府地域活性化推進室次長、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長、内閣官房すべての女性が輝くしゃかいづくり推進室次長などを担当した。2018年7月に内閣官房内閣審議官(内閣官房副長官補付)、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局地方創生総括官補に任命。併せて内閣府地方創生推進事務局・内閣府地方創生推進室次長も兼任。
岡村長官の在職期間中には預託商法や仮想通貨関連も積極執行
法務省や金融庁を経験したのち最高検察庁の検事も務めた岡村長官は、定例会見後に記者懇を積極的に実施するなどメディアとの関係性構築にも尽力した人物。在職期間中の主な出来事には、金融庁・警察庁と連名で暗号資産(仮想通貨)に関する注意喚起を行ったり、預託商法で世間を賑わせたジャパンライフ(株)に対する複数回にわたる行政処分などがある。そのほか、消費者安全法による消費者に向けた注意喚起を積極的に行い、通販業界関連ではAmazonや楽天を騙る詐欺メールについてやケフィア事業振興会に関する注意喚起も行った。
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