2023.08.14 ECモール
楽天グループ、黒字化が視野に…三木谷氏「経営に絶対的な自信がある」
目次
楽天モバイルは黒字化の「フェーズ3」に移行へ
楽天グループの連結EBITA(価値評価指標)は、楽天モバイルの設備投資や営業費用の減少、ネットサービスやフィンテックが好調なことから、第2四半期で336億円の黒字となった。連結Non-GAAP(米国会計基準)営業利益は、394億円の損失となり、前年同期の損失804億円から、赤字幅を半減させた。三木谷浩史社長は、楽天モバイルの事業が事業基盤を確立する「フェーズ1」から23年はリーン(無駄のない)な経営を確立する「フェーズ2」に入っており、2023年末あたりから黒字化を実現する「フェーズ3」に移行する見通しを示した。
楽天市場・楽天トラベル・広告事業・物流事業などが好調
国内EC事業を含むインターネットサービスセグメント(連結累計期間)は、売上収益が同10.2%増の5658億2400万円、セグメント利益が同20.4%減の263億2600万円となった。国内ECは国内旅行の需要回復で「楽天トラベル」の取扱高が伸長したほか、大規模セールなども好調だった。また、相乗効果で広告事業の売上も拡大。第2四半期での広告事業の売上収益は前年同期比12.7%増の502億円と大幅に拡大している。第2四半期の国内ECの売上収益は、楽天市場・楽天トラベルの成長もあり、前年同期比12.9%増の1867億8700万円となった。「楽天西友ネットスーパー」「物流事業」「ビューティー」などをまとめた国内EC成長投資ビジネスの売上収益は同17.3%増の299億3900万円となった。特に物流事業については、22年6月と23年6月の比較で契約店舗数が32.5%伸びているほか、楽天スーパーロジスティクス(RSL)が19年Q2から4年間で62.9%増加した。RSLを利用する店舗は、利用していない店舗と比較して流通総額の平均成長率が9.1ポイント高い結果となった。第2四半期の国内EC流通総額は同10%増の1兆4542億円だった。
「楽天カード」の発行枚数が累計2900万枚を突破
フィンテックセグメントの売上収益(連結累計期間)は、同10.5%増の3490億2700万円、セグメント利益は26.1%増の596億4000万円となった。23年5月に「楽天カード」の累計発行枚数が2900万枚を突破。オフライン需要の回復と、オンライン消費でのニーズも継続したことで、ショッピング取扱高が伸長した。また、シナジー効果の強化などを目的に、楽天グループ内にあった楽天ペイ(オンライン決済)事業を、楽天ペイメント(株)に移管し、楽天ペイメントが楽天カード(株)の子会社となる事業再編を11月1日に実施すると発表した。
モバイルセグメントの売上収益(連結累計期間)は、同12.1%増の1764億400万円、セグメント損失は1850億9300万円となり、赤字幅を687億6000万円縮小した。第2四半期期間での売上収益は13.3%増の522億円となった。ネットワーク費用を月に150億円削減するコスト平準化の目標値は、6月時点で86%達成にあたる129億円を削減。楽天モバイル契約回線数は「最強プラン」開始後に大きく伸び、7月時点で4910万回線と、500万回線が目前に迫った。
三木谷氏「もう間もなくグループ全体での黒字化も復活」
楽天モバイルの収益改善が進む中、楽天モバイルに対する批判的な報道が続いている現状について、三木谷氏は「正直、経営にも絶対的な自信を持っているということしか言えない。楽天モバイルは巨大なネットワークを3年で作る未曾のプロジェクトで、そこに果敢に挑んでいる。これはやっぱり世の中のニーズと社会的な要求がある。無制限で家族4人が使うと(月額)20万円以上セーブができる社会的な意義のあるプロジェクトっていうのはほとんど他にないと思っている。楽天は青臭いところもあり、これを必ず実現しようという強い決意で挑んでいる。財務的にはもう間もなく、グループ全体での黒字化も復活する。楽天銀行、楽天証券、今回の楽天カードとペイメント事業に関しても、言い方は悪いが、やろうと思ったら一度にマネタイズできる、というメッセージをマーケットに対して送っている」と話した。フィンテックセグメントの主要KPI(第2四半期期間)は、楽天銀行の預金残高が前年同期比16.9%増の9.3兆円、楽天証券の預り資産は同34.1%増の22.2兆円となっている。今回の事業再編で、楽天カードのIPOを視野に入れているのだとしたら、さらなる資産が確保できることになる。フィンテック分野の資本力拡充を契機に、これまで続いていた楽天モバイルに対するネガティブな見方が変わっていくかもしれない。
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