2023.07.20 行政情報
個人を装う勧誘は不意打ちに…消費者委員会WGが「チャット勧誘販売」規制で報告書
チャット勧誘販売による消費者トラブルの増加を受けて、消費者委員会の「デジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループ」は20日、規制の方向性を示した報告書を取りまとめた。8月中に消費者委員会本会議へ報告する予定だ。

消費者委員会WGの冒頭の様子(20日午前、東京・霞が関)
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訪問販売や電話勧誘販売と同様の規制を提言
チャット勧誘販売をめぐっては、SNSで管理栄養士などを名乗って消費者に近づき、高額なサプリメントを売りつけたり、嘘の説明によって追加の商品を購入させたりするトラブルが多発している。報告書では規制の対象範囲について、(1)事業者からチャットを利用した勧誘を開始するケース、(2)ウェブページなどにより、商品などの販売目的を告げずに消費者にチャットを開始させるケース――に限定した。
個人を装うチャット勧誘は不意打ちに該当
SNSのアカウント名に「〇〇ママ」「管理栄養士」などの個人を名乗り、事業者であることを隠して消費者に接触する傾向が見られることから、不意打ち性があると指摘した。消費者被害を防止するため、訪問販売や電話勧誘販売のように、事業者名・販売目的などの明示義務を設けるよう提言。加えて、「再勧誘」「不実告知」などの禁止行為の設定も必要としている。
トラブルに遭った消費者の被害回復の観点から、チャット勧誘販売で不実告知などにより消費者が誤認して契約した場合、「取消権」導入の検討を要望した。さらに、一定期間内に無条件で申し込みを撤回できる「クーリング・オフ」導入の検討も求めている。
8月の本会議で「建議」または「意見」を決定
これに対し、消費者庁は「制限をかける場合、(チャット勧誘販売の)定義を明確にする必要がある。また、消費者被害の実態が明確にならないと立法議論は進まない」(取引対策課)と説明した。WG委員からは、「消費者庁は消費者安全法で(チャット勧誘販売の)注意喚起を実施したが、注意喚起にとどまっている。特商法は事業者と消費者のラストワンマイルの悪質な取引を規制するものだが、チャットなどがラストワンマイルに入ってきている」とし、早急な検討を求める意見が寄せられた。
一方、「一部の悪質業者のために規制の網をかけることについては限界が来ている。(被害防止には)消費者教育が大切」といった声も聞かれた。
報告書を受けて、消費者委員会は8月に開催する本会議で、「建議」を取りまとめて消費者庁へ対策を求めるか、または「意見」の提出にとどめるかなどを決定する予定だ。
(木村 祐作)
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