2023.03.30 調査・統計
国内EC決済サービス市場、23年度に初の30兆円台と予測…矢野経済研究所
(株)矢野経済研究所は29日、『国内のEC決済サービス市場調査』の結果を発表した。EC市場拡大に加え、サービス提供対象は公金領域やリアル取引、オムニチャネル、BtoBなどへ広がるとともに、DX支援などへの事業領域拡大が進み、2023年度の市場は初の30兆円台を予測。26年度には40兆円規模への増加を見込んでいる。

注目される後払い決済サービス
EC市場の拡大や、公金領域などのオンライン決済サービス利用拡大を背景として、大手決済代行業者を中心にEC決済サービス取扱高は順調に増加している。コロナ禍で、これまで対面(リアル)取引でのみ事業を展開していた小売事業者や飲食事業者などが、購買チャネルをオンラインにも設けるため、EC事業に参入するケースが多くみられる。
さらに、特定業種向けのEC決済サービスを提供する動きもある。教育、保険、レッスン・習い事、学会・セミナー、士業などの役務分野における事業者の集金目的としての導入拡大もみられ、加えて、BtoB領域や対面取引、オムニチャネルに関する提供も拡大している。
こうした要因などを背景に、2021年度のEC決済サービス市場(EC決済サービス提供事業者の取扱高ベース)を23兆1099億円(前年度比18.6%増)と推計し、22年度は27兆5367億円(同19.2%)を見込んだ。さらに、23年度は初の30兆円台となる30兆6358億円(同11.3%増)を予測している。
同研究所は、分割払いへの対応を進める後払い決済サービス(BNPL=Buy Now, Pay Later)に注目。BtoC領域の市場(提供事業者の取扱高ベース)は堅調に拡大しており、21年度は1兆820億円と推計。分割払いの提供により利用者の利便性向上を図っており、加盟店に対して決済単価の向上などを通じて売上拡大を支援する動きがみられる。
26年度には約40兆円まで拡大すると予測
今後は、分割払いを選択しやすい環境が一層整備されると予想。現在よりも高単価の商品を購入する動きが進み、取扱高の拡大につながるとみられる。利用環境の拡大や、決済単価の向上などを背景に、後払い決済サービス市場は、26年度に約2兆円の水準まで拡大すると予測している。
また、EC決済サービス市場の将来は、EC市場の裾野拡大に加え、公金領域などのオンライン化進展、BtoB領域やオムニチャネル・オフライン決済などの対象領域の拡大が進むことから、26年度には約40兆円の水準まで拡大すると予測した。
決済代行サービスの提供対象は、BtoC EC市場に留まらず幅広い領域へと広がっており、今後もさらに増加し続けると予測。加えて、決済機能以外に付加価値のあるサービスを提供するため、DX支援をはじめ事業領域を拡大する動きが進んでいくとしている。
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