2022.11.28 調査・統計
海外進出の日系企業、22年は65%が黒字化見込・中国は苦戦…JETRO
日本貿易振興機構(ジェトロ)がこのほど発表した『2022年度 海外進出日系企業実態調査 ~全世界編』によると、約7000社の65%が黒字を見込む一方、自動車部品産業などで赤字が拡大。ゼロコロナ政策の影響で、中国では業績悪化の企業が4割超となっていた。

ジェトロ発表の資料より
ジェトロ発表の資料より
黒字見込みは新型コロナ禍前の2019年並みに回復
ジェトロは9月、海外86か国・地域の日系企業(日本側出資比率が10%以上の現地法人、日本企業の支店、駐在員事務所)1万9143社を対象に、オンライン配布・回収によるアンケートを実施。7173社から有効回答を得た。有効回答率は37.5%だった。
ロシアのウクライナ侵攻、中国のゼロコロナ政策、環境や人権尊重を軸とする法規制の整備など、国際ビジネス環境がますます複雑化する中、海外の日系企業の業績はどう変化し、新たな課題にどう対応しているのか。最新動向を定量的に分析、把握した。
それによると、海外進出日系企業7173社のうち、64.5%が黒字を見込みで、新型コロナ禍前の2019年(65.0%)並みの水準となった。ただ、64.5%が黒字化を見込みながら、中国での業績悪化が際立っている。部材の供給制約やコスト高により、自動車部品産業などで赤字企業が拡大している。今後1~2年で、事業の「拡大」を見込む企業は全体の45%。中国では、ゼロコロナ政策に伴う業績悪化と先行き不透明感の高まりで、投資意欲が著しく減退している。
製造業の調達先の見直し予定は57%に
製造業では今後、調達先の見直しに取り組む企業が57.5%。原材料や輸送コストの高騰、供給途絶リスクの顕在化で、調達、生産、販売の「現地化」戦略が目立つ。今後1~2年で、駐在員をコロナ禍前よりも減らす半面、現地人員を拡充する動きが進むとみられる。コロナ禍による駐在員退避や一時帰国、リモート化の定着が「現地化」を加速させた側面もある。
人権デューディリジェンス(DD)を実施する企業は28.7%となり、法制化が進む欧州などで、取引先からの要請が人権DD実施を後押し。他方、中小企業では「人権に対する内容の理解」が課題になっている。
脱炭素化(温室効果ガスの排出削減)に関し、「すでに取り組みを行っている」企業は42.4%と、前年比(33.9%)から8.5pt増加。グリーン調達(調達先へ脱炭素化要請)を行う企業も、大企業(13.6%→30.6%)、中小企業(11.1%→26.1%)とも2倍以上に増加していた。
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