2022.10.29 コラム
アノテーションのやり方とは?基本知識やサービスを選ぶポイントを解説
 アノテーションとはウェブ上のデータにメタデータを付与する作業のことです。AIが情報処理をするうえで情報の整理をするアノテーション作業は重要です。ここでは、アノテーションのやり方について解説していきます。
アノテーションとは?
アノテーションとは?
IT分野におけるアノテーションとは、音声や画像、テキストなどのデータひとつひとつに対して、メタデータといわれる情報のタグを与えていく作業のことです。英単語としてのannotationを和訳すると「注釈」の意味を指しますが、言葉の意味が転じて使われているといわれています。
 アノテーションが注目されている背景には、AIの機械学習の進歩と、ビッグデータの活用があります。
 膨大なデータをAIが適切に処理するためには、あらかじめタグ情報を取り込んでおかなければなりません。AIによる機械学習をうまく実践していくためにも、アノテーションが必須といえます。
 また、あらゆる性質のデータを扱うビッグデータの活用においても、有効なデータをビジネスに活用していくためにはデータの分類、整理が必要です。アノテーションによって、それぞれのデータの属性がはっきりタグ付けされることによって、データをスムーズに活用できるのです。
アノテーションにはどんな用途がある?
 アノテーションの用途は主に、AIによる教師学習の前処理作業や、ビッグデータを管理するための作業において、さまざまなデータにタグ付けすることです。
 AIの機械学習には、教師ありと教師なしの2つの方法があります。このうち教師ありの方は、あらかじめ取り込まれた教師データを基に最適な回答を導き出すよう学習させるアルゴリズムをもったAIです。そしてアノテーションは機械学習の教師データを作るための前処理作業といえます。アノテーションのタグ付け作業によって、機械学習における有効な教師データが作成できるのです。さらにビッグデータを管理するためにも、それぞれのデータに意味をタグ付けしておく必要があります。アノテーションはこれらの場面で使われています。
アノテーションには用途に合わせた種類がある
 アノテーションには、用途に合わせて以下の種類があります。
・音声のアノテーション
・画像のアノテーション
・テキストのアノテーション
以下より、それぞれについて詳しく解説します。
音声のアノテーション
 音声のアノテーションは、スマートスピーカーやコールセンターなど、主に意図抽出や音声認識の分野において活用されています。
 なかでも2種類に分けられ、「音声の言葉にそれぞれの意味をタグ付けしていく」パターンと「音量や音の種類にタグ付けしていく」パターンがあります。具体的な作業としては、音声を文字に起こし、言葉のそれぞれに意味をタグ付けしていくものです。
 たとえば、コールセンターでのやり取りにおいては、名詞だけでなく「しかし」といった接続詞や「えー」などの感動詞が含まれることが多いです。それらの言葉の意味を正しく認識するためにアノテーションによるタグ付けが必要になり、より精度の高い回答が実現されるのです。
画像のアノテーション
 画像のアノテーションには、大きく分けて以下の3つの手法があります。
・物体検出
 画像に写っている物体を検出し、それぞれの物体に対して「車」や「犬」などの意味をタグ付けする手法です。
・領域抽出
 画像の一部分の領域を抽出し、「該当の領域は窓」といったように意味をタグ付けする手法です。
・画像分類
 画像全体に対して、「これは窓かドアか」「何色か」「どのような柄か」といった属性をタグ付けし、分類していく手法です。
 とくに画像認識のAIモデルを作成する際には、教師データを作成し、学習させることで効率的な画像処理が可能になります。これらの教師データ作成において、アノテーションが活用されているのです。
テキストのアノテーション
 テキストの場合、膨大なデータから特定のテキストを抽出したり、求める情報に関するテキストを集約したりするためにアノテーションが活用されています。具体的な作業としては、あらかじめ設定されたカテゴリを、フリーテキストで構成される文書に割り当てていくことです。これによって、文章を題材ごとにタグ付けできるようになります。
 たとえば、ニュースサイトなどでは、経済、エンタメ、スポーツのようにカテゴリ別に分類されていることが多いですが、これらの場面においてアノテーションが活用されているのです。ほかに、SNSにおける不適切なコンテンツを抽出したり、投稿内容を分類したりといった場面でも活用されています。
アノテーションの代行サービスを選ぶポイント
 アノテーションの概要や種類について解説してきましたが、アノテーション作業を内製化するには人材や作業時間の確保が難しいといった課題に直面することも多いでしょう。内製化が難しければ、アノテーション作業を代行してくれるサービスの利用を検討することをおすすめします。
 代行サービスを利用するメリットには、人件費や教育コストを抑えられる点や、人的リソースを確保して本来の業務に注力できる点などが挙げられます。アノテーション作業を外部に委託することで本来のAI開発業務に注力できるため、効率よく開発できるといった効果が期待できるのです。
 一方で、最適なアノテーション代行会社を選ばなければ、スムーズに進めることができません。そこで、ここでは代行サービスを選ぶポイントをご紹介します。
目的に合っているか
 まずは代行会社の得意とする分野が、自社の目的に合っているか確認することです。
 前述の通り、アノテーションには用途に合わせて音声、画像、テキストなどの種類があります。
 そのため、画像アノテーションなのか、それともデータ収集なのか、会社によって得意な分野も異なります。アノテーション作業を委託してまで達成したい目的をまずは明確にしたうえで、その目的に合った分野を得意としている代行会社を候補に選ぶようにしましょう。"
予算に合っているか
 次に、アノテーション代行会社にかかる費用が、自社の予算に合っているかチェックしましょう。教師データを作成するために必要になるデータ数や、アノテーションの種類などで費用が異なるためです。
 また、データ数や種類が未定のままでは、正確なコストの見積もりができません。そのため、あらかじめ目的を達成するために必要なデータ数などを概算しておき、かかえる費用も確認しておくようにしましょう。
 ただし、コストが低いからといって、予算の面だけみて安易に代行会社を選ばないようにしてください。あくまでも自社の目的に合った会社を選ぶようにしましょう。
セキュリティ体制は万全か
 最後に、代行会社を選ぶポイントとして、セキュリティ対策が万全かどうかも確認しておきましょう。なぜなら、アノテーション作業を進めるには社外秘のデータなどを取り扱う場合もあるためです。
 たとえば、代行会社に預けた顧客データが社外に漏れてしまっては、会社の信頼にも関わってきます。
 そのため、目的が達成できるか、予算に合っているかという面とあわせて、セキュリティ体制についてもしっかりと確認しておいてください。
まとめ
 今回は、アノテーションの概要と種類、代行サービスを選ぶメリットとポイントについて解説しました。ポイントをまとめると以下の通りです。
・アノテーションとは
 IT分野におけるアノテーションとは、音声や画像、テキストなどのデータひとつひとつに対して、メタデータといわれる情報のタグを与えていく作業のことです。用途は主に、AIによる教師学習の前処理作業や、ビッグデータを管理するための作業において、さまざまなデータにタグ付けすることです。
・アノテーションには用途に合わせた種類がある
音声:音声を文字に起こし、言葉のそれぞれに意味をタグ付けしていくものです。
画像:物体、領域、画像のそれぞれに対して適切なタグ付けをしていくものです。
テキスト:あらかじめ設定されたカテゴリを文書に割り当てていくことです。
・アノテーションの代行サービスを選ぶポイント
目的に合っているか
予算に合っているか
セキュリティ体制は万全か
 AIによる機械学習において、アノテーション作業は教師データを作成するという重要な役割を担います。もし自社でアノテーション作業が必要になった場合で、内製化が難しい場合には代行サービスの利用も検討してみましょう。その際には、今回ご紹介したポイントを踏まえつつ、自社に合った代行会社を選ぶようにしてください。
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