2020.01.07 コラム
検索結果、コンバージョン…向上させるために欠かせない「モバイルフレンドリー」を解説
モバイルフレンドリーとは?検索結果に大きく影響!
「モバイルフレンドリー」とは、スマートフォン(スマホ)をはじめとしたモバイル端末での閲覧に最適化していないページの検索順位が下がる仕組みを指します。具体的には、文字のフォントがスマホで見やすいか、タップできるポイント同士が近すぎてタップしづらくないか、ページの横幅がスマホの画面に収まっているか――といった内容がチェックポイントとなっています。
スマホの普及拡大を背景に、2015年にGoogleが「モバイルフレンドリー」をチェックするアルゴリズムを全世界で実装したことを機に、ウェブサイトを運用するさまざまな企業が対応に打って出ました。現に国内でも「平成29年通信利用動向調査の結果」(総務省)によると、インターネットを利用する際のデバイスとしてスマホ(59.7%)がパソコン(52.5%)を上回っています。消費者が欲しいものを検索したときに検索結果をできるだけ上位に表示させてページに到達しやすくするため、モバイルフレンドリーへの対応はEC・通販事業者にとって特に売り上げを左右する重要な対策の一つとなっています。
ページの見やすさが離脱率の軽減にも重要
スマホはPCより画面がはるかに小さいため、スマホでPC用のサイトを見たときに読みづらさやタップのしづらさ、拡大する手間の面倒くささを感じると思います。多くのサイトがモバイルフレンドリー対策をしている今は、対応できていないページの見づらさは特に目立ってしまっています。消費者がせっかくサイトに訪問してくれても、表示される画面がスマホに最適化していなければユーザーエクスペリエンスが著しく低下し、離脱につながりかねません。仮にその商品を購入したい意向があっても、小さな画面上で決済・配送・ギフト包装などの知りたい内容に到達しづらいようでは、離脱や余計な問い合わせ数の増加も懸念されます。
モバイルフレンドリーに対応する方法
・レスポンシブWebデザイン
PC、スマホ、タブレットなどの画面の大きさに応じてUI(ユーザーインターフェース)を変更する方法です。一つのURLで各デバイスの画面に対応できるため、ページの更新も一度の作業で各デバイスに対応できるため管理がしやすいほか、例えばPCからスマホにURLを転送しても問題なくページが見られる点が特徴です。管理しやすい一方で、PCもモバイルも同じ画像や動画を表示することになるため、モバイルにとっては大きすぎる容量のファイルを使用すると表示速度が遅くなってしまう点に注意が必要です。
・セパレートタイプ(セパレートURL)
PCサイトとモバイルサイトを別のURLでそれぞれ制作する方法です。サイト制作や管理に手間はかかりますが、デバイスごとにこだわりたいデザインやレイアウトなどがある場合にも、細かな反映が可能となる点が特徴でます。PCとモバイルそれぞれのURLをGoogleが認識し、また、両方を関連付けて検索順位を下げないようにするために、“アノテーション”というタグの設定をすることをお勧めます。
・ダイナミックサービング
レスポンシブWebデザインと同様、一つのURLでPCにもモバイルにも対応した画面を表示しますが、CSSのみを切り替えるレスポンシブWebデザインに対し、ダイナミックサービングはHTMLとCSSの両方を切り替えることで、スマホなどのモバイルからのアクセスに対してモバイル用のページを表示します。レスポンシブWebデザインより制作に時間を要しがちですが、セパレートタイプのようにデバイスごとにデザインやレイアウトをカスタマイズできる点が特徴です。
テストツールでページがモバイルフレンドリー対応済みかチェック
ページがモバイルフレンドリーに対応しているかを簡単にチェックできるツールを紹介します。
・モバイルフレンドリーテスト
(https://www.google.com/webmasters/tools/mobile-friendly/ ←※参考まで)
Googleが提供している無料診断ツールで、ページのURLを入力するだけでモバイルフレンドリーの対応ができているか否かをチェックできます。対応できていれば分析結果に「このページはモバイルフレンドリーです」と表示され、対応できていなければその理由が表示されます。ページ単位でURLを入力する必要がありますが、特別な権限や設定などが不要で誰でも簡単にチェックできる点が特徴です。
・Google Search Console
(https://www.google.com/webmasters/tools/home?hl=ja ←※参考まで)
グーグルサーチコンソールは、ユーザーがどのような検索ワードで流入したか、検索結果からどのくらいクリックされているかなどが把握できるため、SEO対策やマーケティングの目的で活用されることの多いツールですが、この中の「モバイルユーザービリティ」というメニューからモバイルフレンドリー対応のチェックができるようになっています。分析結果では、モバイルフレンドリーに対応していないページがエラーとして表示されます。
Googleが検索結果の順位を決定づける指標としてページの表示速度も重視していますが、使用している画像の容量がモバイルには大きすぎる場合や、多くの外部ファイルを読み込んでいる場合などは表示速度が遅くなりがちです。ページの表示速度を重点的にチェックして改善するためには「Google Developers PageSpeed Insights」や「Google Test My Site」の活用も有効です。
まとめ
モバイルフレンドリーへの対応は、検索結果の上位表示とコンバージョンの向上のため、通販・EC事業者にとっては特に重要な対策となっています。モバイルフレンドリーのサイトを制作する方法はいくつかありますが、それぞれに特徴があることと、一度対応した後で別の方法でやり直すには手間がかかってしまうため、対応日数や予算などを勘案して取り組まなければいけません。また、日々増えるページの中にモバイルフレンドリーと評価されないページがないよう、こまめにチェックを行っておくと安心です。※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。
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