2022.08.05 調査・統計
世界14市場の20~21年EC販売、7000億米ドルに急増
目次
世界のオンライン小売業による売上高、25年までに50%増加
21年12月~22年1月に、世界の14市場(日本、中国、香港、シンガポール、アメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダ、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、メキシコ、ブラジル)で、過去3か月以内にオンライン購入をしたことがある18歳以上の1万4000人に調査した。
世界中の消費者が急激なインフレの影響を受けているだけでなく、サプライチェーンの問題により、欲しいものがすぐに手に入らないこともある。しかし、こうした状況に関わらず、オンライン販売は在宅勤務の増加に伴い、20年~21年にかけて7000億米ドルと急増した。
実際、世界のオンライン小売業による売上高は、25年までに50%増加し、7.4兆米ドルという驚異的な市場に発展すると予想されている。これはイギリス、ドイツ、香港、中国のGDPを合わせた数字より大きな額だという。
「最も重心するのは価格」が世界的な潮流に
ペイパルは、調査から導き出された世界的な潮流を挙げている。「海外通販が当たり前になる時代」「何よりも価格」「ブランド力は価値観の提示から」「最新の技術で、最新のショッピング体験を」――。そして、暮らしや働き方の変容に伴う消費行動の変化だ。
「海外通販を利用することに抵抗がなくなった」と感じている消費者は42%に上る。消費者は、海外通販を利用する際の不安要素を取り除くため、不正防止や現地通貨での支払い、豊富な支払いオプションなどの新たな機能を求めている。依然として最も重視するのが「価格」だ。消費者の61%が「価格が安いなら配送に時間がかかっても待ちたい」と回答していた。
半数以上の消費者が「人と社会に有益な取り組みを行うブランドを優先して利用したい」と考えており、企業がその価値観を示すことは大きな意味を持つ。自社ブランドの価値として透明性をうたう企業は増えており、市場での差別化の手段として、ますます定着している。
ECが日常化するにつれ、ライブコマース、ボイスコマースをはじめ、ARやVR アプリを使ったショッピングが注目を集めている。オンラインショッピング利用者の46%が、バーチャル体験やデジタル体験を提供する小売業者を優先して利用したいと回答。EC体験を向上させ、トレンドに乗り遅れないためのパートナーシップが、小売業者にとって今後の鍵といえそうだ。
世界のオンラインショッピング利用者のうち、完全在宅勤務やハイブリッド型勤務で働き始めた人は23%に上る。自由なライフスタイルが浸透するにつれ、ショッピング体験にも柔軟性が求められるようになった。46%の消費者は分割払いを受け付ける小売業者を利用したいと考え、28%が返品ポリシーがあれば海外通販をもっと利用できる、と回答している。
コロナ禍は、消費者の考え方や優先順位を根底から変えた。中には、自分よりも他人に目を向けるべきと考えるようになった人もいる。家族や友人と共有できる商品や体験に、より多く費やすようになり、友人や家族と一緒に楽しむ製品により多く出費したと回答した人は57%。Disney+は、19年の立ち上げからわずか16か月で会員数1億人を達成した。
消費者は、これまでになく環境に配慮した行いを重視し、自らの購買が持続可能で社会的責任を果たしていることを望むようになっている。59%が「環境に貢献するブランドを優先して利用したい」、48%が「小売業者が地域社会を支援しているかどうかを検討してから購入を決める」と回答。価格の安さを重視するとはいえ、購入の決め手は常に価格だけとは限らない。
日本は世界で4番目の市場、25年には1400億米ドル規模と予想
そして日本――。世界で4番目に大きな市場だ。年間で6.24%成長し、25年には1430億米ドル規模になると見込まれている。若い世代が巨大なEC市場の原動力になっており、特にZ世代がこの流れをけん引。オンラインショッピング利用する若い世代は、以前は質を最も重視していたが、より安価なコストの選択肢を求めている。海外通販も増加傾向で、オンラインショッピング利用者の31%が21年に利用し、20年比で9%上昇している。
同時に、43%の国内消費者は、日本語のウェブサイトでの購入望み、58%の消費者による海外通販の購入は58%が「衣服・アパレル」。1/3のオンラインショッピングの利用者が、すぐに入手可能な商品に、より多くの金額を費やしている。購入先のトップ3はアメリカ、中国、韓国でいずれも31%――といった特色も特記している。
歴史的な円安水準を記録している現在、日本企業や個人の間で海外通販は大きなビジネスチャンスとなっている。日本の素晴らしい商品を世界へと販売する機会をとらえるためにも、グローバルのトレンドを知っておくことが重要としている。
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