2022.08.01 事件・トラブル
健食用ハードカプセル回収騒動が勃発、供給不足でサプリ製造に支障も
健康食品用ハードカプセルの主要メーカー2社が、食品衛生法違反により、立て続けに自主回収に乗り出した。健康食品業界ではハードカプセルの供給不足が懸念されている。

主要メーカーのクオリカプスとロンザが自主回収
大手ハードカプセルメーカーのクオリカプス(株)は6月22日、健康食品用ハードカプセル3製品を自主回収すると発表。内容物を充填していない空のカプセルを回収の対象としている。
クオリカプスは離型剤として、食品添加物の「流動パラフィン」「二酸化チタン」を使用していた。しかし、これは食品衛生法で禁止する「目的外使用」に該当するという。
主要メーカーの一角を占めるロンザ(株)も7月29日、健康食品用ハードゼラチンカプセルを自主回収すると発表した。社内調査によって、今年6月末まで使用していた離型剤に、「流動パラフィン」が含まれていることが判明したためだ。
ロンザではこれに先駆けて、「流動パラフィン」を含まない離型剤の使用と、6月末以前に製造したカプセルの出荷停止にも乗り出している。
内容物を充填した最終商品の扱いは?
ハードカプセルの製造では、まず溶解したゼリー状のゼラチンを成型ピンに付着させ、乾燥させた後に成型ピンからカプセルを抜き取る。その際、スムーズに抜き取れるように、成型ピンに離型剤を塗る。今回の問題は、離型剤に食品衛生法で認められていない食品添加物を使用したことが原因となった。
2社は、それぞれ最寄りの保健所に相談し、自主回収を決定。取材に対し、クオリカプスの地元・郡山保健所は、「食品衛生法違反に該当することから自主回収となった」(衛生課)と話す。
一方、問題のカプセルを使用した最終商品(サプリメント)については、「食べても健康被害が発生するわけではないため、判断が難しい」(衛生課)と説明する。最終商品の各販売会社が、地域の保健所に相談して判断することになるという。
厚労省、統一見解を示す方針
それぞれの保健所の見解が異なれば、最終商品を自主回収する企業と、販売を継続する企業が混在することになる。食品衛生法を所管する厚生労働省は、そうした事態を防ぐために統一した対応方針を示す考えだ。
取材に対し、厚生労働省の担当官は「保健所によって指導内容が異なるようにはしない。何らかの結論を出す」(医薬・生活衛生局食品監視安全課)と説明。ただし、現時点では「具体的なことは何も言えない状況」という。
ロンザの地元・相模原市保健所では、最終商品への対応について「厚労省の見解を待っているが、現在のところ動きはない」(生活衛生課食品衛生班)と話している。
深刻化するハードカプセルの供給不足
健康食品業界では、ハードカプセルの供給不足が深刻な問題となりつつある。健康食品用ハードカプセルの主要メーカーは3社で、そのうちの2社が食品衛生法違反により、自主回収を進めているからだ。
あるOEM企業は、カプセル不足が「日を追うたびに深刻化し始めている」とし、今後、製造に支障が出る可能性を指摘する。また、「自主回収をめぐって社内で意見が分かれている」(大手販売会社)など、業界内は混沌としてきたようだ。
(木村 祐作)
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