2022.05.31 行政情報
改正特商法が1日スタート、悪質な定期購入商法に「直罰」も
通販の悪質な定期購入商法への対策を盛り込んだ改正特定商取引法が6月1日、施行される。「お試し」や「トライアル」とうたいながら、定期購入が条件であるような取引を禁止する。

消費者庁の事業者向けチラシ「貴社カートシステムでの改正法への対応について」より抜粋
消費者庁の事業者向けチラシ「貴社カートシステムでの改正法への対応について」より抜粋
ペナルティー強化と消費者救済策の導入
定期購入をめぐる消費者トラブルは2015年に約4100件だったが、18年に2万件を突破。20年にはピークを迎え、約6万件に上った。21年も4万3000件を超える高水準で推移した。
この間、国民生活センターは再三にわたり注意喚起を実施。しかし、沈静化の兆しは見られず、特商法の改正によって厳しいペナルティーや消費者救済策を盛り込んだ。
改正特商法は、(1)悪質な定期購入商法への対策、(2)送り付け商法への対策、(3)クーリング・オフの新ルール導入――を柱とする。
申し込み最終確認画面に6項目の表示を義務づけ
悪質な定期購入商法への対策として、申し込み書面(ハガキなど)やネット通販の申し込み最終確認画面に、一定事項の表示を義務づけた。「分量」「販売価格」「支払い時期・方法」「引き渡し時期」「申し込み期間(設定している場合)」「申し込みの撤回・解除に関する事項」の6項目が必須となる。
6項目のどれか1つでも記載されていない場合は、特商法違反に問われる。また、1回目の「分量」「販売価格」だけを大きく表示し、ほかの表示事項を離れた場所に表示するなど、定期購入でないと誤認させる表示も違反となる。
これらに違反行為に対し、「直罰」を導入した。従来の業務停止命令(法人)や業務禁止命令(個人)といった行政処分だけでなく、罰金・懲役を直接科すことが可能となった。
申し込み最終確認画面や申し込み書面の記載方法については、新たに策定した「通信販売の申し込み段階における表示についてのガイドライン」で詳細を説明している。
契約解除の妨害にも「直罰」適用
改正特商法は、定期購入の契約解除の申し出を妨害する行為を禁止した。「いつでも解約できる」と表示しながら、「電話がつながらない」「4回目までは解約できないと言われた」といったトラブルに対応する。妨害行為についても行政処分に加え、「直罰」を適用できるようにした。
トラブルに巻き込まれた消費者に対しては、「取消権」を創設。表示に問題があり、定期購入でないと誤認して申し込んだ場合、消費者は「取消権」を行使できる。
電子メールによるクーリング・オフが可能に
改正特商法は、クーリング・オフの新たなルールを導入した。従来はクーリング・オフを業者へ通知する場合、書面による手続きが必要だった。これを電子メールやFAXでも可能とした。
業者が交付する契約書面(来年6月施行)についても、一定条件の下で電子メールによる送付を可能とする。しかし、課題も多く、消費者庁では消費者が不利益を被らないための対策を検討中だ。
送り付け商法への対策は昨年7月に施行済み。改正前は、一方的に自宅へ送り付けられた生鮮食品や健康食品などを14日間保管する必要があった。これを届き次第、すぐに処分できるようにした。
(木村 祐作)
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