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2022.03.14 コラム

カスタマージャーニーマップとは? 顧客行動や心理を分析し課題解決へ

 企業がターゲットとする顧客が、どのようなルートで情報を得て行動し購入に至ったのかを可視化したものがカスタマージャーニマップ。顧客の立場で行動や心理を考え、それを基に分析することで課題や問題点を明確にできます。カスタマージャーニーマップを実践し企業のさらなるスケールアップを目指しましょう。

カスタマージャーニーマップとは?

 ターゲットとする顧客が、商品やサービスをどのようなルートで知り、どのような商品と比較検討し、もしくは比較検討せずに購入に至ったのかを可視化したものをカスタマージャーニーマップと言います。

カスタマージャーニーマップの重要性

 クラウドコンピューティング・サービスの提供企業である「セールスフォース」のブログでは、カスタマージャーニーマップは「顧客の期待をより深く理解するための戦略的アプローチであることから重要視されてきた」と説明されています。また、顧客体験を最適化するという点でも大切な役割を担っています。

 主なメディアがテレビ、雑誌、新聞しかなかった数十年前と違い、今はあらゆるチャネルを通して情報収集できるため、顧客が購買に至るまでの行動を把握することがますます難しくなっています。そんな中、テクノロジーの発展により顧客がどういった経路を辿ってきたのかを情報取得できるようになり、一連のプロセスを可視化することで段階ごとに分析し施策を検討できるようになりました。それがカスタマージャーニーマップの重要性です。

 大企業、中小企業などの規模に関係なく、すべてのビジネスで顧客が商品やサービスに求めるものは変化していきます。カスタマージャーニーマップをは顧客の立場で考えることを可視化したものなので、どのように認知され、どんなチャネルで検索し、どんな考えで購買まで至ったのか俯瞰することができます。"

カスタマージャーニーマップのメリット


◎顧客目線で施策を考案できる

 事業を興し、発展させていくうえで忘れてはいけないことは「顧客目線」です。実際に商品やサービスを利用する顧客の立場になって考えず、企業側が達成したい目標や理想ばかり先走って戦略を考えてしまうことがあります。 カスタマージャーニーマップは「顧客目線」から作成されたものなので、より的確な施策や方針を打ち出すことができます。

◎全体で認識を共有できる

 カスタマージャーニーマップは事業や企画を全体で認識し共有できる手段としても役立ちます。まず、カスタマージャーニーマップの作成は一人の力では完成できません。 商品やサービスを作り、顧客の元へ届けるまでにあらゆる部署の力が必要となってきます。

 多くの情報を集めて整理する過程に、関係者全員が関わり、状況や課題が何かを知ることで同じ認識をもって仕事に取り組むことができることもメリットです。

◎課題解決の優先順位が把握できる

 課題解決のためにどれを優先して取り組むべきなのか把握できるのも、カスタマージャーニーマップの大きなメリットといえます。

 顧客が購買行動に至るまでの段階を細かく分ければ分けるほど、段階ごとの課題を明確に分析し整理することができます。そうすることで問題点のなかでもどこから解決すればいいのかが浮き彫りになり、仕事の効率もアップします。

カスタマージャーニーマップのタイプ

 カスタマージャーニーマップにはいくつかのタイプがありそれぞれに利点があります。マップの目的に合った適切なものを選択し作成しましょう。

◇現在の状態

 カスタマージャーニーマップの中でも最も広く使用されているタイプです。

 企業が提供する商品やサービスに対して、顧客が現在経験している行動、考え、そして感情を可視化しています。このようなタイプのマップはカスタマージャーニーを継続的に改善するために最適です。"

◇将来の状態

 顧客の視点で将来どのような行動、考え、感情を経験するかを可視化したタイプのマップです。 現在の経験に基づいてビジネスがどこに適合していくのかビジョンを描くことができるでしょう。明確なビジョンを絞り出すことで戦略的に目標を設定することができるためこのタイプのマップを使う企業も多くいます。

◇顧客の一日(日常)

 このタイプは顧客が日常的に参加するすべての活動で現在経験している行動、考え、感情を可視化しています。 顧客の生活と実際の生活における問題点をより幅広い視野をもってアプローチしています。自社の商品やサービスを知らない顧客、満たされていない顧客のニーズに対処するために使用されます。 つまり新しい市場の開拓で戦略を模索するときにこのタイプのカスタマージャーニーマップを使用する場合があります。

◇サービスの青写真

 上記のマップスタイルのいずれかを簡略化したものがこのタイプです。

 現在のカスタマージャーニーの根本原因を特定したり、望ましい将来のカスタマージャーニーを達成するために必要な手順を特定するために使用されます。"

カスタマージャーニーマップの事例


▽HubSpot

 まずはおすすめのカスタマージャーニーマップのテンプレートをご紹介します。

 HubSpotが提供する無料のカスタマージャーニーマップテンプレートは、企業が顧客の体験を理解するための概要に沿って作成できます。ぜひダウンロードして作成してみましょう。"

▽B2B

 このカスタマージャーニーマップはモバイルアプリを開発するオーストラリアのDapper Apps社が、顧客とやり取りするときに考えらる5つのステップの概要を明確に示しました。 このマップはスタッフが典型的な質問を投げかけて感情を理解することで顧客の心をつかむのに役立ちます。 Dapper Appsは質問や感情に対応して実行できる段階的なアクション手順があり、顧客が現在抱えているすべての問題を解決するのに役立ちます。

▽eコマース

 このカスタマージャーニーマップは顧客と会社のやり取りに伴う行動や感情だけに焦点を当てるのではなく、顧客が日常で経験するすべての行動や感情を書き出しています。 このマップは、特定の刺激から得られる自由のレベルに基づいて顧客の心の状態または感情的な状態を図るのに役立ちます。これは、対象となる顧客がストレスを感じていることや、彼らが存在すら知らない問題を解決する必要があるのか​​を理解したい企業に役立ちます。

▽B2C

 アメリカのカーネギーメロン大学のために設計されたこのカスタマージャーニーマップは、将来の州のカスタマージャーニーマップの有用性を例示しています。大学が学生に持たせたい考え、感情、行動、そして学生に触れてもらいたいタッチポイント、デバイス、人々、環境の概要を示しています。 これらの目標に基づいて、大学は各段階で提案された特定の変化を選択しシナリオ例を書き出しました。これはビジョンを可視化し、学部がより良いユーザーエクスペリエンスを構築するためにどこに適合するか理解するのに役立ちます。

▽小売顧客

 このカスタマージャーニーマップは、架空のレストランとやり取りする顧客のカスタマージャーニーマップです。 このマップは複雑ですが顧客、直接サービスを提供する従業員、裏で働く従業員など、顧客体験に関連するすべてのアクションを示しています。これらの各要因がカスタマージャーニーにどのように影響するかを分析することで、企業は事故の根本原因を見つけ今後起こりうる問題に対処することができます。

カスタマージャーニーマップの作成

 カスタマージャーニーマップを作成する上で正しい方法などはありません。ただし、作成する前に設定した顧客のペルソナに合ったマップを検討し、顧客が辿った道とステージが行おうとするビジネスに合ったもの、理にかなっているものかを明確にする必要性があります。

1.マップの目的、目標設定

 まずは、何のためのにカスタマージャーニーマップを作成するのか目標設定が大切です。 何事も計画性や目的、目標がないまま始めてしまうと、作成することだけに時間を費やして何の成果やヒントも得られないまま終わるケースもあります。効果的にフレームワークを利用するためにゴールをはっきりさせておきましょう。

2.調査に基づいたペルソナの設定

 カスタマージャーニーマップを作る際のペルソナ設定を可能な限り詳細に設定することをおすすめします。

 カスタマージャーニーでは商品やサービスを利用していない顧客の初期接点の段階から考えていくので、日常生活の様子なども含めて設定しておくことが肝心です。ただし、一点注意したいことはペルソナ設定にこだわりすぎないことです。設定したペルソナを検討していく過程で、設定を修正したり追加した方が良い状況も生じるので柔軟に変更しながらマップを作成しましょう。"

3.段階(フェーズ)の設定

 マップ作成の目的やペルソナに応じて段階(フェーズ)を設定します。一般的にはこの段階設定が横軸のベースになります。

 購買行動の段階設定には基本的なものとして、認知、情報収集、比較検討、購入、継続利用などがあります。ですが、この段階は目的によって異なってくるので最適なものを探して選ぶことが大切です。

4.全タッチポイント/チャネルをリスト化

 段階設定の次はタッチポイントとチャネルのリスト化です。タッチポイントは顧客と商品やサービスの接点をいいます。チャネルはその接点が実現した媒体を指します。

 顧客がどこで接点したのかを明らかにしておくことで動機や行動、感情を考えるヒントとなります。

5.行動、感情、思考の洗い出し

・行動

 行動を洗い出す際には時系列で辿っていきます。一番整理しやすい物としては付箋などに思いつくことを書き出して貼っていき、それを段階やタッチポイントごとに並べていくと良いでしょう。

 この段階で重要なポイントは顧客目線で行動を考えるということです。事前に調査した資料や顧客を対象に行ったアンケートなどに基づいて洗い出していくと詳細かつ現実的なマップを作成できます。"

・感情、思考

 行動の次に設定するのは顧客の感情や思考です。すべての行動に動機や感情があり、それをどれだけ顧客の立場になって考えることができるのかが重要です。

 感情や思考を明確に設定しておくとより適切なコンテンツを提供するのに役立ちます。

6.課題と問題点

 ある程度マップが完成すると課題や問題点が浮き彫りになってきます。行動した結果ユーザーが抱いた不満や不足していた点を洗い出して解決策や施策を決定していきます。

【まとめ】マーケティングを最適化する重要なツール

 カスタマージャーニーを考えマッピングすることにはたくさんのメリットがあります。

 顧客が商品やサービスを購入するまでの道を把握することで、より顧客の立場になって行動や心理を分析可能です。また、それが新たなアイデアやより革新的な戦略を生み出す土台になるのがカスタマージャーニーマップの重要性だと言えるでしょう。

 業態や分野によってマップの表現方法もたくさんあるので、自社の商品やサービスに合ったものを選び、プロジェクトチームや関係者内で共有、最適化し、企業の更なる発展を目指しましょう。"

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