消費者庁はこのほど、今年度の「消費者志向経営優良事例表彰」の表彰企業を選考し、発表した。内閣府特命担当大臣賞にはライオン(株)が選ばれ、消費者志向経営の裾野を広げるために新たに設けた消費者庁長官表彰の特別枠にアスクル(株)とオイシックス・ラ・大地(株)などが選出された。表彰式は2021年3月に実施の予定。
消費者志向経営優良事例表彰を発表
消費者庁では、消費者志向経営(愛称=サステナブル経営)の実施に取り組むことを自ら宣言(消費者志向自主宣言)し、宣言に基づいて行っている優れた取組を表彰することで、消費者志向経営の推進を図ることを目的に、18年度から実施している。
今年度は、、消費者志向自主宣言などを行っていない事業者についても表彰対象とし、計 77件の応募があった。有識者による選考委員会の審査の結果、 内閣府特命担当大臣表彰1件をはじめ、消費者庁長官表彰を6件(総合枠1件・特別枠5件)を決定した。
アスクルとOisixはコロナ支援が評価
今年はコロナ禍の脅威に始まり、終わる1年。新設の特別枠のテーマの一つは、3回目となる今年度に特記すべき「新型コロナ時代を生きる」となった。
アスクルは、BtoB 事業で実施したコロナ禍での衛生用品の買い占めなどに対応し、顧客の属性や購買データなどを活用し、医療関係者など本当に必要とする顧客を特定して優先的に衛生用品を販売するシステムを構築したこと。また、顧客の声をデータ化・見える化して社内に展開し、商品設計や改良、取引先への情報提供などに活用していることも評価された。
また、オイシックスは、安全・安心な食材の宅配事業を通して時短、健康、環境といった社会課題の解決を図る取組を実施。コロナ禍で、消費者からはその企業姿勢に共感が寄せられ、事業も発展。消費者視点で食材の宅配事業を進化させている点が評価の対象となった。
ライオンや味の素、不二製油も表彰
特別枠のもう一つのテーマは「地域と共に生きる」。味の素(株)は生活習慣病、運動能力改善などを社会課題と捉え、商品とメニュー開発を通して、消費者への栄養改善提案を事業の柱として実施。地域の行政・栄養士会などと連携しながら、地域の食の文化も尊重し、地域の健康・栄養課題の解決に取り組んだ。
また、不二製油グループ本社(株)は大豆素材、油脂などの食材を供給するBtoB企業ではあるが、最終ユーザである消費者の意見を収集する仕組みの構築や、大手コンビニと連動した商品開発・情報発信は、最終ユーザである消費者を見据えた取組の手本となるとして評価。地域のスタートアップ企業とのオープンイノベーションに関する取組も評価を受けた。
内閣府特命担当大臣賞に選ばれたライオンは、長期にわたり、主力事業の「口腔衛生」を通して、乳幼児から高齢者まで幅広く「健康習慣づくり」を働きかけ、事業成長とも連動している。また、IoTの技術を利用し、歯ブラシにアタッチメントを付け、正しい歯磨きを子どもの生活に根付かせる取組も評価点とされた。
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