ヤマト運輸(株)は4日、LINE(株)が提供する音声応対AIサービス「LINE AiCall」を導入し、AIオペレーターによる法人顧客からの集荷依頼への対応を9日から開始すると発表した。電話対応の待ち時間を削減し、顧客のストレスを軽減することが目的。山梨県からスタートし、来年1月中には全国に拡大する。
法人顧客に限り運用開始
ユーザーは企業に問い合わせや業務依頼をする際、電話やメール、SNSなどのチャネルを使い分けているが、電話は緊急性が高く、より迅速な対応を求めている場合が多い。一方、コールセンターでは、コロナ禍に伴う拡大防止の観点から、密を避けるために人員体制の縮小を余儀なくされている。そのため、依頼が集中する時間帯に繋がりにくい状況が発生し、呼損率が高まるなど、「早く回答が欲しい」という要望に十分応えきれていない実態がある。
ヤマト運輸では、コールセンターを利用するユーザーの満足度向上を図るため、ファーストステップとして、法人顧客の集荷依頼を対象にAIオペレーターの導入を開始し、有人対応を補完することで、オペレーターとスムーズにコミュニケーションを可能にする環境をつくる。
導入する「LINE AiCall」は、LINEのAIテクノロジーブランド「LINE CLOVA」が提供している
音声応対AIサービスだ。「CLOVA Speech(音声認識)」と「CLOVA Voice(音声合成)」、会話制御の仕組みを組み合わせたソリューションで、ユーザーの要望に対して自然な対話応答を実現。行政や飲食業界、カーメンテナンス業界などに導入されているという。
今夏のテスト運用では80%が「満足」
同社は7月27日~8月21日の平日、「テスト運用」として一部荷主にAIオペレーターを利用して、実際に集荷依頼をしてもらった。理解度や会話のスムーズさ、受付完了までの時間などについての総合評価は、「非常に満足」が29%、「満足」が51%。一方、「不満」は11%、「非常に不満」は2%だった。
9日に山梨からスタート、1月から全国展開
開始予定日は、9日正午から山梨県で。その後、12日から千葉県、神奈川県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県で。来年1月20日から全国エリアに拡大する。
今後は個人向け展開も
同社は今回の実績をもとに、今後は個人のユーザーからの電話にもAIオペレーターが対応できるよう、システムの改良を進めていく考えを示している。
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