コロナ禍でのマスク着用による肌への影響についての研究と製品開発を進めている(株)ファンケルは24日、多くの女性にマスク接触部の皮脂減少や、肌の赤みの増加など微細な炎症を認め、一時的に敏感な状態になっていることを確認したと発表した。それが「マスク性敏感肌」。同時に、気づかないうちに肌のストレスが増加していることも発見したという。
マスク着用で「マスク性敏感肌」に
同社は8月、20~50代の女性618人に、「直近2~3か月の肌の様子」を聞いた。それによると、コロナ禍によるマスク使用などで約8割が肌荒れを経験していた。同社は、この一時的に敏感になった肌の状態を「マスク性敏感肌」と名付けた。かゆみや乾燥、吹き出物、ごわつきなどが起きている症状、状況をいう。
「マスク性敏感肌」は、誰にでも起こる可能性があるとして、同社は40年にわたる敏感肌研究の知見を生かした最適なスキンケアを今後提供していく考えだ。
マスク着用で7時間後の皮脂量が50%減少
同社によると、マスク着用の有無でそれぞれ7時間後の皮脂量の測定をしたところ、「マスク着用」のほうが約50%減少していることが分かった。また、肉眼では目立たなかったものの、観察用の特殊カメラで見ると、肌の赤みが増加していることも確認した。
さらに、マスク着用での温度と湿度の測定では、温度は約4度、湿度は約20%上昇していることが分かった。マスク内はいわゆる「蒸れている」状態となり、角層がふやけて摩擦による刺激を受けやすくなるとともに、雑菌が増えるなど肌トラブルを招きやすい状態になる。
同社は、独自の肌解析方法「角層バイオマーカー」で肌内部のタンパクを経年で解析し、ストレス因子となるタンパクの情報を蓄積している。その中で、肌がストレスを受けた際に増加するストレス指標「刺激感受性タンパク(HSP27)」を、同じ被験者から前年同時期に取得したデータと比べたところ、約半数が増加していた。この結果から、マスク着用などコロナ禍での生活環境の変化で、肌へのストレスが気づかない間に増加したと考えられるという。
「マスク性敏感肌」でバリア機能が低下
8月の調査では、肌のケアについて、約7割が「肌の根本的な力となる、土台を整えたい」という意識が高かった。同社によると、「マスク性敏感肌」は、本来持っているバリア機能が下がり、いつもよりも刺激を受けやすい状態。そこで使用するアイテムは、肌の負担になる成分が入っていないもの、敏感肌でも使えるもの、アンチストレス機能があるものを選ぶことが大切になるという。
肌の一番外側の表皮は、約0.02㎜と 食品用ラップフィルムほどの薄さしかなく、とてもデリケートだ。お手入れの際は、マッサージやコットンなど摩擦のもとになるお手入れを避け、手のひらでやさしくケアすることを勧めている。日々の肌ダメージをその日のうちに健やかな状態にリセットし、ストレスに負けない肌づくりを心がけようと助言している。
ファンケルの無添加化粧品は、「化粧品による肌トラブルに悩む人を救いたい」との思いから誕生した。肌ストレスの要因となる、5つの無添加(防腐剤、香料、合成色素、石油系界面活性剤、紫外線吸収剤)を原料レベルで徹底。出来上がった商品を敏感肌での安全性試験を行うなど、独自の安全評価基準(FSS)に基づくモノづくりを行っているという。
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