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2020.08.06 ECモール

ECサイトに不可欠な「新オンライン決済」サービスとは?…EC決済総まとめ

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ECサイトで商品を購入するには、クレジットカードによる決済が一般的ですが、近年では後払い決済など、クレジットカードを利用しない形の決済方法が普及しています。その要因には、個人情報流出事故が多発していることによるセキュリティ対策や、スマートフォンでECサイトを利用する人が、個人情報を入力に手間取ることなどがあります。特に、ここ最近では、総合ショッピングサイトのIDを利用できる決済サービスや、スマホの決済機能をオンラインにも活用する「新オンライン決済サービス」が人気を集めています。決済の課題を解決する「新オンライン決済サービス」について調査結果を交えて多角的に分析していきたいと思います。



ECサイトで提供される「オンライン決済」の役割は重要

 ジャックス・ペイメント・ソリューションズ(株)の調査によると、ECサイトに希望の支払い方法がないと、一旦、商品をECサイトの買い物かごに入れても、決済画面でそれ以上先に進まないといういわゆる「カゴ落ち」の率が約7割に上るという結果が出ています。

※関連記事(ジャックス・ペイメント・ソリューションズの調査結果)

 ECサイトを運営するEC・通販会社は、ECサイトのデザインや商品画像、商品のコピーや案内文を改良したり、ネット広告やSEO対策といった自社商品の販売促進活動など、新規ユーザーの獲得に向けてさまざまな取り組みを実践しています。これらの努力が実り、ECサイトのカートに商品が入ったとしても、その後に最後の関門である決済画面がやってきます。もし、ユーザーが希望する決済方法がなく、カートから離の脱(カゴ落ち)されると、これまでの努力が無駄になってしまうことも起きかねません。

 そのユーザーは離脱した後、カートに入れたものと同じような商品を、希望する決済方法が導入されている他のECサイトで購入することになるでしょう。

ユーザーに求められるECサイトのオンライン決済手段とは?

 これを防ぐにはため、ECサイトにはどのような決済手段があり、どのような決済方法を消費者が利用しているのかを見ていく必要があります。

 まずは、ECサイトにはどのような決済方法があるのかを、まとめて見ていきたいと思います。

 ECサイトの支払い方法として最も一般的な決済サービスは「クレジットカード」です。多くのECサイトでさまざまなクレジットカードが利用できるようになっています。そのほか、商品が自宅に届いた際に代金を支払う「代金引換(代引)」、商品の代金を銀行や郵便局などに振り込んだ後に商品が届く先払いの「振り込み」、振込用紙が商品と一緒に届き、商品を確認してからコンビニエンスストアや銀行・郵便局で商品代金を支払う「後払い決済」などがあります。

 スマートフォンが急速に拡大し、スマホでショッピングをすることが定着してくると、Amazonや楽天市場などの総合ネットショッピングモールのアカウントでログイン・決済ができるID決済、NTTドコモやauなど携帯キャリアの支払いに、商品購入代金をまとめることができる携帯キャリア決済、スマホでの決済機能をオンラインにも活用したPayPayやLINE PayなどのQRコード決済など、新たなオンライン決済サービスが誕生し、注目されてきました。

ECサイトでの利用率、「新オンライン決済」が14%




 通販通信ECMOが実施したインターネット調査(回答者数1054人・20年4月に実施)によると、企業の公式ECサイトで商品購入時によく利用する支払いは、1位が「クレジットカード」で82.4%、2位が「後払い決済(銀行振込・コンビニ振込)」で16.6%、3位が「新オンライン決済(Amazon Pay・楽天ペイ・Yahoo!ウォレット・エポスかんたん決済・PayPay・LINEPay・メルペイ・PayPal・GooglePay・ApplePay・ドコモ払い・auかんたん決済・ソフトバンクまとめて支払い)」で13.9%、4位が「代引」で11.1%でした。

 クレジットカード決済が1位(82.4%)になるのは、当然だと思いますが、新オンライン決済の利用率は後払い決済に次ぐ僅差の3位に入に入っています。新オンライン決済は、ここ数年でサービスがスタートしたものが多く、急速に普及していることがわかります。

利用者急増中の新オンライン決済サービスを総まとめ

 それでは、ECサイトの決済時に利用が拡大している主な新オンライン決済サービスを、サービスごとに紹介していきたいと思います。


「楽天ペイ(オンライン決済)」

「楽天ペイ(オンライン決済)」のサイトから
 
 楽天ペイ(オンライン決済)は、企業の公式オンラインサイトで決済する際、楽天会員としてログインでき、楽天IDに登録されているクレジットカードを利用して決済が可能なID決済サービスです。最大のメリットは「楽天ポイント」の獲得・利用ができることです。

 ポイント獲得によるメリットが大きく企業の公式ECサイトで楽天ペイ(オンライン決済)が導入されている場合、楽天会員は楽天ペイを利用する傾向が高いと見られます。

「Amazon Pay」


「Amazon Pay」のサイトから

 
 Amazon Payは、Amazonアカウントでログインし、Amazonアカウントに登録された住所や支払い情報を利用して簡単に決済ができるサービスです。定期購入や予約購入など、さまざまな決済ニーズに対応できるほか、Amazon Payを導入したECサイトでは、売上が向上したり、消費者が初回購入からどれだけ継続して商品を購入したかを示す指標「ライフ タイム バリュー」(LTV:Life Time Value)が向上するなどの事例も出ているようです。

 消費者にとっては、Amazonの高度なセキュリティで安心に買い物をすることができるというメリットがあります。


「Yahoo!ウォレット」

「Yahoo!ウォレット」のサイトから

 「Yahoo!ウォレット」は、ヤフー(株)が提供するネット上のお財布をイメージしたサービスです。Yahoo!JAPANのIDに登録されたクレジットカードでの支払いができ「Yahoo!ショッピング」や「ヤフオク!」など、Yahoo!JAPAN関連サービスだけでなく、さまざまなECサイトでも利用可能です。また、Tポイントの対象となるサービスやコンテンツを購入すると、自動的にTポイントが貯まります。

 Tポイントが貯まることが大きく、ヤフーグループのさまざまなサービスを利用しているユーザーは、「Yahoo!ウォレット」を利用する人が多いと見られます。


「リクルートかんたん支払い」


「リクルートかんたん支払い」のサイトから

 リクルートかんたん支払いは、リクルートIDに登録されたクレジットカードを使用して支払いができるID決済サービスです。共通ポイントサービス「Ponta」を貯めて使うこともできます。「Ponta」ポイントは、「ポンパレモール」と「auPAY」「auPAYマーケット」でも貯めて使えることができ、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングという3大ECモールでカバーできないECモールのユーザーをカバーすることができます。

「エポスかんたん決済」


「エポスかんたん決済」のサイトから

 「エポスかんたん決済」は、丸井グループの(株)エポスカードが発行する「エポスカード」のネットサービス「エポスNet」のIDとパスワードを使用してショッピングができるID決済サービス。「エポスかんたん決済」が利用できるECサイトで、エポスポイントや新規入会特典などが利用できます。



「PayPay(オンライン)」


「PayPay(オンライン)」のサイトから

 「PayPay(オンライン)」はスマートフォンで決済できるQRコード決済のオンライン版です。PayPayアプリは登録ユーザーが2500万人と、急速に普及しています。これまでに10%~20%還元という大型キャンペーンを何度も実施しており、キャンペーン目当てにECサイトでの決済でPayPay(オンライン)を使う人が増加しているようです。ECアプリとの相性も良く、アプリ上で簡単に決済が完結します。


「メルペイ」

「メルペイ」のサイトから

 10人に1人が使用するフリマアプリ「メルカリ」のスマホ決済サービス。ECサイトに導入された場合、メルカリユーザーがメルカリでの取引で貯まった売上金を、ECサイトで使用することができます。後払い機能もあります。PayPayの規模までいかないまでも、メルペイも還元キャンペーンを実施しており、キャンペーン目当ての新規ユーザーを集客できます。

「LINE Pay」

「LINE Pay」のサイトから

 「LINE Pay」は、コミュニケーションアプリ「LINE」のスマホ決済サービスです。LINEユーザーはLINEアプリから新たにアプリをインストールせずに、LINEのウォレットタブから「LINE Payをはじめる」をクリックし、規約に同意すれば簡単に登録が完了します。登録の手軽さや送金機能などの便利な機能もあり、登録者を拡大させています。

 オンラインでの利用も拡大しており、事前にLINE Payに登録した銀行口座などからチャージし、LINE Payの残高でECサイトでも代金を支払うことができます。

 LINE PayはLINEと連携しているので、LINE公式アカウント(LINE@)を運用していれば、アフターフォーローから決済までの自然な流れでコンバージョンに結び付けることもできます。

キャリア決済「d払い/ドコモ払い」

「d払い/ドコモ払い」のサイトから

 「d払い/ドコモ払い」は、ネットショッピングでの購入した商品の支払いを、ドコモのケータイ料金と合算して支払えるサービス。dポイントを貯めて使えることもできます。

 また、ドコモ払いだけでなく、すべてのキャリア決済に共通しているのは、クレジットカードを持っていない若い世代や、あえてクレジットカードを作りたくない人にとっては、キャリア決済が利用価値の高い決済サービスになっています。

キャリア決済「auかんたん決済」

「auかんたん決済」のサイトから

 「auかんたん決済」は、auのスマートフォンやPCなどで購入した商品を月々の携帯の通信料金と合算して支払えるサービス。支払う際に「auかんたん決済」を選択し、暗証番号(4桁)を入れるだけで購入できます。

 暗証番号を入れるだけで購入できる手軽さが、auユーザーから支持を受けていると思われます。

ソフトバンクまとめて支払い

「ソフトバンクまとめて支払い」のサイトから

 「ソフトバンクまとめて支払い」はショッピングだけでなく、デジタルコンテンツやAPP Store、Google Payなどの支払いを携帯料金にまとめて支払うことができるキャリア決済です。iPhoneで利用したデジタルコンテンツなどもまとめることができ、ソフトバンクユーザーから人気を集めています。

ソフトバンクグループとしては、PayPayやYahoo!ウォレットなどの新オンライン決済サービスもあり、他の決済サービスで補い切れない人たちをフォローする位置づけなのかもしれません。

大手ECサイトでのオンライン決済導入数は平均4.3

 ここまで、新オンライン決済サービスの種類を見てきましたが、今度は実際にEC事業者が導入している決済サービスを見ていきます。

 通販通信ECMOが年商100億円以上のEC事業者を対象とした調査では、ECサイトが導入している支払い方法の数は、平均で4.3でした。また、最も支払い方法の数が多かったのが資生堂の公式オンラインショップ「ワタシプラス」で、11種類の支払い方法を導入していました。

 年商100億円以上のEC事業者50社を対象にした、「EC事業者が導入する支払い方法の導入率ランキング」(「通販通信ECMO」の独自調査)によると、支払い方法の導入率1位が「クレジットカード」(100%)、2位が「代引」(88%)、3位が「後払い」(74%)、4位が「口座引落」(30%)、6位が「楽天ペイ(オンライン決済)」(22%)・d払い/ドコモ払い(22%)となり、消費者がよく利用する支払い方法のランキングとは異なる結果となりました。






スマホ決済サービスは大手ECサイトで導入進まず

 事業者が導入している支払い方法では、ユーザーの利用率が11%だった「代引」が2位(88%)となっています。「代引」はクレジットカードが現在ほど普及していなかった頃に、一般的だった支払い方法であり、現在も一定数の利用者がいることから、ECサイトの支払い方法として、多くのECサイトに残っていると思われます。

 4位の「口座引落」は、健康食品などの定期購入の支払い方法として利用されるケースが多いようです。

 PayPayやLINE Pay、メルペイなどのスマホ決済サービスは、大手通販会社での導入実績が少ないことがわかりました。

ECサイトの成長には5種類以上の決済手段が必要?

 売上を伸ばしている大手のEC事業者は、新オンライン決済を含め、平均4.3個の決済手段を導入していることがわかりました。新オンライン決済サービスを利用するECサイトの利用者は、ECサイトを利用する際、自分が希望する支払方法がないと、購入をやめてしまう可能性があります。このため、ユーザーの特性に応じた決済サービスを導入しておくことが、ユーザーの利便性を高め、コンバージョン率を上げることにつながっていきます。

 大手のEC事業者の平均支払い方法が4.3種類であるとすれば、ユーザーはそのくらいの数の支払い方法に慣れていますので、中小・小規模事業者にとっては、ユーザーにとってより利便性の高い決済環境を提供するためにも、5つ以上の支払い方法を提供したいところです。

ECサイトに必須な新オンライン決済サービスとは?


 ではどの決済手段を導入すればいいのでしょうか?クレジットカード決済は当然として、「代引」「後払い決済」の3つは標準セットだと思います。新オンライン決済では、ユーザー数が多い楽天ペイ(オンライン決済)とAmazon Payは必須でしょう。楽天ペイはポイントを利用したい楽天会員、Amazon Payはよりセキュリティを重視するAmazonユーザーから利用されることが多くなるでしょう。また、Amazon Payは導入後の効果が高い決済サービスであり、売上やLTVの向上など、多数の導入事例があります。

オンライン版のスマホ決済サービスは、自社サービスの利用者の属性や、自社商品・サービスなどを考慮して、導入する決済サービスを決定すればいいと思います。例えば、若年層の利用者を増やしたり、LINEを活用したマーケティングを実施したいなら「LINE Pay」、家電や家具などの高価格帯の商材を扱っているなら、ポイント還元キャンペーンでの集客を狙って「PayPay」を導入する。または、自社のファッションアイテムがよくメルカリで売られているなら、新品購入→フリマアプリで販売といった2次流通までを見越して「メルペイ」を導入するといった感じです。

 この考え方でいけば、自社サイトのユーザー層によって、特に若年層の利用が多いECサイトでは、まだクレジットカードを持たない層の決済をフォローする目的で「d払い/ドコモ払い」「auかんたん決済」「ソフトバンクおまとめ」などのキャリア決済サービスも導入しておいた方がいいでしょう。

支払い方法のニーズと導入されている決済サービスにギャップも


 資生堂の公式オンラインショップ「ワタシプラス」は11種類の決済手段を導入し、どんなユーザーが来ても希望する支払い方法を提供するという意図が見えます。ここまで万全に対応するのは難しいかもしれませんが、ニーズが高い支払い方法を5種類以上は導入しておきたいところです。

 実際に、新たな決済手段を導入することで、売上がアップした事例はたくさん出ています。現在はスマホ経由でのEC利用がPCを上回っています。この環境に対応するためには、より利便性が高い支払い方法を提供し、ユーザーのニーズを満たすことが重要です。

 現在はニーズがそれほど高くない「代引」が大手ECサイトで88%近く導入されている一方、「代引き」よりニーズが高い「新オンライン決済サービス」が、8%しか導入されていないというギャップがあります。ただ、こうした状況も数年後に逆転し、クレジットカード決済比率を新オンライン決済が上回る日が来るかもしれません。消費者が求めるオンライン決済ニーズをくみ取り、ユーザーに合った決済手段を少しでも早く提供することは、ECサイトの今後の成長に欠かせない要素になっていると言えるでしょう。

(山本 剛資)







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