新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東京都などが「重大局面」として不要不急の外出自粛を求めた最初の週末は、要請直後から多くのネットスーパーに想定を超える商品の需要増が発生。各店は「飽和状態」となり、受注の一時停止や欠品、遅配が相次いだ。30日現在、休止中のネットスーパーはなくなったが、「後遺症」は残ったままだ。
ライフは土日の配達を休止
「巣ごもり消費」の傾向は、学校の一斉休校措置や在宅勤務の導入で拡大し、外出自粛要請が輪をかけた格好で、消費者の「買いだめ」の影響はネット通販にも及んだ。「すべてのネットスーパーの配達便をお休みさせていただきます」。こんなお知らせを掲げ、28日と29日を休業したのは、(株)ライフコーポレーションが運営するライフネットスーパー。30日配達分から一部営業を再開するが、その決定も29日夕になってからだった。
商品供給については不安定な状態は変わらず、加工食品や日配食品を中心に商品の掲載を絞り込み、注文点数についても制限する。従来からの衛生用品(マスクや除菌関連品、ハンドソープなど)や紙製品(トイレットペーパー、生理用品、紙おむつなど)とともに、水やインスタント麺、パスタ、パスタソース、レトルトご飯、レトルトカレー、米、冷凍食品などだ。
また同社は、店舗の混雑緩和と商品の安定供給を目的に4月3日まで、東京・神奈川・埼玉の首都圏121店舗用チラシの配布と配信を自粛する。
楽天西友NSも二日間停止
楽天西友ネットスーパー(株)が事業運営を担う楽天西友ネットスーパーは、アクセスの殺到で、26日に首都圏1都3県での受注を一時停止した。28日届け分から受注を再開したが、欠品などで一部買えない商品がある。
出荷店舗の品薄状態が続いているマスクと紙製品に加え、急激な注文増による在庫不足から、米関連や麺類、パスタ類、レトルト食品、缶詰類、冷凍食品などの商品掲載を一時的に休止している。
ヨーカドーはログイン規制実施
受注停止にはならなかったが、混乱や異変のさなかのネット―スーパーは多い。いずれもアクセスが集中し、ログインしづらい状態が長時間、発生。イトーヨーカ堂のネットスーパーは一時、利用者の入店(ログイン)を制限した。イオンネットスーパーやマルエツネットスーパー、ダイエーネットスーパーでも、サイトが重い、届け日が指定できないなどの支障が発生した。
各店とも、自粛要請直後の25日夜から一両日は、公式サイトのトップページで「注文急増で希望のお届け時間帯が選びにくい状況になっている」「記載されているお届け予定日より数日遅れの可能性がある」などの告知を載せ、遅配や欠品、点数制限が発生する場合があることを伝えていた。
チラシの商品も店舗と同価格で注文できるマルエツネットスーパーでは、「生産・物流の混乱に伴い、チラシ掲載商品が販売できない場合がある」というお知らせも。ダイエーネットスーパーでは、注文商品が配達できない可能性についても触れていた。
日用品やキッチン用品など、定番商品がひと箱で受け取れる「Amazonパントリー」と、会員用の生鮮食品・日用品配達サービス「Amazonフレッシュ」も、「注文の集中で希望の配送日時を指定できない場合がある」と告知中。同じく会員向けの「Amazonプライムナウ」は、ライフネットスーパーとの協業のため、28日と29日の受注休止を余儀なくされた。
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