2019.07.29 マーケティング
ヤフーと三越伊勢丹、データフォレストの成果品アイテム発売
ヤフー(株)と(株)三越伊勢丹は26日、Yahoo!JAPANが持つビッグデータとAIを活用し、『子育て中の小柄な女性向けのロングスカート』を開発したと発表した。Yahoo!JAPANが10月から提供を始める企業間ビッグデータ連携によるデータソリューションサービス「DATA FREST(データ・フォレスト)」の実証実験による「成果品」といえ、同商品は9月下旬から、三越伊勢丹のECサイト「arm in arm」で発売する。
「成果品」は子育てママ向けのロングスカート
『子育て中の小柄な女性向けのロングスカート』は、「Yahoo!検索」の検索キーワードや、「Yahoo!知恵袋」の質問書き込みなどのビッグデータを統計化した上、AI技術により解析。「arm in arm」のターゲットでもある子育て中の女性の服装に関するトレンドや悩みを抽出した。
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その結果、小柄な体形のロングスカートへの関心が高く、着こなしや自転車の利用、抱っこひもとの合わせ方、静電気などに悩む子育て中の女性のインサイトを得た。これを受け、三越伊勢丹は、子育て中の女性との座談会を行いながら検証を進め、ロングスカートの開発に結びつけた。
開発したロングスカートは、自宅で洗える素材の採用や抱っこひもと合わせやすいようにポケットの高さを調整するなど、子育て中の女性の意見を盛り込んだ。同時に、小柄な人もバランス良く着用できるようにと、ボタンの色や丈についても座談会での意見をもとに決定したという。
「DATA FOREST」の実証実験の一例
両社は「今回の商品の反響を踏まえながら、今後もビッグデータを用いたアパレル商品開発や、ファッションとテクノロジーを掛け合わせたファッションテックの推進に挑戦したい」と意欲を見せている。
「DATA FOREST」は、Yahoo!JAPANが蓄積したビッグデータを企業や自治体が持つデータと掛け合わせて分析し、得た発見をさまざまな事業領域に活用するサービス。今回は「生活者の理解に基づく商品企画」「需要予測に基づく生産・物流の最適化」など、企業活動の課題解決に活用する目的の1つにもかなう一例といえそうだ。