2026.05.15 コラム
いまさら聞けない法制度の基礎~薬機法と健康食品の広告(後)
通販会社が健康食品を広告宣伝する際には、医薬品医療機器等法(薬機法)のほか、同法に関連する通知も押さえておく必要がある。後編では、薬機法の「広告3要件」や通知「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」(いわゆる46通知)のポイントを見ていく。
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いまさら聞けない法制度の基礎~景品表示法・健康増進法と健康食品の広告(前)
「広告の3要件」の解釈
前編で、健康食品の広告の取り締まりで用いられることが多い薬機法第68条の「承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止」について説明した。
この規定に違反するかどうかの判断は、2段階に分けて行われる。第1段階として、広告に該当するかどうかを判定。第2段階として、広告に医薬品的な要素が含まれているかどうかを吟味する。この2つを満たせば、薬機法違反と認定される。
まず、第1段階の広告かどうかは、薬機法の「広告の3要件」を基に判定される。3要件は厚労省通知で以下のように示されている。
・顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること。
・特定医薬品等の商品名が明らかにされていること。
・一般人が認知できる状態であること。
この3要件については、解釈の仕方に注意する必要がある。1つ目の「顧客を誘引する意図が明確」の顧客の意味は広い。商品を購入する消費者に限らず、さまざまな取引先を含むと理解しなければならない。
2つ目の「商品名が明らか」の商品名とは、最終商品の名称に限らず、商品に使用する原料・成分の名称も含むと考えられる。3つ目の「一般人が認知できる」の一般人も広く捉えることが必要で、商品を購入する消費者に限らず、すべての人を意味している。
このように、薬機法の規制対象となる広告の範囲は広い。むしろ広告に該当しないのは、マスコミ報道や学会発表などに限られる。
用法用量の表示にも注意
第2段階の広告に医薬品的な要素が含まれるかどうかの判断については、いくつかのポイントがある。厚労省の「いわゆる46通知」に詳細が示されている。
まず、厚労省の食薬区分制度に、医薬品のみに使用できる原料・成分のリストがあり、このリストに掲載されている原料・成分を配合した健康食品は、薬機法違反となる。食薬区分に関する違反はたびたび発覚し、取り締まりが行われている。
次に、医薬品的な効能効果をうたうと、“無承認の医薬品”とみなされる。具体的には、疾病の予防・改善を意味する表現はじめ、「疲労回復」「食欲促進」「アンチエイジング」といった身体の組織・機能の増強を示唆した表現などがある。
「専ら医薬品的な形状」をした食品も、薬機法違反に問われる恐れがある。該当するものに「アンプル形状」「舌下錠」「液体噴射のスプレー管」などがある。これらは一般的な食品に用いられることがなく、消費者が医薬品と誤認する恐れがあることから、薬機法上の問題となり得る。
また、医薬品的な用法用量を表示した場合も問題となる。例えば、「食前」「食後」などの表現を用いると、消費者は医薬品と誤認する恐れがある。
ここまで見てきたように、「医薬品的な効能効果の表示」「専ら医薬品的な形状」「医薬品的な用法用量」のうち、どれか1つでも該当すると“無承認の医薬品”とみなされる。
健康食品を扱う通販会社にとっては、「いわゆる46通知」の趣旨を踏まえた広告展開が重要となる。
(了)
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