2026.04.09 コラム
いまさら聞けない法制度の基礎~景品表示法・健康増進法と健康食品の広告(後)
健康食品の広告で違反に問われる典型例に、行き過ぎた効能効果の表示がある。インターネット上には「飲むだけで1カ月に5㎏痩せる」「ストレスを解消」など、さまざまな不適切な表示が氾濫している。大げさな効能効果をうたうと、景品表示法が禁止する「優良誤認表示」や健康増進法の「誇大表示」に該当する恐れがある。通販会社にとっては販売サイトをはじめ、SNS広告やアフィリエイト広告も含め、入念なチェックが重要となる。
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代表的な不適切な表示例
景表法違反や健増法違反に問われる恐れがある表示の代表例を見ていく。
まず、疾病の治療・予防を目的とした効果がある。「花粉症が治る」「がんを抑制」「便秘予防」「動脈硬化を予防」「血圧改善」など、疾病の治療や予防に効果があるとうたう表示は問題となる。
次に、身体の組織機能を増強・増進させる効果が挙げられる。例えば、「食欲がわく」「疲労回復」「体力増強」など。美容系サプリメントで見られる「アンチエイジング」の表示も違法に問われる。「集中力アップ」「免疫機能の向上」といった表示もNGとなる。
また、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品で可能な“特定の保健の用途に適する旨の効果”を一般的な健康食品で標ぼうすると、違法に問われる。「おなかの調子を整える」「食後の血中中性脂肪の上昇を抑える」といった表示が該当する。
間接的な表現も規制対象に
通販会社の中には、健康食品の効能効果を直接的にうたわずに、ぼやけた表現で消費者へ伝えるケースも散見される。しかし、暗示的な表示、間接的な表現であっても、景表法や健増法の規制から免れることはできない。
例えば、商品名に「スリム〇〇」といったネーミングを付ける、キャッチコピーとして「余計なものをスッキリ」と表示する。これらは直接的に「痩せる」とうたっていないものの、暗示的・間接的に伝えようとしている。
通販サイトでは健康食品に配合した成分について、「昔から風邪の予防に役立つと言われている〇〇(成分名)を使用」「中国で△△(疾病名)に効く漢方として用いられる〇〇(成分名)」と記載するケースが見られる。こうした説明も、不適切な暗示的・間接的な表現となる。
「〇〇活」の表現も注意
近年、通販サイトで見かけるようになった表現方法にも注意が必要だ。その1つに、「こんなお悩みありませんか?」のタイトルとともに、チェックボックスを付けた以下のような項目を並べるケースがある。
☑最近ぐっすり眠れない
☑仕事に集中できない
☑ストレスを感じることが増えた
このようなアプローチも違法に問われるリスクが極めて高い。
さらに、「妊活」「腸活」など「〇〇活」という表現が流行しているが、広告の内容によっては法違反に問われる恐れがある。通販各社では、自社サイトやSNS広告で「〇〇活」の表現が使用されていないかをチェックすることが重要となる。
トクホや機能性表示食品も油断禁物
国が許可するトクホであっても、届出制の機能性表示食品であっても、広告表現で油断は禁物だ。これまでに、景表法や健増法に抵触する事案が報告されている。
トクホについては、国が許可した表示の範囲内で、広告を展開することが鉄則となる。例えば、「おなかの調子を整える」の表示が許可されたトクホ商品で、「便秘改善でスリムな体に」とうたうことはできない。
機能性表示食品については、国へ届け出た内容を逸脱して表示すると、違法に問われる。例えば、届出表示が「〇〇(機能性関与成分)には、コレステロールを低下させる機能があることが報告されている」の場合に、「コレステロールを下げる」と言い切ることはできない。
今回、健康食品の広告について景表法と健増法による規制を見てきたが、医薬品医療機器等法(薬機法)や特定商取引法でも規制を受ける。行政処分を受けると、企業に対する信頼は低下する。通販各社では、広告のチェック体制の構築を急ぐ必要がありそうだ。
(了)
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