2026.04.06 コラム
いまさら聞けない法制度の基礎~景品表示法・健康増進法と健康食品の広告(中)
景品表示法は、消費者に著しく優良、または著しく有利であると誤認させる表示を禁止している。この「著しい」とはどの程度を意味するのか。表示を裏づける根拠とは、どのようなものを指すのだろうか。
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通販会社に表示内容の立証責任
健康食品の広告が優良誤認表示や有利誤認表示に該当する場合、消費者庁や都道府県は措置命令を出す。具体的には、違反行為の差し止め、再発防止策の構築、消費者への違反事実の周知などだ。
措置命令とともに、一定要件を満たせば、消費者庁は課徴金納付命令も出す。課徴金額は、不当表示による売上額の3%となる。健康食品の広告に関する課徴金納付命令では、課徴金額が億単位に上ることもある。
程度の差はあるものの、一般的に広告は自社商品が優れていることや、“お得”なことを一定レベルで誇張している。多少のオーバートークは消費者も折り込み済みで、許容範囲となる。
景表法では、著しく優良または著しく有利であると消費者に誤認を与えた場合に、違反になると規定している。「著しく」については明確な基準を設けていないが、広告でうたうような効果などがないと知っていれば、購入しなかったと考えられるケースが、「著しく」に該当すると考えられる。
優良誤認表示を行ったと認定された通販会社では、「表示内容には根拠がある」と抗議することもあるが、その立証責任は事業者側が負う。
健康食品の効果については、行政は景表法の「不実証広告規制」を用いて対応する。不実証広告規制は事業者に対し、原則15日以内に表示を裏づける合理的根拠の提出を求めるというもの。期日までに資料を提出しない、または提出された資料が合理的根拠と認められない場合は、優良誤認表示とみなされる。
合理的根拠に該当すると認められるためには、「客観的に実証された内容」「表示された効果と、提出資料で実証された内容が適切に対応」の2要件を満たす必要がある。
「客観的に実証された内容」とは、学術界や産業界で広く認められた方法による試験の結果などを意味する。さらに、試験結果の内容と広告内容が一致していることも求められる。例えば、健康食品の摂取による痩身効果について、毎日8000歩のウォーキングを条件とした試験であるにもかかわらず、「サプリメントを摂取するだけで」と表示した場合は、試験内容と広告に乖離があり、合理的根拠とは認められない。
健康増進法は「何人も」規制
健康食品の広告は、健康増進法によっても規制を受ける。「何人も、食品として販売に供する物の広告・表示を行う場合、健康保持増進効果等について著しく事実に相違する表示、また著しく人を誤認させるような表示をしてはならない」(誇大表示の禁止)と定めている。
景表法との主な違いは、不実証広告規制がないこと、表示対象が食品として販売に供する物であること、表示事項が健康保持増進効果等であることなど。
また、健増法は「何人も」を規制する点が特徴となっている。健康食品を販売する通販会社だけでなく、広告作成を手がける広告代理店やアフィリエイターなどにも規制が及ぶ。
景表法と比較して、運用の違いも顕著となっている。健増法に基づく取り締まりは、大半が行政指導にとどまり、企業名や商品名は公表されない。消費者庁の動向を見ると、健康食品のインターネット広告の一斉監視で、多数の事業者に対し、健増法に基づいて表示の改善を指導している。
ただし、消費者からの苦情が多い、消費者が医療機関を受診する機会を逃す恐れがある場合には、「勧告」を出して、企業名・商品名や表示内容を公表できる。勧告に従わない事業者には「命令」を出す。命令に違反すると、懲役または罰金が科される。
(つづく)
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