2026.01.29 コラム
いまさら聞けない法制度の基礎~特定商取引法と通信販売(6)
特定商取引法は、通信販売の契約解除に関するルールを設けている。インターネット通販などのユーザーで、契約解除に関するトラブルが多発。その背景の1つに、通販サイト上の契約解除に関する表示がわかりにくいことや、適正に表示されていないことがある。通販会社にとって、消費者トラブルを未然に防ぐため、必ず押さえておきたいポイントとなる。
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通信販売にクーリング・オフはない
通信販売にはクーリング・オフの制度がない。訪問販売や電話勧誘販売の場合、突然勧誘され、冷静に判断せずに契約してしまうことがある。これに対し、通信販売の場合、消費者は通販サイトやチラシなどの表示(広告)を見て、時間をかけて注文するかどうかを判断することができる。このため、クーリング・オフは適用されない。
ただし、通信販売でも消費者が商品の申し込みを撤回することが可能で、撤回できる期間は商品を受け取った日から8日までとなる。無条件で契約を撤回できるクーリング・オフと異なり、返品時の送料は消費者が負担しなければならない。
「返品特約」の表示ルール
通販サイトなどの広告に「返品特約」を表示している場合は、これに従う。しかし、返品特約を小さな文字で表示し、消費者が気づきにくいといったケースでは、返品特約は無効となる。ネット通販の場合は、広告への表示に加え、申込最終確認画面にも返品特約の表示を義務づけている。
返品特約を設けている場合、「返品の可否」「期間などの返品条件」「返品にかかる送料負担の有無」を表示しなければならない。
例えば、「商品に欠陥がない場合でも、すべての商品について〇日間に限り、送料は購入者負担により、返品に応じます」などの表示がある。
また、配達した商品の種類・品質が契約のとおりでないケースで、販売者責任について特約する場合には、その旨の表示を義務づけている。販売者責任について特約しない場合は、民法の一般原則に従うことになる。
返品特約は広告と申込最終確認画面に表示
ネット通販で返品特約を設ける場合は、広告と申込最終確認画面の各商品の説明箇所に、ほかの事項に埋没しないように、明確に表示する必要がある。例えば、価格・電話番号など消費者が必ず確認する箇所に、価格などと同じサイズで表示したり、色文字や太文字を用いて表示したりする。
これに対し、小さな文字で目立たないように表示したり、ほかの事項に埋没させたりする行為は不適切となる。
共通表示部分を活用する場合は、次のような取り組みがある。広告の各商品の説明箇所で「返品特約における重要事項」を示すマークや文字での表示をわかりやすく、ほかの事項に埋没しないように表示する。または、返品特約を「返品A」「返品B」などとパターンごとに分類して、それを表すマークや文字で明瞭に表示する。
その上で、「返品の詳細はご利用ガイドを参照ください」などと表示し、クリックすると共通表示部分が出るようにする。当然ながら、共通表示部分では、返品特約の記載箇所が簡単に見つけられるようにしておく。
申込最終確認画面での表示も、同様の点に留意しなければならない。
適格消費者団体による差止請求の対象に
通信販売の表示については、特商法に基づく取り締まりが行われるほか、適格消費者団体による差止請求の対象となる。
適格消費者団体は、不特定多数の消費者の利益を守ることを目的に、差止請求権を行使できる団体。内閣総理大臣が認定し、現在26団体がある。
適格消費者団体による差止請求で、特商法上の対象行為として、「誇大広告」「特定申込の申込最終確認画面・書面の誤認させるような表示」「不実告知」がある。
特商法の順守が不十分なケースでは、行政の取り締まりに加えて、適格消費者団体の差止請求の対象にもなる。消費者の信頼を得るために、通販会社は特商法を十分に理解して順守するとともに、社内のチェック体制を構築することが重要となる。
(了)
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