2026.01.15 コラム
いまさら聞けない法制度の基礎~特定商取引法と通信販売(3)
特定商取引法(特商法)が定める通信販売の行政規制で、通販会社にとって特に重要なものに「通信販売についての広告」(第11条)がある。通信販売の「広告」に義務づけている表示事項は大きく分けて6項目あり、前回、そのうち「販売価格」「支払時期・方法」「商品の引渡時期」など5項目の詳細を述べた。今回は、6つ目の表示項目の詳細を解説する。
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通販会社に求められる合計15項目の表示
大きく分けて6つ目の表示事項となる特商法第11条の6の「主務省令で定める事項」とは、具体的には以下の表示項目を指す。
①販売者の氏名(名称)、住所、電話番号
②事業者が法人でインターネット広告を行う場合、代表者または通販業務の責任者の氏名
③事業者が外国法人で国内に事務所を持つ場合、所在地と電話番号
④販売価格や送料以外に購入者が負担する金銭がある場合は、その内容と額
⑤引き渡した商品の種類・品質が契約内容に適合しない場合の販売者責任の定めがあれば、その内容
⑥ソフトウェア等の販売を行う場合、必要となるパソコンの動作環境
⑦2回以上継続して契約を締結する場合は、その旨と販売条件
⑧販売数量制限など特別の販売条件がある場合は、その内容
⑨請求によってカタログ等を別途送付するケースで有料の場合は、その金額
⑩電子メール広告を行う場合は、事業者のメールアドレス
つまり、前回述べた「販売価格」「支払時期、支払方法」「商品の引渡時期」「申込期間を定めている場合はその旨と内容」「申込の撤回・解除に関する事項」の5項目を合わせて、合計15項目を「広告」に表示しなければならない(該当しない項目を除く)。
販売者の氏名・住所・電話番号は慎重に
「省令で定める表示事項」(①~⑩の10項目)のうち、特に注意が必要な項目を中心に見ていく。
まず、「①販売者の氏名(名称)、住所、電話番号」と「②事業者が法人でインターネット広告を行う場合、代表者または通販業務の責任者の氏名」について述べる。
販売者の氏名(名称)は、個人事業者の場合は戸籍上の氏名または商業登記簿の商号、法人の場合は登記簿上の名称を表示する。屋号やサイト名は認められない。販売者の氏名として、サイト名のみを表示している通販サイトも散見されるが、これは不適切となる。また、住所の番地を「〇丁目」で止めるなど、省略してはならない。
住所については活動中の住所を正確に表示する。レンタルオフィスであっても、実際に活動している住所ならば認められる。電話番号は確実に連絡が取れる番号を表示する。使用されていない番号や、発信専用の番号などはNGとなる。
通販業務の責任者の氏名
通販業務の責任者は、通販業務の担当役員や担当部長など、実務担当者のうちの責任者を指す。代表権を持たなくても構わない。
これらの表示事項は、消費者が容易に認識できる場所に、わかりやすい方法で表示する。ネット通販の「広告」では、スクロールや画面の切り替えなしに、法が定める事項のすべてを表示することが望ましく、特に①~③については「広告」の冒頭で認識できるように表示する。
ただし、冒頭に表示できない場合は、容易に表示箇所へ移行できる方法などを講ずる。一般的には「特定商取引法に基づく表記」と表示し、リンクさせるケースが多い。
梱包料や工事費の表示
「④販売価格や送料以外に購入者が負担する金銭がある場合は、その内容と額」についても、不適切な例が散見されることから注意が必要だ。
販売価格や送料以外に購入者が負担するものとして、梱包料をはじめ、工事費や組立費、設置費などがある。例えば、梱包料がかかる場合には、「販売価格〇万円、送料〇〇〇円、梱包料〇〇円」と表示する。また、正確な金額を表示することが求められ、「梱包料がかかります」などの表示は不適切となる。
「⑦2回以上継続して契約を締結する場合は、その旨と販売条件」についても、十分に対応できていない通販サイトが見られる。
具体的には、定期購入契約である旨、金額、契約期間、引渡時期、支払時期などの表示を義務づけている。また、解約の申し出がない限り継続される定期購入コースの場合、金額は半年分や1年分などの額を「目安」として表示することが望ましい。
法第11条の「通信販売についての広告」は、通販サイトなどの「広告」に関する規定となり、申込最終確認画面の表示ルールは別の条文で規定している。
(つづく)
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