2026.01.20 コラム
いまさら聞けない法制度の基礎~特定商取引法と通信販売(4)
特定商取引法(特商法)違反に問われた事例を見ると、化粧品や健康食品などの広告で、事実と異なる大げさな効果をうたうケースが目立つ。景品表示法でも違反に問われるが、特商法の観点からも違法となり、業務停止命令や業務禁止命令が出される事案が後を絶たない。
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違反が多い「誇大広告等の禁止」
特商法は「誇大広告等の禁止」(第12条)を規定。広告で、商品の性能、サービス内容、申込の撤回・解除に関する事項などについて、「著しく事実と異なる表示」「実際よりも著しく優良または有利であると誤認させる表示」を禁止している。
ここで言う「著しい」とは、どの程度を指すのか。法令上で明確な規定はないが、一般的には、広告と実際の違いを知っていれば、契約しなかったと考えられる程度と理解されている。
「誇大広告等の禁止」に違反すると、指示、業務停止命令、業務禁止命令の対象に加え、100万円以下の罰金刑もあり得る。
代表的な違反事例に、化粧品や健康食品の大げさな効果をうたう広告がある。例えば、化粧品では「塗るだけでシワがすぐに改善される」「シミが瞬時に消える」など、健康食品では「運動も食事制限もなしに、飲むだけで月に7キロ痩せる」「あらゆる疾病を予防する」といった表示が該当する。
また、あたかも国のお墨付きを得たかのように、「厚生労働省推奨」「農林水産省認定」などと、事実と異なることを表示するケースも違法となる。
事業者に表示内容の立証責任
誇大広告等の疑いが持たれた事案では、国は事業者に対し、期間(原則15日間)を定めて、表示を裏づける合理的根拠を示す資料の提出を求めることができる。
事業者から資料が提出されない場合は、「誇大広告等」とみなされる。これは、表示内容の立証責任を事業者に求める措置で、調査の迅速化を実現している。
合理的根拠を示す資料と言うためには、(1)客観的に実証された内容である、②広告の性能・効果と実証された内容が適切に対応している――という2つの要件を満たすことが求められる。例えば、自社の社員を対象としたアンケートで「効果があった」という調査結果や、広告と異なる使用条件で行った試験の結果などは、2要件に該当しない。
電子メール広告のオプトイン規制
特商法は、「承諾していない者に対する電子メール広告の提供禁止」を定めている。ECに関する電子メール広告を行う通販会社に対する規制となり、オプトイン規制を採用。消費者からの請求や承諾がない限り、事業者が電子メール広告を送ることを禁止している。
ただし、例えば、次のような場合には規制の対象外となる。
・消費者の請求によって電子メール広告を送信するケース。
・「重要事項」をメールで通知する際に、その一部として広告を掲載するケース。
・消費者からの請求や承諾を得て送信するメルマガの一部に、広告を掲載するケース。
受信拒否した消費者への送信を禁止
電子メール広告には、消費者が受信を拒否する旨を伝えるための連絡方法を記載しなければならない。具体的には、「電子メールアドレス」または「URL」のいずれかを表示することになる。一方、「メールの受信を停止したい場合はこちらの番号へ電話してください」は認められない。
消費者が受信を拒否したケースでは、送信することを禁止している。この場合、条件を明記していない限り、別の商品の電子メール広告を送信することも禁止される。また、同じ事業者の広告の場合、別のメールアドレスによる送信も違反となる。
このほか、消費者から請求や承諾があれば、その記録を3年間保存しなければならない。
電子メール広告に関するルールについては、特商法のほか、いわゆる“迷惑メール”全般を対象とする特定電子メール法でも定めている。通信販売の電子メール広告を行う際には、特商法と特定電子メール法の規制を同時に受けることになる。
(つづく)
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