2022.11.29 行政情報
ステマ検討会が報告書案、景表法の指定告示に「ステマ」を追加へ
消費者庁の「ステルスマーケティングに関する検討会」(中川丈久座長)は29日、事業者の広告であることを隠して、著名人やユーザーなどの商品・サービスに対する評価と思わせる「ステルスマーケティング(ステマ)」について、景品表示法の指定告示で規制することを柱とした報告書(案)を決定した。修文の上、近日中にパブリックコメントの募集を開始する。その結果を踏まえて、12月下旬に開く最終会合で報告書を取りまとめる。

ステマ検討会の配布資料より
ステマ検討会の配布資料より
指定告示に「ステマ」の追加を提言
景表法の指定告示は、商品・サービスの取引を対象に、消費者が誤認する恐れのある表示よって、不当に誘引する行為を禁止している。現在、「おとり広告」「原産国の不当表示」などがあるが、報告書(案)は「ステマ」も追加するように提言した。
告示(案)については、消費者にとって「事業者の表示」であると判別しにくい表示を指定することが妥当とした。著名人に依頼してSNSに投稿してもらったり、購入者に依頼してレビューを投稿してもらったりしたのにもかかわらず、広告と明記しないケースなどを想定している。
欧米ではステマに対する規制があるが、日本では法整備が遅れていて、「ステマの草刈り場になっている」という指摘も。指定告示に追加することで、ステマへの機動的な対応が可能となる。
運用基準に具体例を盛り込む
報告書(案)は、告示(案)の運用基準の方向性も示した。どのような行為が景表法違反に当たるのかを事業者が判断できるように、多数の事例を盛り込んだ。
ステマの判断基準は、事業者が表示内容の決定に関与したかどうか、「事業者の表示」であることが明瞭かどうか。
事業者の表示内容への関与には、社外の第三者に依頼した場合や、グループ会社の従業員が行う場合なども含まれる。これらに依頼して行うSNSへの投稿、アフィリエイト広告、ECサイトのレビュー投稿、プラットフォームの口コミ投稿などが該当する。
加えて、事業者がインフルエンサーなどに対し、はっきりと依頼していない場合であっても、商品を無償で提供したり、経済的利益を感じさせたりして、表示してもらう場合も「事業者の表示」とみなされる。
また、表示してもらうための対価は、金銭や商品に限らず、イベント招待なども含まれるとしている。
動画の短時間の表示も問題視
「事業者の表示」であることが不明瞭なケースとして、アフィリエイトサイトに広告であることを明記していない場合や、広告と記載しながら「第三者の感想です」と表示する場合などを挙げた。動画については、冒頭のみに広告と表示するなど、短い時間しか表示しない場合を問題視した。
今後の課題として、インフルエンサーや不正レビューを募集するブローカーも、規制の対象に加えることなどを挙げた。
この日の会合では、報告書(案)に対して各委員から反対意見は聞かれず、概ね合意した。一部修正し、パブリックコメントの募集を開始することを決定した。
(木村 祐作)
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