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2024.05.13 行政情報

機能性表示食品制度の見直し 見えてきた方向性とは?

紅麹原料の問題を受けて、機能性表示食品制度の見直しに向けた検討が進められている。消費者庁は「機能性表示食品を巡る検討会」を設置し、4回の会合を重ねた。5月末をめどに結論を得る予定だ。これまでに示された制度改正の方向性を整理する。

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指定成分制度をイメージした対策


検討会のテーマは、機能性表示食品の安全性確保の強化。これまでの議論を振り返ると、「指定成分制度」に歩調を合わせる形で、制度を見直す方向性が示されている。


指定成分制度は食品衛生法に基づき、厚生労働省が2020年から施行。健康被害が生じやすく、製造・品質管理で特段の注意が必要な成分を国が指定している。現在、「コレウス・フォルスコリー」「プエラリア・ミリフィカ」「ブラックコホシュ」「ドオウレン」の4つがある。


指定成分を含む製品に起因した健康被害事例を把握した場合、事業者は都道府県などに届け出ることが義務づけられている。対象となる健康被害情報は、症状の重篤度にかかわらず、因果関係が不明なものも含む。届出は情報を入手した日から約30日以内、死亡を含む重篤なケースは15日以内としている。


これに加え、製造・品質管理ではGMPによる管理が義務づけられている。事業者は厚労省の告示で定めた「指定成分等含有食品の製造又は加工の基準」などに従って、GMPによる管理を行わなければならない。



健康被害情報の報告を義務化


検討会は4月19日に初会合を開き、これまでに4回の会合を持った。機能性表示食品の安全性確保を強化するための方策を模索している。


小林製薬の紅麹原料をめぐる問題は今のところ、健康被害発生の原因も因果関係も明確にされていない。同社では健康被害情報を把握してから行政へ報告するまでに約2カ月もかかったことが問題視され、製造・管理工程で何らかの問題が発生した可能性が指摘されている。検討会では、健康被害情報の収集・報告の在り方、製造・品質管理の在り方を優先して議論してきた。


これまでの検討状況を見ると、健康被害情報の報告を事業者に義務づける方向で議論が進められている。


対象とする製品はすべての機能性表示食品で、サプリメントに限らず、生鮮食品や一般的な加工食品も含む。報告義務を課す事例は、基本的に医師の診断を受けたものとする考え方が示されている。重篤度にかかわらず、軽症の事例も含め、幅広く対象とする方向にある。


検討会の構成員からは、事業者が国へ報告する情報は幅広くカバーするものの、国から一般消費者へ提供する情報は慎重に吟味すべきという注文が付いた。この点についても、今後議論する予定だ。


国へ報告する期限は、指定成分制度の「重篤症例は概ね15日以内、重篤以外の症例は概ね30日以内」を参考にするとみられる。



サプリメント限定でGMPを義務化


機能性表示食品の製造・品質管理の強化策については、GMPによる管理を義務化する方向にある。食品衛生法で義務づけているHACCPによる衛生管理と、GMPによる製造・品質管理を組み合わせて、安全性確保を強化する。


議論の結果、サプリメント形状の製品を対象に、GMPによる製造・品質管理を機能性表示食品の要件に追加する考え方が示された。


GMPの要件化については、通知「GMPガイドライン」を踏まえて行うという。同ガイドラインは今年3月、厚労省が指定成分制度のGMPと整合性を持たせる形で改正し、食品衛生業務の移管に伴って4月1日から消費者庁が所管している。


つまり、機能性表示食品に義務づけるGMPの内容も、指定成分制度と歩調を合わせることになる。基本的には、事業者が国のガイドラインに沿ってGMPによる管理を行う。現在、民間の2団体が健康食品業界向けにGMP認証を実施しているが、これを活用するかどうかは事業者の任意となる。


中川座長からは、GMPが適切に運用されているかどうかの点検について、「最終的には行政がチェックする可能性がある」というコメントも聞かれた。



内閣府令の改正で対応


機能性表示食品制度は、健康被害の収集・報告体制や製造・品質管理などの取り組みについて届出ガイドラインで詳細を定めている。しかし、届出ガイドラインは法的拘束力を持たないことから、多くの部分が事業者の判断に委ねられてきた。


このため、今回の制度見直しでは、内閣府令に要件を盛り込むことにより“法令化”する考えだ。消費者団体や法曹界からは、事業者任せとなる届出制に対する批判が出ているが、法令化によってそうした声に応えることになりそうだ。



新規原料や食経験のルール化を求める声も



このほか、関係者ヒアリングや構成員間の意見交換で、小林製薬の紅麹原料のように医薬品成分を含む原料や新規原料(新たに開発された原材料)への対応策を求める声が聞かれた。

取材で小林製薬は、紅麹原料について「複数種類の紅麹原料を製造・販売していた。それぞれ形態や規格などが異なり、用途に合わせてお選びいただいていた」(広報・IR部)と説明。医薬品成分のモナコリンKの配合割合が異なる原料など合計7種類を扱っていたという。


検討会では、製造方法などが異なる新規原料の安全性確保を事業者に委ねるだけでは不十分という指摘も。製造工程では原料の受け入れ段階の対応が重要となり、受け入れ試験を正確に行う必要があるという提言もあった。

また、機能性表示食品の場合、食経験による安全性確認が認められていることから、国が食経験の判断基準を指針で明確化するよう求める意見も寄せられた。


そうした提言・意見に対して、どう対応するのかも注目されそうだ。

(木村 祐作)







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