2023.07.25 調査・統計
21年度物流市場規模、15.7%増の23兆1860億円…物流費の高騰で
(株)矢野経済研究所が24日発表した『物流17業種市場に関する調査』の結果によると、2022年度の物流17業種総市場規模は、国際物流の運賃高止まりが上期まで継続し、前年度比6.1%増の24.6兆円となる見込みを示した。

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市場拡大は物流費の高騰が要因
調査は4月~6月。海運、3PL、宅配便(国内)、特別積み合わせ貨物運送、普通倉庫、フォワーディング、一般港湾運送、冷蔵倉庫、引越、航空貨物輸送、鉄道利用貨物運送、軽貨物輸送、国際宅配便、鉄道貨物輸送、バイク便輸送、納品代行、その他の各事業を対象とした。それによると、21年度の総市場規模(17業種各市場の積み上げ)は、前年度比115.7%の23兆1860億円と推計した。コロナ禍の影響から、多くの産業で事業活動が再開されて荷動きが回復し、各物流業種の取扱物量も併せて増加。しかし、市場規模の大幅拡大(2019年度比112.9%)は、物量の拡大といった要因ではなく、運賃などの物流費の高騰によるものだ。
20年度に発生した海上輸送と航空輸送の需給ひっ迫による運賃高騰が21年度も継続したことで、海運や航空貨物輸送、フォワーディングなどの国際物流に関連する物流業種で大幅に市場規模が拡大したことから、物流17業種総市場を押し上げる結果となった。
海外運賃がかつてないほど高騰
コロナ禍で市場環境が大きく変化し、物流業界の変化のスピードは加速している。「国際物流」は中心を担っている海運に注目。21年度には、自動車産業の持ち直しをはじめ経済活動の再開に伴い、輸送需要が増加したが、供給体制は限られていたため、海上運賃がかつてないほどに高騰する結果となった。こうした状況は22年度上期頃まで続いたが、23年度中には正常化し、需給ひっ迫状態が解消される見込み。国際物流がますます興隆を見せる中で、貨物輸送量の99%以上(財務省・国土交通省資料)を担う外航海運の力は欠かせない。21年度の市場規模拡大は運賃上昇による要因が大きかったが、需給ひっ迫状態が解消されたいま、いかに国内外の輸送需要を取り込み、海上輸送量を増やしていくかがポイントとなっている。
22年度は6.1%増の24兆6005億円の見込み
「国内物流」は大型トラックによる輸送量が大半を占める長距離輸送に注目。長距離輸送は、労働人口が減少していく中、働き手の確保が特に難しい分野となっている。「深夜の時間帯に、1人のドライバーが、1台の大型トラックで、長時間かけて荷物を運ぶ」という従来のビジネスモデルが、近い将来には成り立たなくなることが懸念される。そこで、トラック輸送方法の効率化や無人化などトラックによる長距離輸送を見直す検討が始まると同時に、トラック輸送から鉄道輸送や内航海運などへ輸送手段を変更する動きもみられる。これらの輸送方法や輸送手段の変更は荷主の協力が不可欠であり、今後の国内物流市場は、いかに物流事業者と荷主が協力して取り組むことができるかにかかっている。
22年度の総市場規模は、前年度比106.1%の24兆6005億円を見込む。 国際物流は半導体不足が解消し、自動車輸送が好調に推移するほか、上期までの海上・航空輸送の需給ひっ迫による運賃などの物流費高騰により、市場規模は拡大する見込みだ。
国内物流は、コロナ禍から徐々に回復する一方、食料品などの値上げによる消費活動低迷の影響もあり、取扱物量は横ばい程度で推移すると見込む。ただし、運賃などの物流費が上昇することで、市場規模としては拡大を見込んでいる。
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