4つのワーキンググループ設置、各事業分野を垂直連携でマネジメント

　参加企業（製造16社、販売10社、物流ほか9社）は、共通課題である不要家具の引き取り・再利用・再資源化などの資源循環や、森林の生態系保全、CO2排出削減など、環境負荷の少ないサプライチェーンの構築とサーキュラーエコノミーの実現をめざして連携。リソーシングによる「廃スプリングマットレス」のリサイクルネットワーク実証実験もスタートした。
　協議会は、サステナブルな社会の実現に向けて、4つのワーキンググループを順次立ち上げ、サプライチェーンの動脈産業（生産・物流・販売）から静脈産業（メンテナンス、廃棄、再生など）に至るまでの事業分野を垂直連携でマネジメントする。

協議会の前身は「家具経済同友会」

　「リソーシング」＝資源循環のループを繋ぐ体制と再資源化促進への研究開発／「長期愛用」＝家具の長期耐用性を向上する修理メンテナンスも含めた仕組みの構築／「ZEROカーボン」＝2050年実質ゼロカーボンへ向けた研究開発と取り組み推進／「再生デザイン」＝環境性能評価の研究による環境にやさしい家具開発の推進――。
　協議会は業界有志による「家具経済同友会」が前身。その中で、会員企業が提起した、家具販売時に顧客から引き取った不要家具の廃棄やリサイクル、それに伴う費用負担などの問題を業界全体の課題として取り組むため、内部組織として廃家具の再資源化と再利用を推進するための「リサイクル＆リニュー促進協議会」を発足させたのが協議会の始まりとなる。

持続可能な社会に対応できる家具インテリア業界に

　この活動をさらに推進、発展させ、不要家具のリサイクルだけでなく、製品の企画研究開発から材料の調達、製造、流通、使用、修理、リユース、不要家具の引き取り、適正な処理と再生という、一連のサーキュラーエコノミーを環境負荷の少ない方法で実現するには、同業事業者とステークホルダーが連携し、新たな組織と事業構築が必要と認識するに至ったという。
　協議会は、このサーキュラーエコノミーのループを基軸に、資源循環と森林生態系保全、温室効果ガスの削減に注力することで、持続可能な社会に求められる家具インテリア業界となることを目標としている。

「廃スプリングマットレス」のリサイクルネットワーク実証実験を実施

　不要家具の引き取りと再利用化促進の取り組みとして、廃棄物の中でも処理困難物に指定されている「廃スプリングマットレス」のリサイクルネットワーク実証実験を8月31日まで、関東地区で進めている。
　廃スプリングマットレスをリサイクルするための効率的な回収、鉄資源などの資源循環の促進を足掛かりに、リソーシング系の共通基盤構築をめざす。業界の共同事業による不要家具の回収と中間処理、最終処分のネットワーク構築による資源循環性の向上、事業の合理化、顧客ニーズへの最適化などの効果に期待を寄せている。
　また、不要家具の回収・処理に関する情報のデジタルプラットフォーム試作版を運用し、課題に対する業界DXを促進し、不要家具の回収・運搬事業の共同利用により、物流業界の2024年問題へ家具インテリア業界としての対応力の強化を図っていきたい考えだ。

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