2023.02.28 行政情報
景表法改正案を閣議決定、「確約手続き」「直罰規定」などを導入
政府は28日、消費者の適切な商品選択を妨げる不当表示に対応するため、「確約手続き」「直罰規定」などを盛り込んだ景品表示法の改正案を閣議決定した。今国会での成立を目指す。公布後、1年半以内に施行する。

「確約手続き」を導入、事案の概要など公表へ
法改正により、事業者が自主的に不当表示を是正する「確約手続き」を導入する。現行制度は、悪質な行為であっても軽微なミスによる不当表示であっても、措置命令(再発防止策の構築など)と課徴金納付命令しか選択肢がない。確約手続きを導入し、より柔軟な対応を目指す。
確約手続きは、悪質性がなく、事業者の自主的な取り組みに任せても問題がないと認められる場合に適用する。措置命令や課徴金納付命令の調査に費やす時間・労力をほかの事案に回すことで、より多くの不当表示に対応するという狙いがある。
確約手続きの対象となった事案については、運用の透明性を確保する観点から、企業名や事案の概要などを公表する。詳細は法案成立後に策定する「運用指針」で示す。
10年以内に不当表示を繰り返した場合は1.5倍の課徴金額に
不当表示を繰り返す事業者には、課徴金制度を強化して対応する。課徴金額の算定率は不当表示による売上額の3%だが、10年以内に繰り返して違反した事業者については1.5倍の4.5%を適用する。消費者庁によると、繰り返し事案はこれまでに10件を数えるという。
消費者庁が行う課徴金の調査では、帳簿の記録が抜け落ちているケースもあり、調査が長期化する原因となっている。そうした場合に対応するため、把握できない期間の売上高を「推計」できる規定も設けた。
意図的に不当表示を行う悪質な事業者には、直罰規定を導入して対応する。100万円以下の罰金を科す。直罰の適用は「公益を確保する行政処分では済まないケース」(表示対策課)を想定している。
表示の根拠資料の開示、適格消費者団体の要請に応じる努力義務を規定
不当表示の差し止め請求を行う適格消費者団体が事業者に対し、表示の根拠を示す資料の開示を請求できる規定も設けた。
適格消費者団体は不当表示を止めさせるために、事業者に是正を申し入れたり、裁判を起こしたりできる。しかし、製品の効果をうたう表示については、不当であると立証することが困難となっている。この状況を改善するために改正案では、事業者に適格消費者団体からの開示要請に応じる努力義務を課す。
また、課徴金制度に基づく返金措置の活用促進を目的に、返金手段の選択肢を広げる。返金措置は、事業者が購入者へ返金した額を課徴金額から差し引くという仕組み。現在、金銭による返金しか認められていないが、汎用性のある電子マネー・商品券・ギフトカードなどを加える。
(木村 祐作)
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