SS席のチケットでも1階スタンド席に

　措置命令を受けたのは、オン・ザ・ラインのほか、チケット販売の（株）ボードウォーク、出演したアーティストをマネジメントするマーヴェリック・ディー・シー（株）。

　3社は共同で、昨年5月21日・22日にコンサート「L‘Arc～en～Ciel 30th L’Anniversary LIVE」を東京ドームで開催。オフィシャルウェブサイトやウェブサイト「ticket board」で、チケットを販売した。

　「W会員シート」「SS席」（2万2000円）、「S席」（1万6500万円）、「A席」（1万1000円）を用意し、SS席＝1階アリーナ席、S席＝1階スタンド席、A席＝バルコニー席または2階スタンド席と表示していた。

　しかし、実際には、SS席のチケットを購入しても1階スタンド席となったり、S席を購入しても1階バルコニー席や2階スタンド席となったりするケースがあった。このため、消費者庁にはチケット購入者から苦情が多数寄せられた。

キャパを超えるSS席のチケットを販売

　消費者庁の調べによると、「SS席を多く売りすぎた。（本来は）約3300席だったが、実際には約7200席を販売した」（表示対策課）という。

　また、サイトには「座席図はイメージとなります。ステージや座席レイアウトは予告なく変更になる場合がございますので、あらかじめ了承ください」と表示していたが、打ち消し表示とは認められなかった。「SS席のチケットを購入して、まさか1階スタンド席になるとは想定できない。仮に打ち消し表示が見やすかったとしても、打ち消しにならない」（同）と説明している。

　消費者庁では、表示内容が景表法で禁止する優良誤認表示に当たると判断。3社に対し、一般消費者への周知や再発防止策の構築を命じた。

　取材でマーヴェリック・ディー・シーの関係者は、「措置命令を真摯に受け止めている。チケット購入者にはご迷惑をおかけし、陳謝する。再発防止に取り組む」と話している。