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2022.12.04 コラム

メタバースをECに活用するメリット・デメリット、実際の事例も紹介

 注目を集めるメタバースですが、近年ECへ活用する企業が増えています。一方でメタバースが何なのか、ECにどう活用できるのか知らない方も多いはずです。今回は、メタバースをECに活用するメリット・デメリットと、実際の事例もあわせてご紹介します。
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メタバースとECの関係性

 近年注目されているメタバースは仮想通貨やNFT(非代替性トークン)など専門的な領域と思われがちですが、実はECにも活用され始めています。そこで、まずメタバースの概要と、ECとの関係性について解説していきます。
参考:【2022年最新版】マーケティングにNFTを活用し爆発的成長を【事例多数】

そもそもメタバースとは?

 Meta(超越した)とUniverse(宇宙)を組み合わせた造語がMetaverse(メタバース)です。まだ登場して間もない言葉のため、明確な定義は存在せず人によっても異なりますが、共通点としては以下のような特徴があるといわれています。
  • リアルタイムの体験ができ、現実世界と途切れることなく永続的である
  • アバターを通じてユーザー同士が交流する
  • 仮想空間内では社会的、経済的、文化的活動ができる
  • 参加人数に制限がない
 このように、前提としてユーザー同士の交流があるため、ゲームの分野で活用されることが多いです。簡単にまとめると「アバターを通じて不特定多数のユーザーが交流をしながら築き上げる仮想空間」になります。

 メタバースをECに活用したものに、バーチャルストアとメタバースECがあります。それぞれ微妙に定義が異なるため、以下より詳しく解説します。

バーチャルストアとは?

 VR技術を活用したECのうち、バーチャルストアは店舗空間を3DCGで構築し、オンライン上で来店できる状態にしたものを指します。店員はアバターを通じて訪れたユーザーをリアルタイムで接客でき、まるで現実空間の店舗に来店したかのような体験を提供してくれます。

 また、3DCGが作り出す空間によってブランドの世界観を存分に表現できる点もメリットです。そのため近年では大手ブランドやラグジュアリーブランドもバーチャルストアを開設しています。

 とくに、普段からVR技術を活用したゲームなどに慣れ親しんでいる若者たちにとって、バーチャルストアは抵抗なく利用できる店舗といえます。今後は通常のECと同様に、バーチャルストアがネットショッピングの選択肢のひとつになると予測されるでしょう。

メタバースECとは?

 もうひとつのメタバースECについては、3DCGで構築したオンラインショップをメタバースサービス上で出店することと定義されています。既存のメタバースサービスを利用するため、既にある程度のユーザーが日頃から滞在しており、来店されやすいといった点がメリットです。

 また、前述の通りメタバースはユーザー同士が交流できるよう設計されているため、既存のサービスを利用することでECを開設する際のコスト削減も期待できるでしょう。

メタバースECを出店するメリット

 ここではメタバースECを出店することによって得られる以下のメリットについて解説していきます。
  • 新規ユーザーを獲得できる
  • VR技術による世界観を演出できる
 詳しく見ていきましょう。

◎新規ユーザーを獲得できる

 前述の通り、メタバースECは既存のメタバースサービス上に店舗を開設する方法です。既にユーザー獲得済みのメタバース上に出店することは、新規ユーザー獲得につながる大きなメリットであるといえます。

 また、これまで実店舗や通常のECを訪れたことのないユーザー層にもアプローチできます。いわゆるZ世代と呼ばれる若い世代にとって、メタバースECを出店していることはブランドイメージの向上にもつながるでしょう。そのため、より多くの新規ユーザー獲得が可能になるのです。

◎VR技術による世界観を演出できる

 VR技術により、ブランドや企業の世界観を存分に表現できる点もメリットです。通常のECは2Dによって構成されているため、ページ上での表現に限界がありました。

 一方メタバースECでは3DCGで構築した空間が利用できるため、表現の幅に制限がありません。むしろ空間の使い方が自由な点では、実店舗よりも世界観を表現しやすいといえます。

 また、これらを現実空間で実現しようとすると多大なコストがかかります。メタバースではコストを抑えつつ世界観を演出できるため、実現したいイメージがある場合には活用するメリットは大きいといえるでしょう。


メタバースECを出店するデメリット

 一方でメタバースECを出店するデメリットもいくつかご紹介します。
  • ITに関する専門的な知識が必要
  • ユーザーが求める商品を見つけにくい
 詳しく見ていきましょう。

▲ITに関する専門的な知識が必要

 メタバースの操作や機能については、ある程度のITリテラシーが必要です。とくにメタバースECは高度なVR技術を活用しているため、社内に知見のある人材が揃っていないと出店にかかわる開発を全て内製化するのは難しい場合があります。仮に社内に専門的な知識のある人材がいない場合は、新たに人材を採用するか、外部に委託するかなどの対応を検討しましょう。

 また、出店時だけでなく、メンテナンスができる人材についても確保しておいてください。

▲ユーザーが求める商品を見つけにくい

 メタバースECは登場して間もない技術のため、実際に購買する際は通常のECの方が便利な場面も多いです。実際、ユーザーは通常のECに慣れているため、メタバースECでは求める商品を見つけにくい場合もあります。

 メタバースECは通常のECとは視点を変えて考えてみるのがおすすめです。前述の通りブランドの世界観を存分に表現できる点や、新規ユーザーを獲得できる点はメタバースECにしか担えません。そのため、現状ではメタバースECはあくまでショールームの機能を果たすものであり、通常のECとは役割が異なるといった認識をもっておくと良いでしょう。

メタバースECの事例を紹介

 メタバースECのメリット・デメリットを見てきましたが、最後に事例として仮想伊勢丹新宿店をご紹介します。この機会に実際のメタバースECをみていきましょう。三越伊勢丹やアダストリアなどの先行事例がでてきています。

▽仮想伊勢丹新宿店

 三越伊勢丹では、仮想伊勢丹新宿店としてメタバースサービス「REV WORLDS(レヴ ワールズ)」にメタバースECを出店しています。REV WORLDS自体も三越伊勢丹が運営する仮想空間アプリですが、実際の店舗の周辺も見事に再現されており、ユーザーはリアルに街を回遊するようにショッピングを楽しめます。ここでは実際の店舗にいるスタイリストをCG化し、訪れたユーザーに挨拶するような場面もあります。デパートがそのままメタバース上に再現されており、ファッションやギフトなど実際の店舗でも販売されている商品を扱っています。また、商品はアプリ上からオンラインストアへの誘導によって購入することが可能です。

 また、REV WORLDSにはチャット機能が備わっているため、例えばユーザー同士が仮想空間上で待ち合わせしてショッピングを楽しむといった使い方もできます。今後もこういったメタバースECがより活用される場が増えていくと予測されるでしょう。
バーチャル百貨店でアバターが買い物、三越伊勢丹がVR活用のアプリ提供
バーチャル百貨店でアバターがお買い物――。(株)三越伊勢丹ホールディングスはこのほど、VRを活用したスマートフォン向けアプリ『REV WORLDS(レヴ ワールズ)』の提供を開始した。新時代の百貨店を見据え、オンラインでもオフラインでも「最高の顧客体験」と、グループの強みにデジタルを加えた「新しい顧客体験」の提供をめざし....

▽.st(ドットエスティ)

(株)アダストリア自社EC「 .st(ドットエスティ)」が、メタバースでのファッションや買い物を楽しむ機会づくりのため、VRChat内で人気のバーチャルショッピングモール『Carat(カラット)』へ限定出店しました。
ドットエスティ、メタバースショッピングモール『カラット』に出店

▽モリリン

繊維専門商社のモリリン(株)はクリエイタープロジェクト「#AAAA(#フォーエー)アーティスト・クリエイターズ」との協業でECメタバース「メタストア」で『3D ECストア』をオープン。アパレル3D CADについて学ぶ織田ファッション専門学校との産学連携プロジェクトで、メタバース上での展示会開催のサポートも手掛けている。
モリリン、3D ECストア開設…メタバース空間で洋服などの3Dデータを販売

▽参考:ふくや・万田発酵・STVなど

 3DCG上の仮想空間とは違いますが、バーチャル店舗をオンライン上に設置し、リアル店舗同様に<商品を見て><説明を聞き><購入>ができる「体験型オンライン店舗サービス」(提供:ギグワークスアドバリュー株式会社)という取り組みもあります。ふくやや万田発酵といった有力通販会社4社がトライしCVR30%という成果も出しています。こちらも参考事例として参照ください。
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CVR30%も、ふくや・万田発酵もトライした「メタバースの次世代EC」とは
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メタバースEC進出支援も

3DCG上のメタバースEC進出を支援するサービスはすでに登場しています。GMO NIKKO(株)は、メタバース関連ビジネスをサポートする「GMO メタバース ラボ」で、店舗・施設運営事業やEC事業を展開する企業・サービスの、メタバース空間でのバーチャル店舗出店・運営を支援するサービス『GMO メタバース for Shop』を提供しています。
メタバースECをワンストップで支援する「GMO メタバース for Shop」が誕生
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まとめ

 今回はメタバースの概要、ECとの関係性、メタバースECのメリット・デメリットなどを紹介しました。ポイントは以下の通りです。

◯メタバースとECの関係性
メタバースをECに活用したものに、バーチャルストアとメタバースECがあります。

・バーチャルストア
バーチャルストアは店舗空間を3DCGで構築し、オンライン上で来店できる状態にしたものを指します。

・メタバースEC
3DCGで構築したオンラインショップをメタバースサービス上で出店することと定義されています。

◯メタバースECのメリット
・新規ユーザーを獲得できる      
・VR技術による世界観を演出できる      
・出店費用を抑えられる

◯メタバースECのデメリット
・ITに関する専門的な知識が必要
・ユーザーが求める商品を見つけにくい
     
 最後に仮想伊勢丹新宿店の事例もご紹介しました。アプリをダウンロードして、一度仮想空間上の店舗を見てみてください。

 メタバースECは今後より活用の場面が増えることが予測されます。登場して間もないタイミングで出店することで、注目を集めたりイメージの向上につながったりといった効果も期待できるでしょう。この機会に、メタバースECの出店についてぜひ検討してみてください。
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