GfK Japanは18日、全国の有力家電・IT取扱店の販売実績データなどを基に、2022年上半期(1~6月)の家電およびIT市場の販売動向を発表した。家電小売市場規模は、前年同期比で3.9%の減少。巣ごもり需要やテレワーク需要に支えられた前年同期に及ばなかったが、15年以降で最大の金額を記録した前年に次ぐ2番目の規模となった。
気温の上昇でエアコンの早期点検・買い替えの動きが拡大
製品分類別では、前年から落ち込む分類が多い中、冷蔵庫や洗濯機、エアコンを主とする大型生活家電が前年を約8%上回った。中でもエアコンの伸びが大きく寄与した。気温の上昇に伴い、早期点検・買い替えの動きも後押しとなった。
コロナ禍で大きく販売を落としたカメラ関連製品は、観光やイベント再開に伴って回復傾向にあり、前年の規模を上回った。一方、前年上半期に調理家電や空気清浄機など巣ごもり需要の恩恵を受けていた小型生活家電や、テレワーク需要が追い風となっていたIT関連製品は前年を下回った。ここ数年テレビの買い替え需要が成長要因となっていたAV関連機器は、東京五輪閉幕以降需要が減速し、前年比で2桁減となった。
オンライン販売における家電小売市場規模についても前年同期比で2.8%の減少。前年が対前年2桁増と高い伸びとなった影響が大きいが、行動制限が緩和されたことによりネット通販への依存度が下がっていることも想定される。この結果、上半期の家電小売市場規模におけるオンライン販売の構成比は前年同期から微増の20%にとどまった。
22年通期の家電小売市場は2%マイナスと予想
22年下半期の家電小売市場は前年同期に近い水準を維持し、通年では2%程度のマイナスとなると見込んだ。21年下半期はすでにコロナ禍による特需も一巡し、コロナ禍前の17年~19年の規模をやや下回っていたため、この規模を維持できる可能性は高いと見ている。
好調だった大型生活家電市場で、「冷蔵庫」は前年並みの230万台。容量別の構成比に大きな変化はないが、コロナ禍で需要が高まった冷凍食品保管ニーズはやや落ち着きをみせた。「洗濯機」も前年並みの280万台で、大容量(8kg以上)が50%を占めた。大容量のうち12kg以上の製品は大きく伸び、数量構成比は前年の5%から12%に拡大した。
全国的に平均気温が高かったこともあり、 販売数量が押し上げられた「エアコン」は前年比10%増の490万台。特に6月の販売数量は前年から22%拡大した。小部屋向けの2.2kWが47%を占めた。多くの冷房能力帯で平均価格が前年を上回り、前年から4%上昇した。
AV市場は苦戦、「薄型テレビ」販売台数は11%減
一方AV市場は、「BDレコーダー」の販売台数が前年比28%減の65万台で、厳しい市況が続いた。製品動向では、4K画質に対応したソフトの再生が可能な4K Ultra HD再生対応モデルが数量構成比30%、録画にも対応する4Kチューナー内蔵モデルが同28%となった。
「薄型テレビ」の販売台数は前年比11%減の260万台となった。ここ数年好調に推移していた市場だが、昨年後半からは前年割れが続いている。60インチ以上の大型テレビや有機ELディスプレイ搭載テレビなどの高価格製品は、上半期もプラス成長を維持。ネットに接続できるテレビの数量構成比が伸長し、Wi-Fi搭載テレビは前年から6pt増加73%となった。
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