日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループ「デロイト トーマツ グループ」の戦略コンサルティング部門である「モニター デロイト」は25日、レポート『非接触経済の台頭~コンタクトレス・エコノミーがもたらすCOVID-19危機後の世界』を公開した。EC市場を含む「非接触経済」の成長は日本も著しいが、この先の伸びを懸念する内容にも触れている。
新型コロナで「非接触経済(コンタクトレス・エコノミー)」市場が誕生
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、その感染予防対策に起因して全世界に経済危機を生じさせたと同時に、新たに「非接触経済(コンタクトレス・エコノミー)」という新たな「市場」を生み出した。レポートではアジア太平洋(APAC)地域での非接触経済の市場は2025年までに、少なくともこれまでの2倍超の3兆米ドルに達すると予測している。
一方で、非接触経済に関する日本のポジションは、今後のEC市場の伸びから推測するとAPAC各国の劣位に回るとした。日本は24年に向けてEC市場が年平均成長率8%と、順調な成長を遂げていくことが予想されるが、これはAPAC 6か国の中では最も低い水準であり、非接触経済の拡大による成長機会を十分に取り込めない懸念を示唆している。
ネットビジネスの成長で日本がアジア各国に後れも
インターネットおよび関連ビジネス・サービスの普及・浸透で、日本は後れをとっていると言われているが、24年予測では中国、韓国、インド、インドネシア、オーストラリアなど各国は軒並み2桁成長で急拡大。市場規模でも「中国・日本・韓国」の順が「中国・韓国・日本」と、順位を一つ落とすと予想。今後の国をあげたデジタル化への取り組み加速による巻き返しが期待されるとしている。
レポートによると、非接触経済は「在宅消費」と「非接触型の家庭外消費」に分けられる。COVID-19で生まれた潮流は、これまで家庭外にあった消費者のタッチポイントが家庭内に移行する「在宅消費」の増加と、家庭外の消費者のタッチポイントはそのままに、技術やサービスの革新により生み出された「非接触型の家庭外消費」の台頭により表される。
3兆ドルはミニマムの予測、APAC家計消費のうち約6割に影響も
推計した3兆ドルという市場規模は、すでに影響が顕在化している「在宅消費」を基に推計しており、このため、予測はミニマムラインのシナリオとなるという。COVID-19禍で需要の兆しが見えてきたばかりの「家庭外」需要も含めると、非接触経済全体の市場規模はさらに拡大することが予測され、APACの家計消費支出のうちの約6割、11兆ドルが影響を受けるようになるとみられる。
APACでの非接触経済の市場規模は、「在宅消費」だけで少なくとも3兆米ドル規模の産業となり、市場としては消費財、レジャー・レクリエーション、教育が最大となり、金融サービス、健康、および消費財が最も成長するとみられている。

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