ヤフー(株)が2日発表した2020年3月期第1四半期(4~6月)決算は、売上収益が前年同期比2.9%増の2386億3400万円、営業利益が同24%減の361億6400万円、四半期利益は同16.2%減の273億7900万円と、引き続き増収減益となった。
決算資料表紙
売上増もコマース事業ポイント還元などにより減益に
売上増は、主に広告売上収益やアスクルグループ、(株)一休の売上収益が増加したことにるもの。アスクルの売上は21億円増、広告売上収益は18億円増だった。
営業利益は、減価償却費(IFRS第16号適用/ソフトウェアやサーバーの増加)、販売促進費(Yahoo!JAPANアプリプロモーション費用/コマース事業ポイント還元/クレジットカード会員獲得ポイント還元)、人件費の増加(新卒採用約450人)などにより減益となっている。また特殊要因として、(株)IDCフロンティアの売却益79億円があった。
四半期利益は、PayPay(株)の持分変動利益108億円があったものの、営業利益が減少したこと、前期よりサービスを開始した「PayPay」への積極的な投資による57億円の持分法投資損失があり、前年同期比で減少している。
コマース事業は増収増益、トラベル・飲食予約は大幅増
「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」、アスクルのコマース関連サービス、「Yahoo!プレミアム」などの会員向けサービス、クレジットカードなどの決済金融関連サービスを主な事業とする、コマース事業の売上収益は、同4.6%増の1658億円、営業利益は同9.5%増の168億円を計上。全売上収益に占める割合は69.5%となった。
eコマース取扱高は同8.8%増の5840億円を計上。物販取扱高は同5.4%の4756億円に達した。このうちショッピング事業は同16.5%増の2040億円を計上。「Yahoo!ショッピング」で、広告売上収益が増加したことなどにより、前年同期比で約20%増加した。一方、「LOHACO」は6%のマイナス成長となっている。「ヤフオク!」取扱高は同0.7%増の2004億円。
(決算資料より抜粋)
物販以外の取扱高はO2Oのトラベルが30%増、飲食予約や20%増となったことにより、27%増の1084億円を計上した。クレジットカード取扱高は「PayPay」との連携、販促活動が増加し、同48.8%増の4235億円となった。
今秋「PayPayモール」をオープン
「PayPay」の累計登録者数は順調に増加し、8月に950万人を突破。月間決済回数1500万回超となった。さらに今秋、新サービスとして「PayPayモール」を開設する予定。「PayPayモール」はPayPayユーザーがスマホ決済で商品を購入できるECモール。同社が定める出店基準を満たしたストアのみ出店を認め、「Yahoo!ショッピング」との連携も行う。「Yahoo!ショッピング」と「PayPay」のすみ分けについて同社は、「(グループサービスの)『一休』と『Yahoo!トラベル』の関係に似ている。ヤフーのなかではすみ分けができている。一般ユーザーにはわかりやすい形でサービスを提供したい」とコメントしている。
また、決算説明会の冒頭には、ヤフーの常務執行役員CFOの坂上亮介氏が、アスクルの新体制発足について、「新しい取締役による新アスクルの業績の早期回復と企業価値向上に最大限協力していきたいと考えている。また、ヤフーとしては速やかに、アスクルが臨時株主総会などを通じて、一般株主の利益を確保するために十分な人数の新たな独立社外取締役が選任されるよう、最大限協力する」とコメントした。
(決算資料より抜粋)
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