栄養機能食品「ブラックサプリＥＸ」で違反表示、打ち消し表示も無効

　違反表示を認定されたのは、ＥＣホールディングスが販売する「ビオチン」を含む栄養機能食品「ブラックサプリＥＸ」。同商品は、黒ゴマや昆布などを成分として含有するヘアケアサプリメントとして販売していた。同社はＬＰ上で、イラストで白髪が目立つ女性と黒髪の女性を並べたビフォーアフター画像を表示したり、「１日３粒飲むだけで私も変われた秘密のサプリ！」などと表示していた。

　消費者庁は、期間内に合理的根拠を示す資料の提出がなければ違反を認定できる不実証広告規制に基づき、同社に表示の根拠となる資料の提出を求めた。ただ、資料の提出はなく、優良誤認表示と認定し、景表法違反による措置命令を出した。違反認定を受けた表示がをしていた期間は１８年１０月１日から、１９年２月７日まで。違反認定を受けた表示の媒体はＬＰを主とするＷＥＢ上での表示。

　ＬＰ上には、「美容治療の現役医師による監修」による商品である旨や、イラストで「私も現役の医師が監修するのがとっても気に入って始めたの！」「美容医療にもサプリメントにも特化した先生が監修なんて本当に心強い！」などとも記載していた。消費者庁では今回こうした表示についても違反認定に含んでいる。ちなみに商品自体が現役医師の監修であったことについては「事実だったようだ」（大元課長）とした。

会見する表示対策課の大元課長

　課徴金調査中のため「ブラックサプリＥＸ」の売上額などは「非公表」（消費者庁　表示対策課・大元慎二課長）としている。ただ、違反認定を受けた表示のＬＰ上には「（１２年６月の発売から１９年１月までに）累計販売個数７０万個」との記載があるが、「この実績値は概ね事実だと思われる」（大元課長）とコメントした。

　なお、ＥＣホールディングスのＬＰには「※使用感には個人差があります」などとする打ち消し表示も記載していたが、消費者庁は「表示から受ける商品の効果に関する認識を打ち消すものではない」と無効な打ち消し表示であると判断した。

　また、該当商品に含まれるビオチンは栄養機能食品の対象成分で、同商品には「栄養機能食品」と表示されていた。ＬＰにもビオチンの機能性である「皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です」という表示ができるが、栄養機能食品としての機能性は表示されていなかった。

 ＥＣホールディングスは日刊紙２紙に社告掲載

　消費者庁の命令内容は「再発防止策を講じ、役員・従業員に周知徹底すること」「今後、根拠なく同様の表示を行わないこと」旨の２つ。通例では、「根拠なく表示していたことを一般消費者に周知すること」も命令内容に含まれる。ＥＣホールディングスは１９年４月２４日付発行の日刊紙２紙に社告を掲載しているため命令内容に含まれていない。

　消費者庁によると、ヘアケアサプリが景表法で措置命令を受けるのは「３月の（株）アルトルイズムの措置命令に続き、今回がおそらく２例目」としている。

▪️株式会社ＥＣホールディングスに対する景品表示法に基づく措置命令について

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