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2012.03.08 コラム

★成功ネットショップ:『革小物専門店Cカンパニー』(3)

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本店と楽天を使い分け、ブランディングを強化

 2007年、革小物販売『Cカンパニー』の店主・佐藤明美さんは、楽天市場に再出店してみて、改めて、本店(独自ドメイン)との違いを実感した。

「楽天市場は、広告費をかければ必ず結果がついてきます。これはつまり、お客さまに呼び込みをかける“攻め”の姿勢がなければ売り上げは見込めないということです。一方、本店の方は、お客さまがキーワードを検索して来店するのを“待つ”ことが多いです。SEO対策を万全にしたら、あとは、広告費のかけどころはあまりないんですよね」

 そこで佐藤さんは、両者それぞれの特性を生かした販促を考えていった。すなわち、楽天市場では広告に力を入れて新規顧客を開拓し、本店では、新商品を発売する、イベントを開催するなどのタイミングでメルマガを発行し、リピーター客へのサービスに努めたのだ。

 

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楽天市場は、広告をフルに活用して集客アップ

 楽天市場では、ECコンサルタントと相談しながら、粗利の10%を広告費に充てることに決め、随時、最低ひとつの広告は露出するように、年間計画を立てていった。

 特に反応が良かったのは、ゴールド会員やプラチナ会員向けにセグメントされた広告を出したときだった。1日だけで注文が100件以上入り、土日返上で、どうにか発送作業が間に合うほど売れたのだ。

「ゴールド会員やプラチナ会員のお客さまは、楽天市場でよく買い物をしていて、比較的お金に余裕のある人です。こうしたお客さまには、安さをウリにするよりも、質のよさや高級感、機能面などを前面に出してアピールする広告の方が効果があります。熟練の職人が作っているうちの商品は、質がよい、高級感を感じるなど、マッチする要素がたくさんあったのだと思います」

 ただし、お店に来店してもらうための“きっかけ作り”のために、あえて安さを訴求した広告を出すこともある。それが、2月、8月などのいわゆる閑散期に、「最大60%OFF」などと謳う広告だ。

「でも、面白いことに、60%OFFの商品が必ずしも売れるわけではないんです。はじめは60%OFFに惹かれて訪れてくれたお客さまも、他に気に入った商品があれば、それがたとえ定価でも購入してくださるケースが多い。これは本店もそうなのですが、うちのお客さまは、『安い』が、最終的な購入の決め手にはならないようです」

本店のブランディングが目下の課題

 一方、本店では、楽天市場には見られない売れ方の特徴がある。

「大口の注文が入るんです。例えば、ある会社がノベルティグッズとして手帳を100冊購入する、ある学校が、卒業のお祝いに卒業生全員にパスケースを人数分購入するなど、思わぬところに需要があるのを感じます。大口注文の場合は、一度購入して満足してくださると毎年購入していただけるので、リピーターに直結しやすいです。また、テレビドラマや映画の小道具として使いたいという問い合わせも、ほとんどが本店経由です。こちらは、お金は発生しませんが、宣伝になるので喜んで協力しています」

 おかげで、年間を通して見ると、本店の方が楽天市場よりも売り上げがある。しかし、課題はある。

「本店ですぐにでもやらなければいけないことは、『ブランディングの強化』。楽天市場で、自社のブランディングはあまり期待できないと思います。なぜなら、楽天市場で買い物をするお客さまは、『楽天で買った』と思っているだけで、個々のお店の名前までいちいち覚えていない人が多いからです。自社のブランディングは、本店でするべきことだと思います」

 

サイト、商品ラインアップとも見直し、本店のブランディング強化を目指す

 佐藤さんが、すぐにでも着手したいと思っているのは、まずは本店のサイトデザインの見直しだ。

「今は、楽天市場のサイトデザインをそのまま本店にも踏襲しています。でも、楽天市場のデザインは、トップページ上部の目立つ位置にバナーをいくつも貼るなど、どうしても、キャンペーン、大売出しのイメージが出てしまいます。そうではなく本店の方は、もっとグレードアップしたイメージを演出し、楽天と明確に棲み分けしていきたいと思っています」

 同時に、今後は、“顔が見える”サイト作りの強化もすすめいく。

「自社をブランディングするには、お店側が自信を持っておすすめしていることがお客さまに伝わるページ作りが不可欠です。そのためにも、例えば、実際に、職人が商品を完成させるまでの作業工程などを写真入りで詳しく伝えるページを設けるなど、店主や職人の顔が見える工夫をしていきたいですね」

 さらに、今まで以上に、高級ラインアップの商品を充実させ、高品質、高級感というイメージを定着させていきたいと考えている。

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「本店は、高品質、高級感を感じてもらえるようなサイトにしたい」と話すCカンパニー店主の佐藤明美氏



「Cカンパニーの高級ラインは『ファルコラ』というブランド。うちで扱う財布の平均価格帯が1万円なのに対し、ファルコラの長財布は1万8900円です。この『ファルコラ』のようにワンランク上の価格帯の商品ラインアップを充実させることで、『高品質な革小物ならCカンパニーで買いたい』というお客さまがひとりでも増えてくれたらいいなと思っています」

 2012年1月には、ファルコラ・ブランドから、バレンタイン向けのチョコレートに見立てた革小物セットで500個の限定販売品を予定している。高級ラインの財布から企画ものまで、ものづくりにこだわった商品展開によるブランディング強化をすすめている。

 また、昨今は、上海での展開も視野に入れているという佐藤さん。数年前、父親がポケットマネーをはたいて、中国在住の日本人と会社を設立。この1年間で、現地で商品を売る機会もあり、手応えを感じているそうだ。

「向こうは『ファルコラ』ブランドなど、高い商品から売れていきます。気に入るとひとりで2個も3個もまとめて購入されることが多いですね。2011年の春と夏、上海で展示会に出展しました。この展示会を機に、上海の某小売店での販売やちいさいながら小規模ですが出店の話も決まりました。父は、2011年、病気のために亡くなってしまいましたが、海外展開のために行動していた遺志を継いで、今後も積極的に活動していきたいと思っています」

 3回にわたって取り上げてきた『Cカンパニー』は、長年、製造卸売業として事業を展開後、ネットショップ運営に乗り出した。これからネットショップで直販をしたいと考える製造業の人たちにとって、お客さまの声を商品に活かす方法、パートや外注に委託する際の注意点、本店と楽天市場それぞれの特性を活かした運営など、同社の取り組みからさまざまなヒントを得られるはずだ。(完)

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「ファルコラ」のサイト。製品の「質」を前面に押し出せるのは製造直販の強みだが、販売にどう結び付けていくのかは、今後のブランディング戦略にかかっている

 

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ブランディング戦略の一環として、2012年1月に500個限定で発売する、ファルコラのバレンタイン向けの革小物セット(9975円)。革製の箱にメジャー、付箋メモ、キーホルダー、イヤホンケース、マグネットとこれまでの手帳、財布から品種を広げている



(出典:ASCII.jp - Web Professional

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― Cカンパニー

http://www.hot-c.com/
http://www.rakuten.co.jp/ccompanystore/
ECサイトを2000年(前身は1959年創業)にオープンしたシーカンパニーが運営する革小物専門店。独自ドメインの本店と楽天に出店している。2012年には上海に進出予定。
・運営会社:株式会社シーカンパニー
・オープン:2000年
・従業員数:11名(うちネット通販事業専業2〜3名)
・年商:非公開
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