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通販通信ECMOニュース・記事コラム【景品表示法】第三者認証があれば安全ではない?ECサイトでの性能表示に求められる合理的根拠の新基準

2026.02.13 コラム

【景品表示法】第三者認証があれば安全ではない?ECサイトでの性能表示に求められる合理的根拠の新基準

「有名な認証マークがあるから、このキャッチコピーは安全なはず……」そんな過信が今、重大な事業リスクを招いています。本記事では最新事例を基に、景品表示法の「表示の根拠」をめぐる新基準を徹底解説します。第三者認証さえあれば不当表示を防げると信じていた常識をアップデートし、行政処分やモール退店を回避する具体的対策を提示します。この記事を読めば、法規制を正しく理解した上で、顧客の信頼を裏切らない誠実な表示を構築できるはずです。自社の未来を守るための第一歩として、ぜひご一読ください。



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ガラスコーティング剤への措置命令事例から学ぶ、「景品表示法」の基本と表示の根拠をめぐる違反ポイント 

ECサイトでは、消費者が商品を直接手に取ることができないため、ウェブサイト上の「表示」が購入を決定づける唯一の判断材料となります。それゆえ、不当な表示を制限する「景品表示法」の遵守は、EC事業者にとって最優先のコンプライアンス事項です。

今回、業界に大きな衝撃を与えたのは、大手販売会社が提供していたスマホ用ガラスコーティング剤に対する措置命令です。この事例では、パッケージ等に記載された「キズからの保護」や「抗ウイルス・抗菌」といった性能表現の「根拠」が、合理的ではないと判断されました。

(出典:第三者認証は根拠か?景表法の境界 SB C&S措置命令に見る判断基準|ウェルネスデイリーニュース)


実務上極めて重要になるのが、景表法第7条第2項の「不実証広告規制」です。これは、消費者庁が優良誤認の疑いがある表示に対して根拠資料を求めた際、15日以内に合理的な資料を提出できなければ、その表示は即座に不当表示とみなされる強力な制度です。

本事例で事業者が提出した試験データは、あくまで「試験室」という限定的な環境下での結果でした。消費者庁は、不特定多数の指が触れ、摩擦や皮脂が生じるスマートフォンの「実空間」における効果を反映していないとして、合理的根拠とは認めなかったのです。 

特にEC事業者が教訓とすべきは、第三者による「認証」への過信です。本事例では抗菌性能の証として「SIAA認証マーク」を掲げていたものの、当局は「認証は試験方法に基づく合格を示すもので、実際の使用環境での効果を保証しない」と一蹴しました。

「クレベリン騒動」以降、消費者庁は「実生活空間での再現性」を厳格に求めるようになっています。たとえ著名な認証があっても、それが広告表現と一対一で対応し、かつ実際の利用シーンに即したものでなければ、不当表示のリスクを免れることはできません。

(出典:景品表示法|消費者庁)


「知らなかった」は通用しない。認証への過信が招く景品表示法違反の深刻な事業リスク 

景品表示法に抵触した際、EC事業者が負う代償は「修正」や「謝罪」だけでは済みません。特に「仕入元の説明を信じた」「高名な認証マークがあった」という弁明は、法執行の場では通用しないのが現実です。ここでは、不当な表示が認定された場合に事業者が直面する、多層的なリスクを整理します。 


まず、行政による強力な制裁です。消費者庁が下す「措置命令」は、違反事実の一般消費者への周知と再発防止を命じるもので、社名と共に広く公表されます。これは「不実な情報を流した企業」というレッテルを貼られる致命的な社会的制裁です。

さらに、不当表示で得た経済的利益を没収する「課徴金納付命令」も科されます。課徴金は対象商品の「売上額の3%」と定められており、最大3年間に遡って算出されます。事業者が「相当の注意を怠った者でない(過失がない)」と認められれば免除される規定もありますが、専門機関の証明書を自ら精査するレベルの管理体制がなければ、免責のハードルは極めて高いのが実情です。

(出典:景品表示法の課徴金制度|消費者庁)

次に、ECプラットフォームにおける存続リスクです。楽天市場やAmazonなどのモールでは、法令違反は重大な規約違反とみなされます。例えば楽天市場の「違反点数制度」では、累積点数が100点に達すれば「強制退店(契約解除)」という、事業の生命線を断たれる事態を招きます。Amazonでも、不当表示が確認された商品の停止のみならず、アカウント全体の健全性が損なわれ、最悪の場合はアカウント自体が閉鎖(BAN)されます。

(出典:楽天市場の違反点数制度|株式会社いつも

最後は、ブランド価値と組織への打撃です。一度失った信用を回復するには膨大な時間とコストを要します。SNSでの拡散により「レピュテーションリスク」を長期間背負うだけでなく、当局への対応や消費者対応に人的リソースを奪われ、本来の成長戦略が停滞してしまいます。一つのキャッチコピーに対する甘い判断が、会社全体の運命を左右することを肝に銘じるべきです。


明日は我が身!自社サイトを今すぐ守るための「景品表示法」対策チェックリスト

不当な表示を未然に防ぐには、現場レベルでの点検体制が不可欠です。今回の事例で露呈したのは、たとえ「認証」があっても、その内容が広告表現と乖離していれば法的根拠として認められないという厳しい現実でした。明日から自社サイトを点検するための「景品表示法」対策チェックリストを、三つの観点で提示します。 

1. エビデンス(証拠資料)の質を再検証する

手元の資料が「広告の裏付け」として有効かを確認してください。

● 実空間との整合性: 試験データが「試験室」の特殊環境のみの結果ではないか。消費者が実際に使用する「実空間」での効果を論理的に説明できる資料があるか。

● 表示との一対一の対応: 「キズ防止」と断定するなら、日常的な摩擦条件での試験データがあるか。表現と試験内容に飛躍がないかを精査する。

● 認証の限界を把握: SIAAマーク等の認証があるという理由だけで、性能を過度に断定していないか。認証が「何を証明しているのか」を正しく理解し、広告に反映させる。

(出典:インターネット上の広告表示の留意事項|消費者庁)

2. ウェブサイト上の表現と「打消し表示」の適正化

消費者の期待と実態のズレをなくすための点検項目です。

●断定表現の回避: 「絶対」「100%」「永久」といった、実証が困難なストロングコピーを安易に使っていないか。

●打消し表示の視認性: 「※効果には個人差があります」等の注釈が、スマホ画面で判読不能なほど小さかったり、背景色に紛れたりしていないか。強調表示のすぐ近くに配置されている必要がある。

●No.1表示の透明性: 「売上1位」等を掲げる際、客観的な調査機関名、期間、方法が同一画面内に明記されているか。

(出典:打消し表示に関する実態調査報告書|消費者庁)

3. 組織・運用の体制を構築する

組織として「守り」を固める仕組みが必要です。

●審査フローの構築: 制作担当や代理店が作ったLPを、法務知識のある別の担当者が客観的にチェックする工程があるか。

●サプライヤー管理: 仕入元からの「セールストーク」を鵜呑みにせず、自社で適正性を判断しているか。

EC事業における法令遵守は、ブランドを守り抜くための「投資」です。誠実な表示こそが、結果として顧客の信頼を勝ち取り、競合に対する強力な差別化要因となります。

(出典:不実証広告規制の合理的根拠|消費者庁)


まとめ:景品表示法の「表示の根拠」徹底がEC事業の未来を守る 

今回の事例が示す通り、第三者認証があるからといって、実空間での効果を無視した過大な表示は景品表示法違反となります。不実証広告規制による措置命令やモール退店のリスクを避けるためにも、客観的で合理的な根拠の管理を徹底しましょう。

誠実な情報提供こそが、顧客の信頼を得て長期的な事業成長を支える最良のマーケティング戦略であり、貴社の事業を長期間にわたって守り抜く唯一の道なのです。



筆者プロフィール情報

  つきみ株式会社  山本 達巳

https://tsukimi.ne.jp/

静岡市出身、関西学院大学卒。留学をきっかけに輸入雑貨のEC事業を開始し、令和元年に独立。

自社アウトドアブランドの展開を経て、令和6年につきみ株式会社を設立。商品ページ作りや広告運用、SNSなどECに関係する領域を幅広く対応しつつ、商品ブランディング支援を行っている。



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