2021.10.29 調査・統計
20年ネット広告市場調査、7.4%増の2兆1290億円…広告主がネットにシフト
(株)矢野経済研究所が28日発表した『インターネット広告市場に関する調査(2021年)』によると、20年度の市場規模は約2.1兆円。AIを活用した広告運用手法や通信環境の進展、デバイスの拡張などを背景に、ネット広告市場はさらに拡大する見通しだ。

20年上期はコロナ禍で一時的な広告抑制も、下期から企業のDX化が急伸
調査は7~9月。ネット広告代理店、メディアレップ、アドテクノロジー提供事業者、メディアなどに聴取。各種媒体に出稿された広告主による広告出稿額を合算し、算出した。
近年、国内のネット広告市場は成長を遂げてきたが、20年度はコロナ禍の影響などから、一時的な広告出稿の抑制がみられた。しかし、下期以降は消費の回復や企業のDX化が急速に進んだことで、市場の伸長率は鈍化したものの最終的にはプラス成長となり、20年度のネット広告市場規模は前年度比107.4%の2兆1290億円と推計した。
21年度は、巣ごもり需要など景気回復を背景としたEC市場の成長や、ユーザーのネット通販利用の増加などにより、広告主企業のネット広告へのシフトで、市場は前年度比114.5%の2兆4370億円まで拡大する見込みとした。
YouTubeやTikTokなどで動画広告が急拡大、TVerのユーザー数は1年で2倍に
巣ごもり需要での動画視聴者数の増加から、広告メディア(フォーマット)において動画広告が増加傾向にある。動画広告市場の成長背景には、YouTubeやTikTokなどの動画配信プラットフォームが急成長したこと、動画広告の媒体が増えていることが挙げられる。また、5Gなど通信環境の進化で、動画コンテンツの提供速度やクオリティも充実してきており、企業やサービスのブランド向上を目的とするブランド系広告主の出稿が増えているものとみられる。
最近のトレンドとして、TVerなどのコネクテッドTV(ネットに接続されたテレビ)広告市場が伸びている。この1年、TVerは巣ごもり需要を捉え、ユーザー数が約2倍に伸長したとされる。こうしたサービスにより、マルチデバイスでの視聴が可能となり、今後はテレビとネットの境目が薄くなる可能性もある。また、テレビCMからネットの動画広告にシフトする広告も増えている。今後はデバイスを跨ぐユーザーが増え、動画広告市場はさらに成長する見通しだ。
今後、AIを活用した広告運用手法などさらなるDXの進展により、他の媒体からネット広告へのシフトが進むものと思われる。また、通信環境の進展とデバイスの拡張により、ネット広告の領域がさらに拡大する可能性もあるという。広告種類別では、ソーシャルメディア広告や動画広告などの運用型広告の拡大などにより、24年度の国内ネット広告の市場規模は約3.兆2740億円にまで拡大するものと予測している。
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