2021.05.25 調査・統計
フィットネスクラブの倒産が急増、事業者の7割が減収…ネット移行へ
(株)帝国データバンクがまとめた『フィットネスクラブの市場動向調査』によると、2020年度の倒産や廃業は過去10年で最多、市場規模は前年度比3割超の縮小を見込んだ。コロナ禍で業績への打撃は深刻だが、オンライン施策などで「密」を避ける取り組みが加速している。

フィットネスクラブの倒産が過去10年で最多に
調査では、20年度に発生したフィットネス(スポーツジム)事業者の倒産や廃業は累計26件に上った。19年度の23件を上回って過去10年で最多となり、過去20年間ではリーマン・ショック直後で需要が大きく後退した08年度の29件に迫る。総じて拡大傾向にあった市場だが、コロナ禍で一変。事業者の7割超が減収に陥り、大手でも大幅な赤字を計上するなど厳しい業況を余儀なくされている。特に経営体力に乏しい中小フィットネスクラブが耐えきれず、経営破綻や事業継続を断念するケースが増えているほか、大手でも不採算店舗の整理といった動きが目立っている。
市場全体も大幅な縮小に
右肩上がりの成長が続いた市場全体でも、20年度は大幅な縮小が見込まれる。現状のペースで企業業績が推移した場合、市場規模推計は5000億円台にとどまる見通し(事業者売上高ベース)。過去最高となった19年度の約7100億円から3割超の減少となるほか、過去10年では初となる市場縮小を余儀なくされることになりそうだ。当面は各社にとって厳しい経営環境が続くとみられるが、市場が持つ成長ポテンシャルはコロナ禍でも依然として高い。そのため各社とも、客足が伸び悩む屋内店舗型サービスから、オンライン中心のサービスや、アウトドア型のフィットネスなど新たな需要を掘り起こすことで、利用者の早期回復や経営の立て直しを模索している。
各社がオンラインを活用した非接触・非対面型のサービス拡充
パーソナルジム最大手のRIZAPグループ(株)は、オンラインを活用した在宅フィットネスのプログラムを拡充。店舗の統廃合を進める一方で、TikTokやYouTubeなど動画投稿サイトを活用し、非接触・非対面型のサービス拡充に取り組んでいる。(株)ジェイエスエスは同業大手の(株)ティップネスと協業し、同社が有する施設やLIVEレッスンプログラムといったサービスを割引価格で利用できるようにすることで既存会員の満足度を高める施策を強化している。
他方、(株)ルネサンスは、傘下の子会社を通じてアウトドア型のフィットネス事業へ本格的に参入。屋外施設や自然環境を利用する新形態のサービスで、屋内で「密」を回避したいと考える個人利用者の潜在ニーズの取り込みを期待する。
店舗型サービスがコロナ禍で転換を余儀なくされる中、これらの「脱店舗」に向けた各社の次の一手が巻き返しにつながるか注目される。
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