2020.10.21 調査・統計
コロナ禍で「乳酸菌」「プロポリス」など免疫関連素材の需要が拡大
総合マーケティングビジネスの(株)富士経済はこのほど、新型コロナウイルスの感染拡大で注目される「免疫機能向上に関連する食品の成分素材の最新動向」を調査し、速報として公表した。有用菌(プロバイオティクス)やプロポリスなどの需要が増加しており、体調・免疫サポート食品市場が拡大している。
コロナ禍で体調管理や免疫力を高める消費者意識が向上
コロナ禍の影響で、体調管理や免疫力を高める消費者意識が向上している。これを踏まえ、免疫機能向上に関連する食品の成分素材20品目の市場動向を調査した。ステークホルダーである機能成分・素材メーカーや最終商品メーカーの現状把握では、コロナ禍を意識して新たな取り組みを始めたのは半数に満たなかった。
なお、調査は現時点での最新動向である2020年見込の把握に努め、昨年調査の19年見込の確定は行っていない。今後確定し更新していくとしている。
プロバイオティクスは16%増の93億円
注目の市場として、まず乳酸菌、ビフィズス菌を対象とした「有用菌(プロバイオティクス)」を挙げ、2020年は19年見込み比16.3%増となる93億円を見込んだ。死菌ブームが落ち着いたものの、メディアで乳酸菌の腸管免疫系への有用性が取り上げられるなど、免疫機能の調整や賦活のイメージが浸透したことで、発酵乳をはじめとした関連商品の需要が増している。
「プロポリス」は 19年見込み比5%増の21億円を見込んだ。ミツバチが収集した樹脂など植物由来物質が蜜蝋と混ざることで精製される成分で、抗菌作用が確認されている。認知度も高く、サプリなどの最終商品では安定した需要があるが、商品へのテコ入れがあまりみられないため市場は停滞していた。20年は感染症対策の有力素材として再注目されているが、関連商品数が少ないことなどから大幅な増加には至っていない。
イヌリンやアミノ酸類は平年並み
水溶性食物繊維および多糖類の一種に分類される「イヌリン」の市場は19年見込みと同額の19億円を見込んだ。プロバイオティクスの働きを助けるプレバイオティクスとしての機能が注目されている。大腸内のビフィズス菌がイヌリンを消化することで増殖し、短鎖脂肪酸が産生されることで血糖値上昇を抑制する生理機能が確認されている。
低糖質食品ブームにより需要が増加し、19年にはヨーグルトのメジャーブランドでイヌリンが配合された商品が発売されるなど、シンバイオティクスの概念における採用が増加した。機能面ではメーカーが独自の研究データを積み上げている状況であり、イヌリンのインフルエンザウイルスに対する予防効果についての発表も確認されている。
「アミノ酸類」は、BCAA(33億円)、L-アルギニン(36億円)、L-カルニチン(25億円)、リラックス機能を有するL-テアニン(5億円)は、いずれも19年比並み。機能素材としてスポーツ関連サプリなどあらゆる用途で採用されている。企業や学術機関でシスチン、テアニンなどアミノ酸の免疫機能への関与にフォーカスした研究が行われているが、一般的な認知度は低く、エビデンスは得られているもののコロナ禍に伴った需要増はみられていない。
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