LINEの通数課金なんて怖くない!個別配信でCVRアップ!?

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通販業界でユーザーとの有力なコミュニケーションツールとして定着しつつある「LINE」が、19年春頃に法人向けアカウント統合と料金形態を変更する。メッセージの通数課金が適用となるため、LINEのメッセージを使った販促を実施するEC事業者にとっては大幅なコストアップになりかねない。通数課金適用後もLINEを有効な販促ツールとして活用していくためのコツについて、配信ツールなどの開発を手掛ける(株)ファナティックの野田大介社長に解説してもらった。

 

 

LINE販促は「頻度が高い方がCVにつながる」

 現在、LINE@の有料ベーシックプラン・プロプランを利用している場合、課金はメッセージの配信数に左右されないため「配信し放題」となっている。LINE@で成果を出すには、「配信頻度が多い方がコンバージョンにつながる」とファナティックの野田大介社長は指摘する。「ブロック数を気にして、『週1回~2回の配信数に制限するアカウント』よりも『週3回以上配信するアカウント』の方が売上面での成果が顕著に出ている。成果に差が出る理由は単純で、通知が多い方がコンバージョンにつながるからだ」(同)と解説する。

 

通数課金適用見据え、ファン度合いの高い友だちを増やす取り組みを

 「配信頻度が高くなれば、当然ブロック数は増える。ただ、ブロックせず残った友だちというのは数々のプッシュ配信を受信してくれる″ファン度合いの濃いアカウント″になる」(野田社長)という。一方で、「配信頻度が低い場合、ブロック率も低くなるが、ショップへのファン度合いが比較的薄いアカウントも残る」(同)ことになる。

 

 

※ファナティックの野田社長

 

 そんな中、LINEに通数課金が12月から適用される。LINEの友だち数が多ければ多いほど、配信単価は上がることになる。「費用対効果に合ったLINE販促施策に取り組むには『友だちの質』が重要になる」(野田社長)と言う。濃いユーザーに配信する1通も、比較的薄いユーザーに配信する1通も同じ課金が発生する、ということだ。そうなると費用対効果に優れたアカウントがどちらになるかは明らかだろう。「配信し放題の今のうちに配信数を増やして、リストの精度を上げていくのは1つの有効な手段だと思う」(同)と話す。

 

通数課金適用の対応は「減らす」「やめる」「細分化」「個別配信」

 通数課金適用後の通販事業者の対応について、野田社長は下記の4つに分かれるとみている。

 

(1) 配信数の抑制
(2) LINE販促から撤回
(3) アカウントの細分化
(4) 個別配信の強化

 

 通数課金適用後、一番多いパターンとなりそうなのが「配信数の抑制」だ。「予算に合わせた配信数までに抑えるアカウントが続出するだろう」(野田社長)と話す。

 

 今後、LINE販促から撤退するプレーヤーも出てくると見られる。すでにデパートの「LUMINE(ルミネ)」がLINE公式アカウントを終了した。「費用対効果を考慮し、友だち数が膨大に膨れ上がったLINE公式アカウントではなく、自社アプリに寄せてプッシュ配信を行う、という選択をする事業者はふえるのでは」(野田社長)と予測する。

 アカウントを細分化するのも1つの手だ。ファストファッションECサイト「WEGO」を展開する(株)ウィゴーでは、公式アカウントを終了し、ブランド全体・通販サイト・各店舗、それぞれにLINE@のアカウントを用意した。アカウントを細分化すると「運用の手間が膨らむものの、アカウントごとの獲得数が明確になり評価しやすくなる。開発費用もなく各アカウントの特性ごとの情報出し分けが可能になるので、通数課金適用後も高い費用対効果をキープできる可能性がある」(同)としている。

 

 そんな中、全体配信を極力抑えて「個別配信」に注力していくという手段がもっとも効果的な手法と言えそうだ。個別配信とは、1つのアカウントで運用しつつも、ブランドや店舗ごとに配信内容を分けをしたり、カート落ちや再入荷リクエスト配信などユーザーの好みや行動に応じて配信内容を分けることで、配信の質を上げていく取り組みだ。

 

自動配信ツール導入で個別配信をローコストに実現

 個別配信は、ベンダーが提供する自動配信ツールを利用すれば簡単に実施できる。同社が提供する自動配信ツール「WazzUp!(ワズアップ)」では、サイト内に指定のタグを挿入するだけで、カート落ちや再入荷リクエスト配信が可能だ。

 「サイト内に指定のタグを挿入するだけなので連携開発コストは抑えられ、月額費用も有効な友だち数が10万人以下であれば1万円から利用可能。必要な配信内容のみ選択すれば、通数課金適用後も月額費用も抑えられる」(野田社長)と話す。

 

 LINEは今後、複数あるアカウント種別が通数課金適用後の新料金プランで1つに統合される予定。「月額費用0円から」利用することができるとしており、基本料金の大幅値下げが予想される。一方で、通数課金によるコストアップもある。「基本料金が下がればビジネスコネクトツールの導入ハードルが一気に下がると同時に、通数課金適用による個別配信の必要性が増す」(野田社長)としている。

 

(古川寛之)

 

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