2025.11.25 行政情報
消費者契約法の抜本改正へ検討会スタート、デジタル取引の規制が焦点に
消費者庁は11月25日、「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会」の初会合を開き、消費者契約法の抜本改正に向けた検討に着手した。来夏をメドに中間取りまとめを行う。その後、特定商取引法などの見直しを議論する「デジタル取引・特定商取引法等検討会」との合同検討会を設けて、消費者法制度を見直す計画だ。
挨拶する黄川田消費者担当大臣(右から2人目、11月25日)
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ワーキンググループを設置
検討会は学識経験者を中心に、経済団体や消費者団体の関係者などで構成。座長は東京大学大学院法学政治学研究科の山本隆司教授が務める。検討会の下にワーキンググループを置く。
検討課題に、(1)消費者の多様な脆弱性への対応で必要な規律、(2)消費者契約の各過程で必要な規律、(3)ソフトローも活用した紛争解決の仕組み、(4)解約料の実効的な仕組み、(5)横断的な事項――を挙げた。
黄川田仁志・消費者担当大臣は、「消費者契約法の抜本的改正も視野に入れ、消費者取引の新たな礎を築き、健全な市場を構築するために、たいへん重要な場であると認識している」と述べ、今後の議論に期待した。
サブスクサービスの規制も課題に
デジタル取引の普及に伴い、インターネット通販の悪質な定期購入商法や、消費者を騙す「ダークパターン」と呼ばれるサイト構成など、事業者が「消費者の脆弱性」を作り出す状況となっている。特に認知機能が低下した高齢者や、社会経験が乏しい若年層がトラブルに遭う傾向にある。
また、動画・音楽配信といったサブスクリプションサービスの台頭で、契約時に限らず、途中解約などの各段階で消費者トラブルが増加している。これに加えて、SNSサービスなどでは、消費者の「アテンション(関心)」を収集・利用したり、むやみに消費者の「時間」を消費させたりするという問題もある。
これらの課題は、消費者契約法をはじめ、現行の消費者法制度では対応が困難なことから、新たな規制のあり方を検討する。その際、従来の後追い的な規制の追加ではなく、包括的な取り組みも検討するとみられる。
「解約料」の新たなルールも検討課題に
解約料のルールも検討課題の1つ。消費者契約法は、事業者が一方的に高額な解約料を請求することを防止するため、「平均的な損害」を超える解約料を無効としている。
しかし、業種・サービスによっては、損失補填以外にも、飲食店予約の解約抑止や航空運賃プランの価格差別など、さまざまな目的で解約料を設定している。検討会ではこうした現状を踏まえ、解約料のルールのあり方についても検討する方針だ。
(木村 祐作)
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