2024.05.23 行政情報
機能性表示食品制度改正へ「報告書案」取りまとめ…法令に安全性確保対策を位置づけ
消費者庁の「機能性表示食品を巡る検討会」(中川丈久座長)は5月23日、機能性表示食品制度の安全性確保対策を強化するための施策を盛り込んだ報告書案を取りまとめた。これを踏まえ、消費者庁は制度の改正案を策定し、今月末までに関係閣僚会議へ提出する。
(画像) 5月23日夕、オンラインで開催された最終会合の様子
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法的拘束力を持たせる
小林製薬の紅麹問題をめぐり、機能性表示食品の安全性が問われた。報告書案は、制度の安全性確保対策の強化に向けて、健康被害情報の行政機関への報告義務化、サプリメントを対象としたGMPによる製造・品質管理の義務化、容器包装の表示ルールの改正などを柱に据えた。
現行制度では、詳細ルールを届出ガイドラインで規定していることから、法的拘束力がなく、届出ガイドラインから逸脱していても強制的に排除することが困難となっている。そうした現状を踏まえ、報告書案は、内閣府令などの法令に施策を位置づけ、法的拘束力を持たせることを提言した。
GMP、消費者庁が立ち入り検査
健康被害拡大を防止する観点からは、届出者に健康被害情報の行政機関への報告を義務づけ、すべての機能性表示食品に適用するよう求めた。義務づけるのは、医師が健康被害の疑いを持った事例で、医師に限らず、消費者などから寄せられた情報も含む。報告期限については、類似の制度を参考に明確化することとした。
製造・管理面では、錠剤やカプセルといったサプリメント形状の機能性表示食品を対象に、GMPによる管理を義務づける。GMPの具体的内容は、通知(GMPガイドライン)に基づいて設定する。使用原料については、GMPで定める原料受け入れ段階で、機能性関与成分に限らず、成分全体の同等性を確認することを提言した。
これらに加え、届出者が自主点検するためのチェックポイントを整備する。届出者は自己点検の結果を消費者庁へ定期的に報告し、必要に応じて、消費者庁が食品表示法に基づく立ち入り検査を行う仕組みが必要としている。
更新制の導入求める
報告書案では、容器包装の表示ルールの改正も提言。機能性表示食品と特定保健用食品(トクホ)を混同する消費者がいることから、容器包装上で「機能性表示食品」「届出番号」の表示を目立たせることなどを求めた。また、消費者がいわゆる健康食品と混同しないように、科学的根拠などの届出情報が消費者庁ウエブサイトで確認できることを明記する施策も示した。
さらに、医薬品との相互作用や過剰摂取を防ぐための注意喚起については、より具体的に記載するよう求めた。
現行制度では、販売後の安全性確保の取り組み状況が不明となっていることから、GMPの履行状況などについて、更新を義務づける仕組みの検討も求めた。これに加えて、販売後に成分全体の同等性を担保する仕組みが必要とする意見も盛り込んだ。
トクホへの適用も要望
既存の商品には見られない新たな機能性関与成分などを含む場合には、専門家に判断を求めるようにするため、届出から販売までにかかる日数を現行の60日から延長する施策の検討を求めた。
報告書案で示した各施策については、すでに公表されている届出にも適用することが適当との考え方も示した。さらに、トクホにも適用すべきという意見も盛り込んだ。
自見消費者担当大臣は「社会的関心は高く、今後の在り方については、そうした関心に対して正面から応えてもらい、信頼回復につながるもの」とし、「報告書案を受け止めて、取りまとめ案に反映させる」と述べた。
(木村 祐作)
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