2023.05.18 調査・統計
AI悪用の音声詐欺が世界で急増、日本は被害遭遇率が最低も今後は増加?
マカフィー(株)は17日、日本を含む世界7か国(日本、米国、英国、ドイツ、フランス、インド、オーストラリア)を対象に実施した、AI(人工知能)を悪用したオンライン音声詐欺の現状に関するレポート「The Artificial Imposter」を発表した。

被害者の77%が「実際に金銭被害にあった」
マカフィーが7か国の18歳以上の成人7054人に実施した調査(4月13日~19日)では、「自身がAI音声詐欺に遭遇した」が10%、「知人が遭遇した」が15%。被害者の77%が「実際に金銭被害にあった」と答えていた。日本のオンライン音声詐欺の遭遇率は世界7か国で最も低く、自身が遭遇は3%、知人が遭遇は5%にとどまり、世界平均の約3分の1だった。
人の声(声紋)は、生体認証として個人を特定できるユニークさを有し、声を通じて信頼関係が確立されていることも多い。しかし、調査対象の過半40%以上が週に1回以上(ソーシャルメディアやボイスメモなどで)、全体の10%は週に5回以上、自身の音声データをオンラインで共有しており、この声がコピー・悪用され、サイバー犯罪者の格好の材料になっている。
AIボイスクローニングツールで一致率85%の音声クローンを3秒で作成
日本の音声データのオンライン共有は、オンライン音声詐欺の遭遇率と同様、世界7か国で最も低く、週1回以上の共有が23%、週に5回以上は5%で、世界平均の半分ほどだった。
AIツールの普及により、画像や動画、そして友人や家族の声を悪用することがこれまで以上に容易になっている。調査によると、詐欺師はAI技術を使って声のクローンを作り、困窮を偽ったボイスメールを送ったり、被害者の連絡先に電話をかけていることが明らかになった。
回答者の70%(「識別できるかどうかわからない(35%)」と「識別できないと思う(35%)」の計)が、クローン音声と本物の識別に自信がないと答えており、音声クローニングによる詐欺が勢いを増す要因にもなっている。
マカフィーの青木大知・日本アジア地域チャネルマーケティング本部長は、「日本は音声データのオンライン共有率が低く、結果的にAIを悪用した音声詐欺の遭遇率も低い傾向にあるが、この現状は今後、音声詐欺に遭遇する可能性が高いとも受け取ることができる」。
「McAfee Labsの調査で、AIボイスクローニングツールを利用して、わずか3秒で85%の一致率を有する音声クローンを作成できることが分かった。このようなAIを悪用した音声クローニング詐欺が横行しやすい現状を認識し、自分のアイデンティティの共有に慎重になるとともに、音声詐欺の遭遇に備えた準備が必要だ」と警告している。
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